1
/
5

Section1:1桁企業ステージを変える際に必要な「戦略」

Comfortable Zoneから抜け出せない経営者

ビジネスを行う上で、戦略が必要になるタイミングは様々有るが、私は主に事業規模を「一桁変える」と経営者が考えた時が最も戦略が必要なタイミングであるように思う。

1億円を10億円に。
10億円を100億円に。
100億円を1,000億円に。
1,000億円を1兆円に。

これは何も売上高に限らない。営業利益ベースで捉えたとしても良いと思う。

どのような業績指標で捉えたとしても、変わらないのは、既存の延長線上では達成できないという点だ。
何等かのビジネスモデル上の抜本的な変更を行わない限りにおいて、10倍の成長は達成できない。

その時、戦略が意味を持ってくる。
様々な手法や手口が思い浮かぶであろうが、これまで取り組んできた施策とは整合性が取れなかったり、
どの程度の確度で効果が出るのか鮮明には分からないことも多く、実際に取り組むことを躊躇してしまう。

VC等の外部株主がいる場合においては健全な外圧が働いて、自分たちで思慮深く検討を重ねリスクヘッジの取り組みも並行して行いながら、アグレッシブな計画達成に向けて果敢に挑戦することが出来るだろう(挑戦 or Dieなので彼らに挑戦しないという選択肢は無い)

ただ、多くの中小企業においてはオーナーがほぼ100%エクイティを持っていることが多く、自分から今まで築き上げてきたビジネスモデルを破壊するような行動を取るには相当な勇気がいる。

勿論、出来ることなら一桁規模を大きくし、企業としてのステージを上げたいと思うであろうが、実際にはComfortableなゾーンから抜け出せない経営者を多く見てきた


1桁ステージを変えるタイミングで「戦略」は有効

戦略は不要である」と、色々な場面において言われている。
最近では元コンサルの方からも、戦略の賞味期限が短くなってきており、従来型のコンサルティングに意味がないといった意見や、PDCAを高速で回していけば戦略は不要であるといった意見も散見される。

私自身、何の意味が有るのか分からない社内説得用の大量の分析資料を作成した記憶や、戦略設計したものの全く現場が動かないといった経験もしている。戦略の限界を人並みには理解しているつもりだ。

それでも、絶対に有効だと確信できる場面が、上記の「1桁企業のステージを上げよう」と考えた際だ


計算に計算を重ねる人物=戦略コンサルタント

1桁変えよう・変えたいと思った時、経営者には極めて幅広い/様々な粒度のアイディア・オプションが脳内を巡る

あれもいいかもしれない、これもいいかもしれない…、
でもこれとこれは同時に出来ない…、
どのくらいの効果が有るか分からない…。

経営者仲間に意見を伺ったり社内でブレストを行い、確かにこの打ち手とこの打ち手は有効かもしれないという、何となくの優先順位はつくかもしれない。

ただ、誰も「最悪どのくらいのリスクを負う必要性が有るのか?」、「どのくらいの効果が見込めるのか?」、「どの程度のリソースをいつかける必要性が有るのか?」といった具体的な計算はしてくれない

この時、机に座って、永遠想いを巡らせながら計算に計算を重ねる人物が必ず必要になる。

経営者にその時間が有るのであれば自分でやるのが一番であるが、そんな時間は取れないことが多い。
その時必要になるのが戦略コンサルタントであると思う。


意思決定に客観性と自信を与える

戦略コンサルタントのケイパビリティは、いまいち良く分からないことが多いと思うが、
端的に申し上げるとビジネス上の「想像力」と「計算力」に優れている

様々なインダストリーのビジネスを分析してきたことがあるからこそ、経営者が考えている構想や取り組みのビジネス上の意味を汲み取ることが出来る経営者が想定していなかった打ち手や方法についても提言できる

又、多くのビジネスの財務情報や事業計画(Projection)を精査してきた経験から、当該構想や取り組みの定量的なリターンとリスクを一定の確度で計算することが出来る(数値に落とし込むことが出来る)

これらのケイパビリティが相まって、経営者の戦略的な意思決定に客観性と自信を与えてくれる


関係者に戦略を正確に伝えるための資料化の技術

更に良い点として伝えておきたいのは、戦略コンサルタントの資料化の技術で有る。

戦略コンサルティングファーム出身の人間が書いた資料を見たことがある人はピンとくるかもしれないが、コンサルタントが作成する資料は、経営の意思決定を支えるに十分な情報の整理/正確性に比重が置かれている

TED TALK等によく見られる口頭でプレゼンテーションすることが前提になっている資料とは異なり、
資料が独り歩きすることを前提に(口頭説明不要なように)作られている

誰が見ても分かるような順番で資料を構成し、十分な情報と判断根拠を明記する。
ストーリーとロジックが良いバランスで作成されるよう訓練されている

それら資料は株主への説明マネジメント内での共有従業員への説明資料としても活用可能である

経営者が直接説明し、想いも含めてコミュニケーションすることが大事であるが、関係者が何度も反芻可能なように正確に・分かりやすく資料として残しておくことも大事だ

これも戦略コンサルタントの副次的な効果として覚えておいて欲しい


一桁ステージを変える時に、戦略設計を

1桁会社の規模を大きくしたい、次のステージに会社を変革したい、非線形な成長を遂げる必要が有る、今のビジネスモデルのままだとじり貧だと感じている経営者は、是非戦略策定を行って欲しい

桁を1つ変えるために考えられる施策や取り組みを並べ立てなぜそれが有効なのか?どの程度の確度で実現できるのか?どの程度の効果・リスクが有るのか?籠って計算して欲しい
(ご自身でやり切れない/時間が無い場合には戦略コンサルタントと協働して下さい)

一定の網羅性で客観的に検証できた暁には、1桁大きなビジネスに育てることが急に現実味を帯び、自信を持って行動に移すことが出来るはずだ。

逆に何も戦略的な道筋を持たず、エイヤッで意思決定を行い行動を起こすなら、当たることもあるかもしれないが、ギャンブルと近くなってしまう

企業はゴーイングコンサーンが前提だ。様々な経営環境の変化で、大きな意思決定をしなければならないタイミングが今後何度も訪れるであろう。

その時、少しでも確率を上げるために戦略設計が出来る経営者になる、戦略検討が可能な信頼できるコンサルタントを知っておくことは重要であると思う


以上

Like 竹内 雄一's Story
Let 竹内 雄一's company know you're interested in their content