〜 May the “Growth” be with you 〜
werollが大切にしているのは、「企業のグロースを叶えること」。意味のあるビジネスが、価値を創造し、世の中をよくするプロセスに立ち合いたい。成果を得られなくて価値を創造できないビジネスやクリエイティブがあるのなら、届けるための伝え方も、手法もツールも使いこなしてきたwerollが力になりたい。
werollの創業クロストーク連載《(how)we "roll" 》。ここでは、北原豪と浅野雄介、2人の共同代表がさまざまな視点で「ビジネスグロースのために考えていること」を語り合います。
今回は、セッションテーマを「vision」とするvol.01「元ミュージシャンと編集者。共同代表が考えるwerollの『クリエイティブ・ドリブン』と企業文化への想い」に続いて、連載vol.02をお届け。
Wantedlyユーザーの中には、日々変化していくデジタルマーケティングの領域で、目の前の仕事にさまざまな問いを抱いている人もいるのでは。...北原と浅野、2人の問いに、みなさんは現在点からどんな将来を想像しますか。
interview & text:editor Takashi Miduki(LEFT WRITE)
目次
01 良いクリエイティブが、ビジネスとしてもちゃんと成果を出すためには?
02 Amazonを経て痛感。日本のデジタルマーケティングは、周回遅れなのでは?
03 WEB活用の根本的な目的は? 都合の塊になってはいないか?
04 データを分析して、クリエイティブを演出する“ビジネスプロデューサー”が足りないのでは?
本記事からあなたが得られること
- weroll共同代表の北原豪と浅野雄介の企業グロースへの想い
- werollが考える日本のデジタルマーケティングの課題
- デジタルマーケティング領域における“ビジネスプロデューサー”について
01 良いクリエイティブが、ビジネスとしてもちゃんと成果を出すためには?
浅野雄介(以下、浅野):もともと僕も北原さんも、音楽やアート、ファッションやスケート...そういうカルチャーから生まれるクリエティブが好きで。好きだからこそやっぱり「良いものが“適切に”届くこと・売れること・ビジネスとして成果を上げられること」にこだわって「日本の課題に何か寄与できないか」という想いをもっていたから、2019年にwerollをスタートさせました。
北原豪(以下、北原):僕は10代から20代をスケートボード、そしてミュージシャンとして音楽と向き合ってきて、その流れから当然のように、グラフィックとか映画とか、ファッションだとかいろんなカルチャーの影響を受けていて。浅野くんは自転車もつくってたよね(笑)?
浅野:学生時代にWEBマガジン『HOUYHNHNM』の編集部に入って、ファッションや音楽、デザインや写真など、いろんな方面の先輩に遊んでもらってましたね。そのうち、下北沢で自転車屋もやるようになって(笑)。海外の工場で自転車を組んで販売したり。それで、ギタリストNさんに、北原さんを紹介してもらった感じですよね。
北原:Nさんとは、下北沢のライブハウスGARAGEで知り合ったんだけど、Nさんが自転車に詳しくて。ちょうど、スケーターの間でも流行っていたピストを組みたくて相談したら、浅野くんが出てきた。だから僕にとっては、当時の浅野くんって、“自転車を組んでくれた浅野さん”だった(笑)。そのあともGARAGEで会ったりしてね。いろんな人が集まってたなぁ、おもしろかったよね。
浅野:懐かしいですね(笑)。そのあと僕は、WEBマガジン『EYESCREAM』もやって、編集や広告営業の仕事で、クリエイティブを届けるために、ライティングもマーケティングもやりました。ブランドのアイテムを、コンセプトに沿った届け方で、ちゃんと売れるために企画していたので、良いクリエイティブが、ビジネスとしてもちゃんと成果を出せるようにするというマーケ的な視点が相当鍛えられました。どんな広告を出すかって考える時に、ブランド側と一緒に事業計画書を見ながら議論したり(笑)。
北原:同じ頃、僕も音楽をやりながら、BtoBのクライアントワークとして、ECサイトやWEBサイトの制作、システム開発の仕事をやっていて。当時の流れとしても、あらゆることをシステム化する動きがあったから、やることはいっぱいあったけど、ただ受けるのではなく、企業の事業をできる限りヒアリングして、モノもコンセプトも理解した上でシステムをつくるよう心がけていました。一連のことが連携していないと、どうしようもないと思っていたから。まず大前提、良いモノじゃないと、適切な届け方をしても難しいということもあるし。
僕はシステムというビジネスを支える側だったけど、だからこそ良いクリエイティブを適切に届けて、成果を出して、ビジネスグロースを支援したいという想いは、当時から抱いていました。
