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印刷だけではないトータルソリューション提案企業へ。凸版印刷における提案とは?営業・企画メンバーが実施プロジェクトについて語ります

「すべてを突破するTOPPA!!!TOPPAN。」をキャッチフレーズに、企業変革を進めている凸版印刷。社名から印刷の会社だと思われがちですが、顧客の営業活動をDX化する案件も手がけています。ある大手生命保険会社における事例もその一つです。コロナ禍におけるDX戦略を支援し、非対面の営業活動をサポートする新たなデジタルツールを制作しました。

顧客への丁寧なヒアリングと、凸版印刷ならではの豊富なソリューションで、競合他社とのコンペに勝利。ハイブリッド型の営業モデルを構築するため、制作途中の急な要望にも対応しながら、高い顧客満足度を実現しています。今回は、チーム力の高さで社内表彰も受けているセキュア事業部のプロジェクトストーリーをご紹介します。

    非対面ツールの提供で、ハイブリッド型の営業モデルを支援

ーー今回、国内の大手生命保険会社から、非対面販売コンテンツを受注した背景について教えてください。

橋本:今回受注した案件は2020年に提案したのですが、その時は、保険業界の各社において、対面営業中心の従来モデルから、対面と非対面を融合したハイブリッドモデルへの転換を迫られている時期でした。今回受注に繋がった大手保険会社のお客様も、対面営業を中心に行っていたので、どのように非対面に移行していくのか課題を抱えていました。

というのも、そのお客様は非対面での営業ツールが一切ないような状況だったのです。コロナ禍で先行きが見えないため、新たな非対面コンテンツの開発に着手することに。そのタイミングで、当社にもお声がけいただきました。

橋本一輝
情報コミュニケーション事業本部 セキュア事業部 第一営業本部
2014年に新卒で信用金庫に入庫後、保険会社を経て、2017年に凸版印刷に入社。入社後は、営業として保険会社向けに営業活動のDX支援や、カード会社でギフトプリペイドカードの製造・発行業務のフロント対応を担当。現在は、グループリーダーとして、金融機関での経験を活かした提案を行いながら、後進の育成にも力を注いでいる。


ーー競合他社とのコンペに勝ち、受注にいたった理由について教えてください。

お客様のニーズに合わせて最適なソリューション提案ができたので、それが受注に至った大きな要因だと思っています。私たちセキュア事業部は、金融機関が主なクライアントとなっており、その業界についての専門的な知識やノウハウを豊富に持つスタッフが多く在籍しています。商品特性について理解しているメンバーがいることも、クライアントの安心感に繋がったのではないでしょうか。

山口 麗奈
情報コミュニケーション事業本部 セキュア事業部 セキュア企画本部 金融コミュニケーション企画部
2013年入社後、事業部内の営業支援部門にてカード製造の側面支援を行う。21年から現在の金融コミュニケーション企画部に異動後は、主に生保業界・クレジットカード業界の企画・制作に携わる。他の企画メンバーでは知見が薄い、製造に関する知識を強みに顧客への提案を行っている。


橋本:今回の案件については、他の代理店が既にコンテンツ内容を提案しており、その途中で当社にもお声がけいただきました。そこから当社を選んでいただいた理由としては、お客様のニーズを捉えられたことに加えて、スピード感もあげられると思います。私たち営業チームは、お客様へのヒアリングを通じて、先方が求める対面と非対面を組み合わせたハイブリッドの営業がどんな内容なのか理解できていました。スピーディーに最適なソリューションを提案できたことが、受注の大きな要因ではないでしょうか。

ーー新たなソリューションを提案する上で、苦労したことがあれば教えてください。

山口:当社はこれまで、パンフレットやしおりといった印刷物を中心に受注していました。そのため、WEBや動画に落とし込むことに工夫が必要でした。というのも、紙媒体とWEBではUI/UXの面で大きく異なり、紙の内容をそのままデジタル化するだけでは見づらくなってしまいます。お客様からの要望でも、PC以外のスマートフォンやタブレットでの表示が要件定義されていたので、小さな画面でも見やすいように試行錯誤しました。

また、営業ツールの中身である「保険商品」についても内容的に難しさを感じました。生命保険の商品内容を説明するために伝えるべき情報が多く、どうしても文字量が増えてしまいます。ページ途中で離脱することを防ぐため、いかに内容をコンパクトにできるのか。とはいえ、商品内容をきちんと理解してもらうためには、大切な商品情報をそぎ落とすこともできません。そういったお客様の要望を満たすべく、不要な部分を切り捨てたり、複雑な説明箇所にリンクを設置したりといろいろと改善を重ねながら、WEB用に内容を最適化していきました。それが最も大きな課題だったと思います。

橋本:お客様としても、当時はまだ非対面ツールをつくったことがなかったため、どのようなコンテンツが正解なのか答えを出せない状態でした。活用シーンの漠然としたイメージはあるものの、言語化することができていなかったのです。そこで私たちは、お客様である保険会社が顧客との間でどのようなコミュニケーションを取ろうとしているのか、山口さんの部署の方々と詳しくヒアリングしていきました。そして、ヒアリングした内容を最適なツールに具現化していったのです。お客様と私たちにとって新たな取り組みだったので、最初のプロセスが一番大変だったかもしれません。

ーー具体的にはどのような非対面ツールを提供することになったのでしょうか?

