休刊と、混乱
2023年は、ニチニチの大きなターニングポイントになりました。
週刊大阪日日新聞の元でもある姉妹紙の日刊「大阪日日新聞」が、7月末で休刊することが決まったのです。
このニュースは私たちの想像以上に注目され、多くのメディアに取り上げられました。
報道の翌日から、“週刊”が無くなると勘違いをされた方から電話が相次ぎました。「もう家に届かんくなるん?」「休刊するんやったらどこに広告をお願いしたらいいの…」などなど。
日刊紙の休刊騒動を通して、多くの方が週刊に携わって、思いを寄せてくださったことを認識させてくれる、ありがたい機会になりました。
また、日刊大阪日日新聞も、地元紙として多くの人に愛されていたこと、その意志を引き継ぐ我々の責任の大きさも実感しました。
そして、多くの関係者の誤解を解き、また安心していただきたい思いで、我々は「週刊大阪日日新聞“元気”宣言」を発信しました。
https://weekly-osakanichi2.net/?p=4683
日刊購読の大阪日日新聞が7月末で休刊いたします。週刊大阪日日新聞は、今後も引き続き発行を続けてまいります。
かねてより、購読でなくても継続できる事業として、無料で読める週刊大阪日日新聞を模索しながら発刊、展開しておりました。いまや速報はインターネットでまかなえる時代になりました。しかし、ネットにはない、実際に地域を歩いて集めてきた地域密着の情報や、大阪独自ネタの教育や開発、経済ニュースなどの特集に力を入れながら、今後も情報発信していく所存であります。
日刊を支えてくださった読者さま、地元の方々、日刊発行で汗を流してきた先輩スタッフの思いを今後も「週刊大阪日日新聞」がつないでまいります。どうぞ引き続き、ご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。スタッフ一同
「週刊大阪日日新聞」創刊の意義
週刊大阪日日新聞はそもそも、いつか新聞業界がこうなる未来を見据えてスタートした事業でした。
創業した2005年当時は、「紙は古い」なんて言われることはなく、新聞業界は最盛期を迎えていました。
しかし創業者は当時から、「新聞はこのままのビジネススタイルだといつか読まれなくなる」と予見し、新聞文化を絶やさないために、無料で読める週刊大阪日日新聞を創刊したという経緯があります。
予想通り、新聞の購読・閲覧数はここ数年で激減。創業当時の新聞発行総部数は約7000万部でしたが、今や3000万部台まで落ち込みました。
新聞だけでなく、あらゆるフリーペーパーや雑誌も、ネット配信へ切り替えが進み、月刊誌から季刊誌へ変更になり、そして休刊した媒体も少なくありません。
日刊の報道時も、「ネットでニュースを読む現代で、新聞は廃れて当然」というような声がネット上で飛び交いました。
しかし、週刊大阪日日新聞は、ネットで情報を気軽に得られる現代でも、毎月29万部を発行し、多くの方に読まれ続けて生き延びています。
それは時代のせいにせず、目まぐるしい変化に柔軟に対応しながら、“紙でも”読まれる無料宅配体制を整え、“紙だからこそ”届けられる細やかな地域情報や独自記事を作ってきたからです。
今回の日刊休刊を経て、「大阪」と冠する新聞は週刊大阪日日新聞だけになりました。
その重みを背に感じながら、「週刊大阪日日新聞は、意地でも新聞を維持・拡大しなあかん!」と意気込んでいます。