02 Amazonを経て痛感。日本のデジタルマーケティングは、周回遅れなのでは?
浅野:適切に届けるという点では、編集や広告営業のあと経験したAmazonの世界トップレベルのビジネスのやり方に学ぶことが多くて。Amazonを卒業して、日本のデジタルマーケティングが周回遅れになっていることを痛感したんです。
具体的にいうと2つあって、「やり方が古い」「WEB広告のクリエイティブがイケてない」ってところで。
「やり方が古い」というのは、Amazonを卒業してから見渡してみると、考え方のフレームもスキルセットも、ツールも古くて、2〜3年の遅れではなく、5〜10年単位で遅れてるんじゃないかってことを目の当たりにしたんです。やり方が古くて、効率も悪くて、PDCAのサイクルも長くて。
北原:日本はなぜか、ITになると古くなる感じがあるよね。国内だけだから、競争環境がやさしいのかもしれない。
浅野:WEB広告のクリエイティブについて、もっと日本の雑誌クオリティを追求できないかと思ったんです。僕がライフスタイル誌やファッションメディアの世界にいて、いろんな原体験があることも大きいんですけど、『Boon』とか『Relax』とか、僕らがリアルタイムで読んできた1990年〜2000年代の日本のファッション雑誌って、そのあとの世界のクリエイティブに多大な影響を与えていて。
〈LOUIS VITTON〉のメンズ・アーティスティック・デザイナーで、惜しくも2021年に他界してしまったヴァージル・アブローとか、〈Dior〉や〈LOUIS VITTON〉など数々のファッションデザインを手がけてきたキム・ジョーンズが、日本の雑誌フリークだというのは有名な話ですよね。
03 WEB活用の根本的な目的は? 都合の塊になってはいないか?
北原:システムの話でいうと、“そもそも論が話されないまま、都合の塊”みたいになってしまうことって、よくあると思うんだよね。仕事と割り切って、システム開発だけを仕事にしても、ビジネスとしては十分成り立つくらい量があるだろうけど、「そもそも、それ必要でしたっけ?」「それ使ってどうします?」という本質がすっぽり抜けちゃうことってある。フレームワークが3年しか保たないのに、8年使わなくちゃいけなくて、経営者も投資シフトできないとか、結局いろんなツールを使いこなせる人がいないってことにもなったりして。
浅野:「そもそも、これなんで必要でしたっけ?」という根本的な目的が不透明なまま、与件や予算だけ決まって、制作に降りてくることもありますからね。目的設計とDX化に耐えうるオペレーション設計までできるところって、やっぱり少ない。必要のないところにコストばかり余計にかかってしまったり。
北原:昭和の名残というか、何かつくれば経済が回って景気も良くなる、みたいな。でも古いやり方をこのまま続けていたら、変化するのが遅すぎて今の時代のサイクルとどんどんかけ離れてしまうし、世界から取り残されてしまう。それよりも常にビジネスの本質的なところから考えていかないと。
株式会社Sunbornの代表として、システム開発とWEB制作を担ってきた中で、そういう課題感をボトムアップで解決するのは難しいと痛感することも多くて。だから、上流からトップダウンで変化を起こすことが必要で。そこに入っていけるのが、werollだと思っています。
浅野:werollの強みは、 日本の大手通信企業・小売り業などのクライアントを相手に、圧倒的な試行回数に基づくPCDAサイクルをやることですよね。
一般的な企業では、改善施策をするのにも月に一度の施策提案・実行くらいが現実。だけど、そのペースではだいたい年間あたり約10回。一回あたりの改善幅が3%だとしても、3%の複利で10回分の効果しか得られないですよね。それだけではどうしたって足りなくて。「秒で一回」「0.5秒で一回」というスタンスのもと、超高速でPDCAを回す。月に一度の施策どころか一日で数百回。それが数千・数万倍に膨らみ、365日やる。莫大な試行回数に基づいた施策やノウハウの蓄積があるから、最小効率で最大のインパクトを実現できます。
このあたりは、GAFAの機械学習レベルのノウハウがあるから、これから一緒に働く人にはどんどん共有していきたい。結果としても2019年の立ち上げから、werollはまだまだ日が浅いですが、3期連続で180%成長を遂げ、高い水準で成長を続けています。自分たちのグロースを上げるためには、クライアントのビジネスを徹底的にグロースさせていくんです。後々、自分たちの結果もついてくるので。
04 データを分析して、クリエイティブを演出する“ビジネスプロデューサー”が足りないのでは?
