PTSD治療は保険適用対象外である問題について
NCNP病院で「心的外傷後ストレス障害の治療におけるメマンチンの有効性」と言う臨床試験が実施されています。
不安障害の当事者として感じている事は、「不安は言い訳にならない」と言う事です。
月経困難症もですが、月経困難や不安症は服薬で抑える事が可能であるために「配慮」の対象になり得ないと考えられています。(発達障害や潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症などの難病は配慮の対象となります)
例えば「市役所が怖くて生活保護が受けられない」「医者が怖くて病院に行けない」「不安症から心身症の症状がある」などは配慮、支援の対象となりません。但し、不安症から、或いは服薬から化学物質過敏症や潰瘍性大腸炎を発病した場合はその限りではありません。特に難病によって服薬に制限がある場合には特例措置が行われる場合もあるかもしれません。
つまるところ、世間一般の価値観としては「難病になってから言え」と言ったものでしょうか。しかもその治療も「根本治療」(カウンセリングや認知行動療法)は行いません。あくまでも保険適用内で行われる治療は対症療法のみとなります。例えば性別違和について、「男性が怖い」「女性が怖い」「女性社会から外されて辛い」と言ったものは不安緩和の投薬が行われます。性別適合手術はあくまで保険適用外の治療となります。
また、ストレスの原因に対する回避も精神科では推奨されません。例えば家族からのストレスがあった場合、家族と離れて暮らすべきだと言う事は精神科としては推奨しません。服薬して我慢するべきと言う考え方です。デイケアではそのような時の為のアンガーマネジメントの方法を教えたりしますが、時間の掛かる作業である事は言うまでもありません。
私は母親に対する恐怖心があり、私の青春期は母から逃げる事に費やしたと言っても全く過言ではありません。しかし、親元を離れてもその恐怖は他の人に対して続きます。つまり、母の恐怖から逃げる事は一生できないのだと感じました。この時必要となるのは母のように加害を加える相手を自分がどのように対処するのかの方法を身につける事であると考えるようになりました。
さて、それではどのような症状が障害年金などの保障や合理的配慮の対象になるのでしょうか。こちらのサイトによればそれは「現実検討力」「発言や行動の了解性」「自我境界/自他の識別」の3つだそうです。この3つが困難であると判断された時に障害年金や合理的配慮が行われるそうです。
発達障害を持つ人はほとんどの人がいじめを経験しています。不安症を併発している方も多いと思いますが、不安症自体には何の社会的効力もない事は留意しておきたいところです。