会議の時間を短くするためには、話し合う項目を減らせばいいと思われるかもしれません。
しかし、私たちは項目を減らすのではなく、「事前に仕分ける」ことで週に1回の判定会を短く、かつ密度の高いものにしています。私たちが手がけるタレントのSNS運用やファンコミュニティの運営は、常に数字の変動と隣り合わせです。運用しているSNSアカウントは300にのぼり、総フォロワーは1,000万人を抱えています。量でいうと、年間13万本以上の投稿に対して、のべ1,700万前後のいいねが付きます。膨大なデータが生まれる中、一つひとつの打ち手を会議で「どうしましょう」と話し合う時間はありません。会議に出す前の「資料」が、判定会の質とスピードを決めるのです。
▍話し合いをゼロにする事前資料
判定会でやっているのは、すべての施策やコンテンツを「止める」「伸ばす」「直す」の3つに仕分けることです。この作業は会議の場で行うものではありません。時間を短くするため、事前に提出する資料の段階で仕分けを終わらせておきます。
たとえば、自社の採用活動として出している募集記事も判定会の俎上に載せられます。現在9つの職種で40本以上の募集を掲載しており、これまでに届いた応募は240件を超えています。これだけの手数があれば、成果の有無は明確に分かれます。
事前資料に「閲覧数が少ないのでどうにかしたい」といった感想は書きません。すべての募集記事の数値を抽出し、ルールに沿って自動で「止める」「伸ばす」「直す」のフラグが立つようにします。参加者はフラグの立った資料を事前に読み込んでから集まるため、状況確認の質疑応答は行いません。
▍「止める」を決めるシビアな日数と閲覧数
仕分けで一番エネルギーを使うのが「止める」決断です。せっかく書いた記事や企画を停止するのは誰もがためらいますが、明確な基準があれば感情を挟まずに済みます。
停止候補を判定する公開日数は24日です。24日が経過し、判定に必要な閲覧数の下限である60を超えているのに成果が出ないものは、迷わず「止める」に分類します。下限の60に満たない段階で結論づけるのは早計ですが、下限を超えて数字が動かないなら、市場に求められていないと判断するしかありません。
この判断の裏には競合の存在があります。毎日巡回している同じ市場の競合66社の動向を追い、手元に貯まっている競合募集の記録は1,071件に達します。会社全体の応募総数が自社を上回る競合も25社存在し、差を埋めるために効果の薄い施策を引きずる余裕はありません。
▍「直す」と「伸ばす」の境界線
次に「直す」と「伸ばす」の仕分けです。私たちは、応募率の基準を作るときの公開日数の区切りを15日としています。公開から15日が経過した段階でデータを集計し、基準に使う上位の割合である35%のラインを割り出します。
この上位35%に入り、まだ閲覧数を伸ばす余地があるものは「伸ばす」に分類し、露出を強める施策を打ちます。一方で、上位35%から漏れているものの、見せ方を変えれば改善の見込みがあるものは「直す」に振り分けます。
「直す」ものは修正の方向性も事前資料に記載します。たとえば、募集タイトルの上限は37字ですが、超えていればフォーマット違反として削ります。事業領域には成人向けのコンテンツも含まれるため、プラットフォームごとの表現規制や露出度のレギュレーションをクリアしているかも厳格に見直します。
▍決めたことをどこに残し、どう追うか
判定会で「直す」と決まったら実行に移しますが、やりっぱなしにはしません。直したあとに効果を測るまでの日数は21日と設定しています。修正から21日が経過したタイミングで、再び判定会の資料に自動でピックアップされる仕組みを作っています。
ここで重要なのが、決めたこととその結果を「どこに残すか」です。チャットツールのログや個人のメモ帳など、あとから検索しにくい場所には記録しません。すべての判断理由と修正内容、そして21日後の結果は、運用管理用のデータベースに直接書き込みます。
このデータベースは、朝の投稿指示の締切である12時30分に向けて、運用の担当者が必ず目を通す場所でもあります。過去に何を止めて、何を直して、どうなったのか。履歴がすべて可視化されているため、同じ失敗を繰り返すことはありません。生成AIによる自動化システムを組み込んでいるからこそ、人間は「結果の検証と記録」に時間を投資できるのです。
▍経験者が驚く、事実だけの30分
設立の2022年3月から、私たちは「事前に仕分け、結果を記録する」サイクルを回し続けてきました。1年前の会社フォロワー数が19だったのに対し、現在の会社フォロワー数が310にまで成長したのも、勘に頼らず事象を数字に落とし込んできた結果です。
他社で経験を積んできたメンバーが判定会に参加すると、機械的な進行に驚くことがよくあります。「もっとアイデアを出し合う場だと思った」と。
しかし、会議とは事実をもとに「次の一手」を決める場です。事前に資料で仕分けが完了していれば、会議は30分もかからずに終わります。余った時間は、新たな構想や企画づくりに充てればいいのです。
私たちが求めているのは、こうした数字の扱い方と、冷徹なまでの仕分け作業を「最短距離を走るための手段」として楽しめる経験者です。あなたの持つ経験を、私たちの仕組みの中でさらに鋭く研ぎ澄ませてみませんか。
https://www.wantedly.com/companies/wave_ltd/projects