浅野:それから、Amazonを経験してみて感じたもうひとつは、「ツールを使うだけの人って、あと何年保つか?」というところで。先ほどの北原さんの話にもありましたが、3年しか保たないツールを、投資シフトできなくて8年使うとしたら、やり方なり違うツールなりを根本から考え直した方がいいじゃないですか。
北原:それこそ、都合の塊で、僕らが大切にしている“ビジネスをどう成り立たせるか”って話から遠ざかってしまうよね。
浅野:魔法のツールはなくて、ツールは手段でしかないわけで。じゃあビジネスをグロースさせるため、そのツールを使ってデータを分析して、PDCAを回して、ビジネスをどう演出するか。そこが大事じゃないですか。そう考えると、データもクリエイティブの演出も両軸で考えられるビジネスプロデューサーが必要なんじゃないかって思うわけです。
北原:現実の多くは、そこが縦割りでマーケはマーケ、クリエイティブはクリエイティブでって、分かれてしまうから、ビジネスプロデューサーが生まれにくいのかも。網羅的にやりたいのに、動かしにくい状況にいる人も多いだろうね。
浅野:その点、werollは、データもクリエイティブも両方回していくポジションで、ビジネス・グロースにトライする機会が多いから、マーケターではなくビジネスプロデューサーとしての裁量で仕事を見ていけますし、いずれ独立しようと考えている人には、相当いろいろなノウハウを共有できると思うんです。
北原:そうだね。werollはありがたいことに、大手企業の案件に携わりながら、国内最大規模の市場でGAFAレベルのノウハウを実践できる。緻密に設計したトライアルなら失敗をいとわない。
データ戦略・DX戦略をはじめとするデジタル領域のコンサルティングや、オンライン・オフラインを問わない広告事業戦略、その他、雑誌・書籍・映像コンテンツの企画・制作など幅広い支援をしているので、どこか惹かれるものがあったら、ぜひ飛びこんできてほしいですね。
ーーー次回vol.03は、「もう、必要以上にマーケターとは言わない。必要なのはビジネスプロデューサー。werollが考える企業グロースとは(仮)」という話について。2月中旬更新予定です。
What Books weroll Read? 02
weroll Book recommendation
〜werollが考える「マーケティング仕事」の原点〜
『「売る」広告 [新訳] 』デイヴィッド・オグルヴィ
https://www.amazon.co.jp/dp/490321219X
実例を下敷きにしながら、広告のテクニックを説明した名著。過去の新聞広告やビルボード広告でのトライアル実績は、今や真似できないし、真似する必要すらない。説得力が違います。
(weroll CEO 浅野雄介)
PROFILE
浅野雄介
『HOUYHNHNM』や『EYESCREAM』などのライフスタイル雑誌/WEBマガジンの編集者・広告営業から、一転、AmazonのWEBプロデューサーに。その後、独立し、2019年デジタルマーケティング会社〈weroll Inc.〉設立。マーケターはDJのようなものだと考えているが、DJ自体はあまり上手くない。PDCAを含め、自転車、レコード、スケートボードなど、回るものが大好物。気持ちは生涯編集者。青山学院大学卒、中央大学法科大学院中退。千葉県出身。
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北原豪
大学在学中から音楽活動を始め20代をインディーズのバンドシーンに捧げる。このときに、作品や見え方にこだわり過ぎて周りが見えなくなる間違いや、限りある中でもこだわり抜いて最善を尽くす喜びを学ぶ。そのモノづくりの経験や挫折から、現在は企業やサービスの「伝えたい」ことを「伝わる」に変えることを信条に活動。WEBサービス・アプリの構築からグロースまで支援する〈株式会社Sunborn〉代表、マーケティングの力で企業のグロースを支援する〈weroll Inc.〉共同代表、ロープとボルダリングを併設した総合クライミングジム〈ROCKLANDS〉代表。2022年1月20日にオープンした〈シモキタ - エキマエ - シネマ K2〉支配人。クライマーです。
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