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人の為に、誠実に、しつこく。

 中学時代に大きな成功体験をし、自信と覚悟、そして人生の軸をはっきりと自分のなかで持つことができました。「学校にいる全員が最高に楽しいと心から言える学校をつくる」。これをはっきりと掲げ、生徒会長としての役を果たしました。全員というのは、文字通り一人残らず全員のことを指します。40人クラスで39人が「体育祭最高に楽しかった!」という時と、40人クラスで40人が「体育祭最高だった!」という時とでは、溢れる喜びの総量と、のちの結果に、天と地ほどの差が出ると思っています。中学校ですから、様々な生徒がいました。不良、不登校、ムードメーカー、シャイ、真面目。僕はただ、全員のことが好きでした。全員に話しかけ、会いに行き、諦めずに「一緒に…!」と声を掛け続け、行動で示しました。最後にはそれが学校全体に伝わり、先生含め全生徒の応援と協力をもらうことができ、大きな期待のもと、想いを形に変えることができました。

 高校時代には、大きな挫折を一つ経験しました。周りのためにと働きかける自分には、大きな欠点がありました。それは、自己管理能力の欠如です。ほぼ全てのことを周りと協力するか、又は助けてもらうことで何かを成してきた自分は、自分ひとりの力で何かを成し遂げられない、甘えにまみれた人間になっていたのです。それを克服したうえで自分の目指すものをみんなと実現しようと、生徒会長、陸上部長距離での駅伝、第一志望への大学受験合格に挑戦しました。しかしそのどれもが、努力を積み重ねたはずなのに”不成功”という結果に終わり、何より、生徒会長としての失敗は、数えきれないほど多くの人の期待を裏切る結果となってしまいました。数百人から千人を超える人々の想いに応えられなかった時の申し訳なさと悔しさは、今思い出しても涙が止まらないものです。きっとどこかで努力の仕方を間違えていたし、きっとどこかで自分に甘えていたのだと思います。

 そして、大学時代。中学での成功体験、高校でのはかり切れない自責と後悔の念から、結果と実績にこだわるようになりました。口だけじゃなく、想いだけじゃなく、それを形にするだけの行動力と正しい努力の仕方について、ひたすらに探求を続けました。国体ボランティア、国内・国際ボランティア、オンラインビジネスプログラム(ソーシャルビジネス)の参加、海外での長期留学と約半年間のインターン、学外でひたすら続けた自学。できること、やれることは何でもやり、常に試行錯誤を繰り返していきました。しかし、根本は変わりません。「みんなが誰かと絆を結び、苦しい時は支え合え、嬉しい時は喜び合える」。そんな社会でありたいと強く思い、自分はそんな人生を生きたい。もちろん、結局これは日常の単位で行う必要があるのだと思っています。目の前の一つ一つの「つながり」に、誠実に、しつこく向き合い続け、どんな瞬間でも、正しいと信じることは行い切る。そこに命を使い続けます。