山口:対面でのキャンペーン・チラシに代わるアプローチとして、SNSでのクイズキャンペーンを企画しました。そのあとで、主力の保険商品を説明する短編アニメのWEB動画も作成しています。動画では、詳細な説明がなくても商品特性を理解できるように、共感できるストーリーやセリフにもこだわりながら作っていきました。コロナ前から、お客様の方で顧客との間のコミュニケーションをSNSで行っていた部分があったので、SNSキャンペーンにおいてそのプラットフォームを活用できたことは非常に助かりました。

橋本:さらに、紙のパンフレットや設計書に代わるツールとして、商品パンフレットのデジタルカタログも作成しています。お客様は、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッドの設計にしたいと考えていたため、顧客と直接コミュニケーションを取ることを視野に入れながら、電話やWEB面談でも使いやすい設計にしています。

     競合を上回るスピーディーな提案と、UI/UXの豊富な知見

ーー非対面ツールの制作では、どのようにチームで連携して取り組みましたか?

橋本:まず最初に、私たち営業担当者がお客様にヒアリングした情報を、正しく山口さんにインプットするところから始まりました。その後、どのような提案をするのか検討・意思決定した上で、同じゴールを共有しながら進んでいきます。

山口:私の所属する金融コミュニケーション企画部は、セキュア事業部の中で企画案件に関するプロデューサーとしての役割を担っております。ですので、普段から、営業と連携しながら業務を進めています。企画内容を検討した後の制作工程では、私の方でデザイナーやライターそしてアニメーターをすぐにアサインし、スピード感を持って対応していきます。お客様の要望・課題によっては、幅広い提案が必要となるケースがあり、その時は別部署のソリューションや外部の協力会社の知見も活用することもあります。そのため日々、社内外で情報のアンテナを張り巡らせています。

ーー円滑に業務を進めるために、社内外のコミュニケーションで意識していることは?

山口:金融コミュニケーション企画部ではクライアントごとに担当者をつけていますが、クライアントの業界の動向について互いに共有する場をつくっています。ですので、担当する業界全体でどんな課題があるのか、いち早くキャッチアップできます。チームの連携を活かした情報収集は、顧客価値を高めるためにとても重要だと感じています。

また、情報共有することで、一人ひとりに全体の情報がインプットされるので、営業担当者から新たな要望が提示されたときに、自分の部署で対応できるものなのか、他の部署に依頼するべきなのかを迅速に判断できます。さらに、同じ業界の別クライアントの事例を営業メンバーに共有することも可能になります。

橋本:案件によってはかなりタイトなスケジュールで依頼することもありますが、金融コミュニケーション企画部で迅速に制作してくれるので非常に助かります。厳しい条件で依頼するときに私が心がけているのは、「なぜこのスピード感でやらなくてはいけないのか」ということを、しっかりと説明することです。コンペで競合に勝つためには、提案内容へのこだわりと同じくらいスピード感を求められるケースもあります。その必要性を理解してもらい、目的を共有しながらチームで取り組んでいくことを大切にしています。

ーーセキュア事業部の強みは、どんなところにあると感じていますか?

橋本:これまで、保険業界における商品パンフレット制作を受注してきたため、商品内容やお客様に好まれるUIを熟知しています。また、印刷物に限らず、それ以外にもさまざまな媒体で長年培ってきた経験が、私たち独自の強みになっていると思います。最近は企画立案など上流工程にアプローチしていくことも多いのですが、新たな提案をするときにも今までの知見が役立っています。

山口:今回の非対面ツールに関わるDX領域は、IT企業やSIerなど数多くの競合会社がひしめき合っています。しかし、私たちセキュア事業部は、凸版印刷がさまざまな媒体で培ってきた幅広い知見を活用することで、独自の価値を提供できると考えています。ツールやコンテンツをどのように使っていくのかまで、信頼性の高い過去のデータや施策を駆使しながら、ワンストップでソリューションを提供していきます。

       チームの連携力で、突発的なオーダーに対応

ーー受注後のプロジェクト推進で、苦労したことや想定外のことがあれば教えてください。

山口:新たな取り組みということで、お客様も当社も最終形が明確に決まっていない状態でスタートしたため、想定スケジュールよりも遅れるときがありました。それでも、何を優先すべきかお客様と協議をした結果、理想のかたちに近づけることに重きを置いて制作しました。その結果、納品したコンテンツの質にとても満足していただいています。

橋本:SNSにおけるクイズキャンペーンでは、制作途中に想定外の要望をいただきました。より多くのお客様に興味を持ってもらうため、他社とのコラボレーション施策を打ち出すことになったのです。かなり短い納期でしたが、すぐに連携する企業を選び、スピーディーに交渉まで進めていきました。ノベルティの制作も発生しましたが、何とかリリースに間に合わせています。急なオーダーに対応できたのは、社内におけるスムーズなチーム連携があったからこそだと思います。

ーー非対面販売コンテンツの納品後、お客様からはどのような反応がありましたか?

