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予報センターで大気汚染の予測モデルを開発、改良を担当するエンジニア【予報センター 開発・吉川 真由子】


現在の仕事内容は、ウェザーニューズ内の予報センターという天気予報のどこの場所がどのように晴れているかや、今日どう風が吹くかなどの素材や、オリジナルの予測値を作る部門で働いています。私はその中でも予測値そのもののモデルや、運用システムを作るところに所属しています。

予報センターの中には、元々は大気汚染予測を取り扱う部門がありませんでした。私が入社してから、PM2.5などの大気汚染の問題が出てきたので、その時に新たに、AQ Center(Air Quality Center)が立ち上がりました。そこで、大気汚染の予測モデルを作ることになり、今もその延長でコンテンツ・予報を作成しています。大気汚染関係の現象は意外と幅広く、PM2.5などの大気汚染物質の予測をはじめとして、黄砂、森林火災による煙の移流拡散であったり、火山灰の拡散予測など、そういったところの予測モデルの開発・コンテンツ生成や、改良を担当しております。


-東日本大震災の年に入社。出来ることをやろうと自ら手をあげた新人時代

私が入社したのは、東日本大震災があった2011年でした。4月入社なので、起きた直後ぐらいで、弊社としても出来る事をやろうということで、新人研修も兼ねて放射線の分布を、風評被害が無いようにちゃんとした情報を一元的にまとめて、ウェザーニューズとして出そうと、空気気象部門がその時立ち上がったんです。それで新入社員の中から、2名応募が出ていて、そこに手を上げました。その後、研修も終わり予報センターの運用に配属になって、しばらく経ったころ、空気気象分野のリーダーから、今度は大気汚染予測モデルを作らないかと声をかけてもらって、大気汚染予測モデルを作ることになったんです。弊社に大気汚染予測のノウハウも無かったですし、私個人としても、データの扱いはある程度できても、予測モデルを作ることを専門にしてたわけではないので、何もわからない状態から始めました。その予測モデルの勉強ですとか、どうやって運用に落とすのかとか、そういうところで、一番、四苦八苦はしましたね。でも、放送局様からのニーズもありましたし、そこで自分のコンテンツが広く、みなさんの目に触れるチャンスだというのを、その空気気象部門で放射線のコンテンツを作って体験していて、これはやりがいがあるなと思って、勉強しつつ、予測モデルを作り、現在に至ります。自分の中では思い出深いエピソードですね。

私の実家は、茨城県日立市なんですが、ガラス張りの駅は半壊しているし、道路はひび割れているし、常磐線は動かないとういう状態でした。そういった状況のなかで、会社にも貢献できて、日本にも貢献できる私のできることって何だろうなと考えている時に、その放射線の話があったので、そこで何とかしたいって、その一心で手を上げたっていうのもありますね。

弊社は、「いざという時人の役に立ちたい」という思いがある人が根本的に集まっている会社だと思います。現在も、毎年のように災害があるわけですけれども、そこで弊社でしか出せないコンテンツを提供することで、人々の生活が少しでもよくなるとか、被害が少しでも無くなるようにすることに貢献できるのは、すごいことだなと、改めて思います。

-自分の研究が世の中の役に立つ、会長との出会いが興味を持ったきっかけ

学生時代は、雪氷リモートセンシングを専攻していて、衛星データを使用した海氷の観測をしていました。その時、客員教授として故石橋会長が大学に来ていて、たまたま北極海航路について講演をしていたことがありました。北極海の海氷は年々縮小傾向になっているという現状がある中で、ウェザーニューズができることは?ということで、通常のスエズ運河を使用した航路よりも、北極海を通った方が燃料削減・環境貢献にもなるという北極海航路の開拓に関する話をされていました。

それまで、「北極海の海氷減少は問題だ」、というイントロダクションから始まる研究はいっぱい聞いていましたが、それを上手く活用することで、経済効果が生まれて、結果、地球環境がよくなる、というような話をされていて、それってすごいなと思ったのを今でも覚えています。私はそれまで、自分が勉強していることが、経済の役に立つなんてあまり思っていませんでした。なので、発想の転換で、地球の様々な現象に対して、顧客にサービスできるところを考えて、新しいサービスを作りだすというところにすごい感動しましたね。そういう考え方を持っているってすごいなと思って、それが弊社に興味を持ったきっかけでした。

-様々なメンバーがいる刺激的な職場環境


私が所属している予報センターの開発部門は、色んなメンバーがいます。予報精度にこだわり、毎日予報がどうだったかを振り返り、日々戦っている運営メンバーとタッグを組んで予測値の改善を日単位でやっている方、独自気象モデルを開発する方、クラウドコンピューティングを使用して、高速で低コストな予測モデルシステムを構築する方などいろんな方がいます。ただ、最新の技術/昔からある技術を取り入れて、コアコンピタンスのある、どこよりも精度のいいものを作りたい、という思いは共通していて、扱う分野は違えども、日々すごく刺激を受けています。私よりすごい人がいっぱいいるので、ここで働けているのはすごく嬉しいです。

キャリアとしては、自分の人生の中でのワークライフバランスというか、様々なライフイベントに沿って、緩急をつけて仕事をやっていきたいと思っています。入社してから3年間は、本社で仕事をしていましたが、その後、結婚を機に本社を離れ、完全リモートワークという形で自宅から仕事をしています。これからもっと子供が大きくなったときに、仕事をしやすいというか、色んな人がいる環境で、やりたいなと思っています。

今ある仕事をやっていくことはもちろんですけど、こんな予測が欲しいんだよ、というのがあれば、それにはどんどんチャレンジしていきたいと思いますし、現在、生産性向上が課題になっていて、機械学習を用いて最適化するということも、やっていきたいと思っています。

私は、単純に、今までやれなかったことが、やれるようになるのが楽しいんですよね。自分だけでやれないことも、人と力を合わせることでできることもたくさんあります。子供を見てても思いますが、やっぱり新しいことって、新しいっていう事だけで楽しそうなんです。弊社は、新しいことや今までやったことないこともチャレンジできる環境なので、それでどんどんやっていけるのは本当にうれしい限りですね。ただ、仕事は成果が大事なので、成果を出し続けるために、これからもより一層日々精進したいです。

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