目まぐるしく発展するIT技術。それに伴い、エンジニアには継続的なスキルアップが求められています。しかし、独学だと基礎的な知識しか学べなかったり、触れられる分野が少なかったりと限界があるのも事実。
FLATにはチームで学び合う仕組みがあり、技術を深く広く学べる環境が整っています。今回は、エンジニアチームリーダーを務める伊藤さん、フロントエンジニアの浅井さんにインタビュー。FLATにはどのようなインプット・アウトプットの機会や制度があるのか、詳しく聞いてきました。
伊藤 将貴:アプリケーションエンジニア
ReactやNext.jsを用いたWebアプリケーションのフロントエンド開発業務に従事。Web制作出身で、FLATのフロントエンド開発全般のリードとエンジニアのマネジメントも担当。最近はフロントエンドに限らずクラウドの活用やバックエンドにも興味がある。
浅井:フロントエンドエンジニア
法律事務所で1年ほどWebデザイナーとして勤務し、マークアップの奥深さに魅了されて2021年10月にFLATへ入社。 主にマークアップとJavaScriptを担当。 アクセシビリティを大切にしていきたいと考え、内側からユーザーに優しいサイト制作を目指している。
エンジニアチームのメンバー同士で技術を教え合う「勉強会」
ーーはじめに、FLATにはどのようなインプット・アウトプットの機会や制度があるのか教えてください。
伊藤:「勉強会」「LT(ライトニングトーク)」「1分間スピーチ」「日報」「クロージング」などがあります。すべて業務時間内で実施されていて、エンジニアのスキルアップを会社が全面的にサポートしてくれていると感じます。
ーーまず「勉強会」について伺えたらと思います。勉強会ではどのようなことを行っているのでしょうか?
伊藤:勉強会は、JavaScript、WordPress、React、アクセシビリティ、サーバーなどのテーマを学ぶ会です。テーマごとに講師担当を決めて実施しています。
勉強会で大切にしているのは、FLATの業務で活用できるテーマを選ぶこと、そして概念的知識を伝えるだけでなく、実践にまで落とし込めるような内容にすること。例えば、FLATで推奨しているソースコードの書き方といった、確実に実務に活かせるノウハウを伝えるようにし、インプットだけで終わらないよう勉強会を設計しています。
浅井:テーマによっては、外部の方を呼んで勉強会を開催することもあります。Reactをテーマにした勉強会では、代表サトウの知り合いで知見のある外部のエンジニアを招いて、メンバーからの質問に答えていただくような形式で開催しました。
ーー独学ではなく、勉強会で学ぶことのメリットはどのような点にあると思いますか?
浅井:関心領域外の分野や担当業務外の分野に触れられる点は、大きなメリットのひとつです。また他の参加者と切磋琢磨することで、独学よりも学びが深くなると思います。過去に実装したソースコードを見せてもらったり、実務での経験を聞けたり、実践的な内容を学べる点も非常にありがたいですね。
伊藤:自分は教える側に立つことが多いのですが、アウトプットすることでも理解度が深まるように感じています。人に伝えるには、その分野について深く理解している必要があるため、勉強し直すきっかけになっています。
ーー教える側も教わる側も理解度が深まると感じていらっしゃるんですね。
伊藤:はい。また、勉強会含めFLATでは、話す機会やプレゼンする機会が多く用意されているので、ファシリテーション能力やコミュニケーション能力の向上にもつながっていると思います。プレゼンでは自分の話を理解してもらえるよう、相手の理解度を把握したり考えさせたりする双方向のコミュニケーションが必要になるので、自然とコミュニケーション能力も身についていくんですよね。
浅井:FLATではエンジニアもクライアントと直接やり取りを行うため、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力が必須です。勉強会は誰でも教える側に立つことができ、メンバー全員がソフトスキルを磨ける場にもなっています。
ーー勉強会への参加は必須なのでしょうか?
伊藤:勉強会は参加必須のものではありません。反対に、最近ではむしろ参加条件を設けていることが多いですね。業務時間内という性質上、成果を出すために事前学習ができる人のみ参加してもらっています。ただ、FLAT全体で共有しておきたいテーマのときは全員参加を推奨しています。
「LT」「1分間スピーチ」「日報」でアウトプットの機会を提供
ーー次に「LT」について教えてください。
浅井:LTには2種類あります。1つ目がFLAT全体で不定期に開催される「LT大会」。2つ目が隔週で実施するエンジニア定例会内で行う「エンジニアチームのLT」です。
LT大会では、全社員の前で有志のメンバーが業務につながるテーマでプレゼンを行い、参加メンバーはそれに対してフィードバックします。2023年4月からスタートしたもので、今後は3、4ヶ月に1回は実施する予定です。
エンジニアチームのLTでは、テーマを技術寄りのものにしていて、チーム内でプレゼン、フィードバックを行っています。どちらのLTも社員のアウトプットの機会を増やすことが目的です。
ーー「1分間スピーチ」はどのような内容でしょうか?
