「採用広報は、文章を書ける人がいるかどうかで決まる」と思われるかもしれません。私たちは逆から始めました。まず、何を数えるかを決めるところからです。
▍毎日、同じ市場の66社を見にいく
採用の打ち手を決めるために、同じ市場で採用している66社を毎日1回巡回しています。新しい募集が出たか、本文が書き換えられたか、記事が公開されたか。見つけたら記録して、7日後にその反響まで測ります。
手元に貯まっているのは、募集1,071件ぶんの本文と、その後の閲覧・応募・応援の動きです。誰かの感想ではなく、同じ形式で並んだ記録として残していきます。競合を「すごいですね」で終わらせないための土台です。
▍自社の平均を基準にしない
募集がうまくいっているかどうかは、応募の数だけでは決まりません。閲覧が少なければ応募も少ないからです。そこで、閲覧に対してどれだけ応募が来たかで見ます。
問題は、その合格ラインをどこに引くかでした。最初は自社の平均を基準にしていましたが、これだと全体が落ちたときに基準も一緒に落ちて、誰も「足りない」と言われなくなります。
いまは、自社より応募を集めている25社の水準を基準にしています。公開からの日数を15日ごとに区切って、その区切りごとに上位35%の水準を合格ラインにする。公開直後と3ヶ月後では集まり方がまったく違うので、同じ物差しで比べないための処理です。閲覧が60に届いていない募集は、まだ判定しません。数が少ないうちは、良し悪しではなく偶然が出るからです。
▍週に1回、止めるか伸ばすか決める
判定は週1回、月曜の朝に自動で出ます。公開から24日たっても閲覧に対して応募が動いていない募集は、止める候補として並びます。
止めるのは、その募集が悪いからというより、掲載できる枠が有限だからです。止めた枠には、別の切り口の募集を入れます。同じ職種でも、伝える角度を変えると応募が変わることがあるためです。
▍直す場所を、症状で分ける
手を入れるときは、症状で場所を決めます。閲覧はあるのに応募が来ない募集は、本文に原因があると考えて、仕事の中身と条件の書き方を直します。逆に、応募率は悪くないのに閲覧が少ない募集は、タイトルとカバー画像と職種名を直します。中身まで読まれていないからです。
どちらも直したあとは21日待って、直す前と後で比べます。すぐ判定すると、季節や曜日の揺れを効果と読み違えます。
▍規約と重複は、人が見ない
募集を増やすと、必ず事故が起きます。同じカバー画像を2本で使ってしまう、同じ切り口のタイトルが並ぶ、職種のカテゴリが重なる。どれも1本ずつ見ている限り気づけません。
なので、公開する前に機械で止めています。タイトルは37字を超えないか、規約で弾かれる記号が入っていないか、掲載中の募集と書き出しが重なっていないか、カバー画像が使い回しになっていないか。1件でも引っかかれば、その日は出しません。
タイトルの1文目だけを比べているのは、後半の職種名はどうしても重なるからです。全部を比べると、健全な切り口違いまで止まってしまいます。
▍いま出しているもの
現在は9つの職種で40本以上の募集を出しています。1日に1〜2本ずつ、切り口を変えながら追加していく形です。まとめて出さないのは、新着として表示される回数を分散させたほうが、のべで多くの人の目に入るからです。
この運用に切り替えてから1年で、会社のフォロワー数は19から310へ増えました。直近7日の募集ページの閲覧は1,200を超え、これまでに届いた応募は240件を超えました。
▍まだできていないこと
正直に書くと、応援はゼロのままです。応援は仕組みでは増やせません。人に頼んで、押してもらうしかない。ここが次の課題です。
▍この仕事について
採用担当を募集しています。任せたいのは、面接だけではありません。ここまで書いた判定の基準そのものを、数字を見ながら決め直していく仕事です。
ひとつ先に書いておきます。私たちの事業には、成人向けの領域を扱うものが含まれます。採用に関わる以上、最初に知っておいてほしい前提です。
数字で採用を設計したい方に、ちょうど良い環境だと思います。
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