日程調整というと、
「空いている時間を探して、予定を入れる仕事」
だと思われることがあります。
カレンダーを見て、
「14時から15時が空いている。」
「では、ここに打ち合わせを入れよう。」
一見すると、何も問題がないように見えます。
でも私は、秘書業務で日程調整をするとき、
カレンダーが空いていることと、予定を入れられることは別
だと考えていました。
実際に日程調整を担当していたときには、予定を入れるための基準をつくって運用していました。
見るのは「空き時間」ではありません。
その予定をそこに入れた結果、一日がどうなるか。
そこまで考えるのが日程調整だと思っています。
移動時間は「空き時間」ではない
例えば、
13時まで外出。
14時からカレンダーが空いている。
だから、
「14時からWEB会議を入れられます。」
とは限りません。
13時に予定が終わっても、
そこから移動する必要があります。
昼食を取る時間が必要かもしれません。
次の予定の資料を確認する時間も必要かもしれません。
カレンダー上では空白でも、
実際に仕事へ使える時間ではない
ことがあります。
私が使っていた日程調整の基準でも、空き時間から移動時間を差し引いた「実稼働時間」を基準にしていました。
カレンダーの白い部分を、そのまま「空いている時間」と考えない。
これだけでも、一日の動きやすさはかなり変わります。
予定の前には「準備時間」がある
会食や対面の予定がある場合も同じです。
例えば18時から会食。
カレンダーだけ見れば、
17時までWEB会議を入れられそうに見えます。
でも実際には、
身支度をする。
資料や持ち物を確認する。
会場へ移動する。
少し早めに到着する。
という時間が必要です。
そのため、私が使っていた基準では、会食の開始1時間前をブロックしていました。
これは「休憩時間」ではありません。
次の予定を予定どおり始めるために必要な時間です。
予定そのものだけでなく、
予定と予定の間に何が必要なのか。
そこまで含めて考えます。
WEB会議は、できるだけまとめる
逆に、まとめた方が効率のいい予定もあります。
WEB会議です。
10時にWEB会議。
12時に外出。
15時にWEB会議。
17時にまたWEB会議。
一件ずつ見ると、すべて予定どおりです。
でも一日全体を見ると、
かなり細切れになります。
集中して作業しようとしても、
「あと30分で会議だから。」
と中途半端になる。
会議が終わって仕事へ戻ったら、また次の会議。
これでは、カレンダーに空白があっても仕事は進みにくくなります。
だから、WEB会議が続けて設定できるのであれば、なるべくまとめる。
実際の運用基準でも、前後にWEB会議がある場合は、連続して設定する方針にしていました。
予定を入れることではなく、予定以外の仕事ができる時間も残す。
ここも大切です。
早い時間から埋めるのにも理由がある
候補時間が複数ある場合、
私は基本的に早い時間から予定を入れるようにしていました。
例えば、
13時、15時、17時。
どこでも調整できるのであれば、まず13時を使う。
そうすると後半に余白が残ります。
予定が長引く。
急な対応が入る。
移動に時間がかかる。
別件の確認が必要になる。
仕事では、予定どおりにいかないこともあります。
最初から一日の最後までびっしり埋めてしまうと、何かひとつずれた瞬間、その後の予定が全部苦しくなります。
余白は、暇な時間ではありません。
予定外のことを吸収するためのバッファでもあります。
その人固有の「入れられない時間」もある
もうひとつ大切なのが、
その人の働き方や生活に合わせたNG時間を把握することです。
出張。
私用。
定期的な予定。
曜日による働き方の違い。
こうした事情は、人によって違います。
元の運用でも、個別事情に応じてNG時間帯を設定し、事前に確認するルールにしていました。日程調整の基準と運用方法.pdfPDF
日程調整を担当するなら、
毎回本人に、
「ここ入れていいですか?」
と聞かなくても判断できる状態をつくる。
そのためには、
本人の予定を知るだけではなく、日程を入れる判断基準を共有しておく
必要があります。
日程調整は「パズル」ではない
日程調整が続くと、
カレンダーの空白を埋めるパズルのようになりがちです。
ここが空いている。
ここにも入る。
30分あるから、もう一件入れられる。
でも、
たくさん予定を入れられることが、日程調整の上手さではありません。
むしろ大切なのは、
その人が無理なく動けるか。
移動できるか。
準備できるか。
集中して仕事をする時間が残るか。
急なことが起きても対応できるか。
一日、一週間という単位で見たときに、仕事が進む配置になっているか。
そこまで見ることだと思っています。
日程調整にも「判断基準」が必要です
日程調整を誰かに任せるとき、
「空いているところに入れておいて。」
だけでは、担当者はカレンダーの空白しか見ることができません。
WEB会議は何分単位なのか。
移動時間をどのくらい取るのか。
対面予定の前にはどのくらい余白が必要なのか。
予定をまとめるのか、分散するのか。
私用や出張など、あらかじめ避ける時間はあるのか。
こうした基準を決めておけば、担当者自身が判断できます。
そして本人も、
日程調整のたびに細かく指示を出さなくて済みます。
任せるとは、作業を渡すことではなく、判断できる基準まで渡すこと。
これは日程調整でも同じです。
カレンダーが空いているから、予定を入れる。
のではなく、
その人が一日をどう動くのか。
仕事をする時間は残っているか。
次の予定へ無理なく移れるか。
そこまで考えて配置する。
日程調整とは、予定を入れる仕事ではありません。
その人が動きやすく、仕事を進めやすい一日を設計する仕事です。
私は、そう考えています。