伊藤:1分間スピーチは、毎朝FLAT全体で行われる進捗会の中で実施していて、基本的に業務に関係のあることを話してもらいます。持ち回りで、 毎日違うメンバーがスピーチを行っています。
ーー「LT」と同じように、アウトプットの機会提供が主な目的なんですね。
伊藤:そうですね。人前で話す場数を踏んでもらって、メンバーがコミュニケーション能力を磨く場にしたいという狙いがあります。実際、数を重ねるごとに、メンバーの話し方やプレゼン能力は明らかに向上していますし、フィードバックも行っているのでメンバー同士のコミュニケーションの機会の創出にも繋がっていると思います。
エンジニア:浅井
ーー「日報」はどのように運用されていらっしゃいますか?
浅井:毎日提出する日報には、技術的なノウハウや仕事に関する気づきなどを書いてもらっています。その目的は2つです。1つ目はエンジニアメンバーの文章力向上を図ること。FLATのエンジニアは、クライアントと直接コミュニケーションを行う機会が多いため、他の会社のエンジニアと比べてテキストコミュニケーションが多くなる傾向があります。そのため、日報を通じて文章力の底上げができればと考えています。
2つ目は、会社の認知向上を目的とした日報ブログを更新すること。先日、自社の日報ブログを公開したのですが、ブログに投稿する記事のストックを作っておくために日報を提出してもらっているという側面もあります。
ーーテキストでのアウトプットの機会もあるのはいいですね。
浅井:そうですね。メンバーの中には、話す方が得意な人もいれば、書く方が得意な人もいるので、上手くバランスがとれているなと思います。
また日報はメンバーにも公開していて、コメントを残すこともできるので、社員同士のコミュニケーションが生まれる機会にもなっています。
プロジェクトを終えるごとにスキルアップできる「クロージングミーティング」
ーー「クロージングミーティング」についても教えてください。
伊藤:クロージングミーティングとは、プロジェクトの振り返り会のことで「会社全体のクロージングミーティング」と「エンジニアチームのクロージングミーティング」の2種類があります。
会社全体のクロージングミーティングでは、全体向けに共有したいGood&More・良かった点と改善点を、エンジニアチームのクロージングミーティングでは、タスク管理やワークフロー、ソースコードなどより細かい観点で個人へのフィードバックを行っています。
業務フローの改善とメンバーのスキルアップがクロージングの主な目的です。
エンジニア:伊藤
ーー例えば、クロージングミーティングによってどのような業務フローが改善されましたか?
浅井:最近だと、プロジェクトマネジメントを改善しました。ある案件のクライアントと密にやり取りさせていただいていたときに、クライアントのプロジェクトマネジメントの手法がとても参考になるなと感銘を受けたことがあって。
例えば、プロジェクトの目的やゴールのすり合わせを緻密に行っていたり、タスク管理を一元化していたり。そこで、真似したいと思ったポイントを、クロージングミーティングでチームに提案し、取り入れました。
伊藤:業務フローの改善は、どれだけ行っても完璧にはなりません。案件ごとに課題が必ず出てきます。その課題をどうすれば改善できるのかを考え、タスクにまで落とし込むことをクロージングミーティングでは徹底しています。
誰が、いつまでに、どのようにやるのかまでを決めるので、課題が放置されることはありません。そのため、案件ごとにチーム全体がレベルアップしている実感はありますね。
ーークロージングミーティングによってどのような点がスキルアップできたと思いますか?
浅井:エンジニアチームのクロージングミーティングでは自分のソースコードだけではなく、他のチームメンバーのソースコードも振り返ります。メンバーのソースコードを見ていると「この書き方、わかりやすいな」と思うところが多々あるんです。そういった部分を取り入れたり、メンバーに対してフィードバックを行うことで得られる気づきもあったりします。そのように振り返りを行うことで徐々に質の高いコードが書けるようになってきて、成長しているなと感じます。
誰もが主催者。学び合いのサイクルを回し、チーム全体でレベルアップを
ーー学び合いの場はどのようなフローで実施に至るのでしょうか?
伊藤:基本的にエンジニアが裁量を持って、企画から実行まで行っています。会社の承認がないと新しいことを始められないということはありません。
例えば、もともとエンジニアチームのクロージングミーティングは実施していなかったのですが、案件進行中のコードレビューだけでは伝えきれないことがあったことや、メンバーが自分自身を振り返る機会を増やしたいと思い、自分が「やります」と全体に宣言したことで始まりました。そのようにFLATでは、誰もが新しい制度や取り組みを企画し、実行できるという文化があります。
ーー誰もが主催者になれるんですね。
伊藤:とはいえ、もっと企画や実行を他のメンバーに任せていきたいという思いもあります。それぞれのメンバーが強みを発揮し、情報を共有し合い、チーム全体がレベルアップしていけるような仕組みをより整えていきたいですね。
浅井:新しい制度や取り組みが生まれてくれば、それだけ触れられる領域も増えていくことになり、エンジニアとしてスキルアップしていけます。そのため、まずは自分が企画していって、学び合いのサイクルを回していけたらと思っています。
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