エンタメの会社と聞くと、勢いと人脈で回っている印象を持たれることが多いです。でも代表の話は、最初から最後まで"どう決めるか"の話でした。
ー まず、Waveがやっていることを一言で。
「タレントとファンのあいだにある熱量を、続く形にする会社です。良いものを作っている人が、届け方の差だけで埋もれてしまう。そこを仕組みで埋めにいっています。」
ー 届け方の差、というのは。
「同じ内容でも、冒頭の1秒と出す時間が違うだけで、届く相手が変わります。ただ、それを知っている人と知らない人の差が大きすぎる。しかも知っている人も、なぜ届いたのかを説明できないことが多い。説明できないと、次に繋がらないんです。」
ー 創業のきっかけは?
「知り合いのクリエイターが、良い作品を作っているのにほとんど見られていなかったんです。試しに投稿の構成と出す時間を変えてもらったところ、反応が変わったという話を聞いた。中身は同じなのに、です。
ただ、それを一回きりの偶然で終わらせたくなかった。同じことを別の人でも起こせるようにしたくて始めました。」
ー 他社と何が違いますか。
「うちは"届いた理由を毎回言葉にする"ことを、業務のひとつとして時間に入れています。振り返り会が週1回あって、外した投稿こそ時間をかけて扱う。
感覚のある人を採るのではなく、検証できる人を育てるほうに賭けている、という言い方が近いです。」
ー 少人数でやっている理由は。
「意思決定を速くするためです。企画から公開までを分業で回すと、途中で意図が薄まる。いまは5人で、企画した人が数字まで見届ける形にしています。
そのぶん一人が持つ範囲は広いです。ただ、範囲が広いということは、結果が自分の判断で変わるということでもある。そこを面白がれる人と働きたい。」
ー 未経験の人は、どのくらいで慣れますか。
「正直に言うと、最初の3ヶ月はうまくいかない前提で考えてほしいです。ここを『すぐ活躍できます』と言う会社は、たぶん振り返りをしていない。
そのかわり、外した理由は毎回いっしょに言葉にします。常につきっきりで見ているわけではありませんが、振り返り会は必ずある。3ヶ月を越えたあたりで、自分で仮説を立てられるようになる人が多いです。」
ー タレントとの関わり方は、どのくらい近いんですか。
「近いです。企画した人が撮影にも立ち会うので、本人と直接話しながら決めます。だから、本人が納得していない形は作れません。
反応が取れるなら何でもいい、とはしないのは、そこが理由です。本人が違和感を持ったまま出した形は、たとえその回に反応があっても、次に同じことはできない。長く続く形かどうかを、毎回いちばん先に見ています。」
ー 少人数だと、一人が抜けた時が怖くないですか。
「そこは正直な弱点です。だから、判断の理由を人の頭ではなく記録に残すことにこだわっています。
振り返りで出た結論を、その場でメモに落として共有する。手間はかかりますが、これをやめると『あの人しか分からない』が増えていく。少人数のままでも回るようにするには、ここを崩さないことだと思っています。」
ー 採用で見ているところは。
「経験より、外した時にどうするかです。面談でも、うまくいった話より、うまくいかなかった話を詳しく聞きます。そこに、その人の考え方が出るので。」
ー 扱う領域について、先に伝えていることはありますか。
「あります。タレントのファンクラブ運用には成人向けの内容が含まれます。ここは入ってから知る形にしたくないので、募集にも書いていますし、面談でも必ず先に説明します。合わないと分かることも含めて、先に話したほうがお互いのためなので。」
ー これからの目標は?
「まずは3年以内に、いまの型を複数のアカウントで回せる状態にすること。特定の誰かが張り付かないと回らないうちは、事業としては弱いからです。