橋本:非対面コミュニケーションが、とても円滑になったと喜びの声をいただいています。デジタル化したことでPV数などを調べられるようになり、どれぐらいの人がページを見ているのか、具体的な効果を実感してもらっています。従来の紙媒体とは違い、施策の成果や顧客満足度をソリューションごとに数字で“見える化”できるので、お客様の方でもPDCAを回しやすくなったと思います。

山口:コロナ禍で、保険業界の各社の売上が一旦落ち込んだ中で、非対面営業の土台をつくることができました。当社だけの成果ではありませんが、売上をコロナ前の水準まで戻せるところにも寄与しています。チーム全体でスピーディーに対応できたことが、大きな成果に繋がったと感じています。

ーー非対面ツールの領域について、今後の展望・戦略があれば教えてください。

橋本: デジタルコンテンツを提供できるようになったので、今後はそれらがしっかり使われているのかなど、実行部分のPDCAを回すところにも入っていきたいと考えています。それと合わせて、今まで以上に上流部分から案件に入り、詳細な戦略策定にも携われるようにお客様との関係性を構築していきたいと思います。

また、今回の「新たな販売モデル構築」の支援は、社内で表彰を受けるほど認知度が高まっており、成功事例として全社に共有されています。他の部署やチームに横展開することで、新たなソリューション開発にも役立つのではないでしょうか。気になった社内の担当者から個別で連絡をもらうこともあるので、連携を深めながらソリューションの質を向上させていきたいと考えています。

山口:保険業界に限らず、他の業界でもデジタルコンテンツの需要が飛躍的に高まっているので、私たちから他の部署へ情報共有していく必要性を感じています。今回の受注を一つの軸にして、いろいろな業界へ横展開していくことが、今後の重要なミッションになっていくと思います。

デジタルソリューションのUI/UXについては、今後さらに掘り下げていかなければいけません。ユニバーサルデザインの視点を大切にしながら、より説得力のあるビジュアルに磨き込んでいくことは、私たちに求められる責務であり、やりがいのある仕事だと思います。

        豊富な打ち手。日々飽きることのない課題解決

ーーセキュア事業部で働く魅力はどんなところだと思いますか

橋本:私は2017年に中途採用で入社していますが、当時からソリューションの幅が広いことを魅力として感じていました。お客様の課題に対して解決できないことはほとんどないので、日々の営業活動において心強く感じています。凸版印刷の豊富なソリューションはもちろん、協力会社とのネットワークも充実しており、さまざまな打ち手を提案できます。

また、お客様の課題に対していろいろな部署を巻き込みながら、いろいろな施策を進められるので、日々の仕事に飽きることがありません。最初はたくさんの人と関わって案件を進めていくことに慣れていませんでしたが、続けるうちに知っているメンバーがどんどん増えて、楽しく仕事ができるようになりました。

山口:私も多くのメンバーと連携しながら、コンテンツの企画やツールの製作、さらにはプロモーションの企画・運営まで幅広く携われることを魅力に感じています。2013年の入社から今年で10年目になりますが、社内の人間関係で悩むことが一切ありません。以前所属していた営業事務の部署でも、働きやすい環境が整備されていました。自身のキャリア実現のため、現在の企画部に移らせていただきましたが、その際のキャリアパスも希望に沿っており非常にスムーズでした。

ーー日々の業務における働きやすさはいかがですか?

橋本:私たちが働くフロアはフリーアドレスになっており、部署の垣根を超えたコラボレーションがしやすいと感じています。いろいろな部署のメンバーがいるので、他の業界の事例などを気軽に聞くことができます。さまざまなチームと連携しながら大規模なプロジェクトを進められることが、セキュア事業部における仕事の醍醐味でもあります。

ーー最後に、どんな方がセキュア事業部に合っていると思いますか?

山口:金融コミュニケーション企画部についていえば、まず生活者視点で課題を発見できることが重要になってきます。社会的なニーズがどこにあるのか、好奇心を持って探求できる方が活躍できると思います。また、営業担当者はもちろん、部署内で連携しながら進めていくので、コミュニケーションを大切にする方に合っているかもしれません。

橋本:営業では、お客様の会社において各部署を横断しながら進めていくことが多いので、保険業界をはじめとした各業界のビジネスに興味を持てる人を求めています。実際の営業活動においては、チームで動くことがほとんどなので、今までやりとりのないメンバーも巻き込みながら事業を推進できる方が合っているのではないでしょうか。

現在、制作業務だけではなく、上流の企画立案の案件が徐々に増えてきているので、今後はその割合をさらに増やし、リリース後までサポートできるようなワンストップの体制を築いていきたいと考えています。お客様からも、印刷会社ではなくDXを含め総合的なソリューションを提案できる会社だと認知してもらえるように努めていきます。セキュア事業部の新たな挑戦を共に推進していただける方に、ぜひジョインしていただければと思います。

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