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「生活の選択肢を増やし、地域のくらしをかえる」マイノリティーから感じた地域情報事業への挑戦 高橋万穂

高橋万穂(たかはし まほ)

美術大学卒業後、制作会社でデザイナーとして勤務。約3年間経験を積んだ後、フリーランスとなる。2017年に株式会社ロコガイドの前身である株式会社トクバイに入社。新規事業である地域情報やトクバイサービスなどのUIUXデザイナーを担当。

デザイナーを目指したきっかけは、反骨精神から。絶対に自分の手で「美しさ」を作り出したいと思った。

デザイナーを志すようになったのは、どんなきっかけがあったのでしょうか。

幼い頃から、自らの手で「美しさ」を生み出したいと強く思っていました。
実は、そのきっかけは反骨精神からなんですよね。

私は、小さい頃はとてもわんぱくで、あだ名も「まほ坊」と呼ばれるほど男の子のようだと周りから言われていました。一方で、私の妹は美人で気が利くことから女の子らしいと称されることが多く、私はそんな妹と比較されることで劣等感を感じ、自己肯定感が低かったんです。「女の子は、女の子らしく」と周囲から求められることにも、違和感がありました。

妹のような「美しさ」を表現する方法は、見た目や世間一般的に求められる女の子らしさだけではないはず。私自身の力で「美しさ」を生み出す側になる。そんな風に、幼いながらに思い始めました。

幼い頃はジェンダーに苦しみ悶々としていましたが、成長と共に自分は「美しさ」を生み出せる人になろうと考えたことで、その気持ちは消化することができました。

高校生になり、インターネットが家庭や学校に浸透し身近に触れるようになっていったことが、将来を考えるきっかけになりました。自分の表現したかった「美しさ」はデジタル技術を介することで人々の生活を大きく変える体験を作れるんだと。その後、美術大学の情報デザイン学科に進学し、「モノ」だけではなく「コト」を生み出す、サービスデザインについての学びを深めていきました。


ロコガイドに入社された理由を教えてください。

25歳でフリーランスになり、とにかくきた仕事をどんどんこなすことには慣れました。基本的には依頼されたデザインを納品して終了という業務がほとんどでしたが、次第に関わった事業やサービスをどう育てていくかということに興味を持つようになりました。そこにコミットしたいという思いや、一人ではなくチームで仕事をしたいと思うようになり、フリーランスを辞めて企業というチームでの働き方を考え始めました。

その時に、ロコガイド(当時は株式会社トクバイ)から声をかけられたのがきっかけです。
入社を決めた理由は、 変化の乏しい小売業界や地域に対し、デジタルの力で変革を起こそうとしている点に強く惹かれたためです。

小売業界は利益率も低く、ある程度固まったスキームがあるので、とても変化の起こしづらい業界ですが、そこにあえて挑戦し、愚直にサービスを成長させ、事業として利益を出しながら成り立っているトクバイに対して、純粋にすごいなと思いました。
一般的にはなかなかうまくいかず、すぐに撤退してしまいそうな分野ですが、そこに対して会社全体で必死に取り組む姿勢に、フリーランスではできない、会社だからこそできる影響力やチーム力を感じました。

また、自分自身のこれまでの経験や、自らが生活者として持っている課題をサービスに生かすことができるという確信があったため、迷いなく入社を決めました。

偶然が必然になるように。日々淡々と、その日に向かって努力する。

ロコガイドとして初となる自治体からの受注開発案件で、スピード感あるチーム連携やデザイン実務対応に対して、社内表彰で、「チャレンジ&スピード賞」を受賞されてますよね。普段から、成果を出すために意識をされていることはありますか。

表彰されたのは、たまたま運が良かったと思っています。ただ、様々なこれまでの業務での積み重ねが影響しているとは感じます。

例えば、デザイナーチームでは、デザインの品質を常に担保するためにガイドラインを整備し、レビュー体制を作っています。その仕組みがあることで、誰でも一定の品質を保ってアウトプットできるようになりました。

あとは、何度も何度もクライアントへ提案し、失敗して…を繰り返した経験があるからこそ、生活者とクライアントの価値への感度が上がったと思っています。なので、本当に日々の積み重ねがあっての表彰や成果ですね。

スピードに関しては、デザイナーだからこそ、誰よりも早く、議論していることの解像度を上げることができると思っています。
チームで議論をしている時に、全員が同じアウトプットをイメージして会話しているように感じても、実際は違うことも多々あります。そういった時に、議論の解像度を上げるためにデザインをして「見える化」するという習慣があることが大いに役立っていると思います。

高橋さんはいつも落ち着いているイメージですが、とても辛かった業務はありますか。

任された仕事を、目の前の小さな視点で捉えると、難しい、めんどくさい…と感じることはありますが、振り返ってみるとあまり無いような気がしています。私は仕事をする上で、日々の業務のその先にある大きな視点でみる、ということを大切にしているからかもしれません。

そして、日々着々と確実に物事をこなすことで、成果を出すその日に向かって行動し、偶然を必然と変えられるようにこれからも努力していきたいと思います。

地域情報事業を行う上で、多様性への理解は重要なこと。

以前、社内で「無意識バイアスワークショップ」をご自身で企画し実施していましたね。これはどんな想いがあって企画をされたのでしょうか。

これは、もともとメルカリ社が発案で企画されたものなのですが、是非ロコガイドでも実施してみたいと思い企画しました。
私自身、幼い頃の原体験をはじめ、マイノリティーからくるバイアスに対する違和感が昔から強く、他の人以上にバイアスに対して敏感に感じていると思います。そんな私でも、自然と生活していく中で気づかないうちにバイアスを持ってしまっているのではないかと思ったのと、周りに対しても少しでも何か気づきを与える機会を作れればと思い実施しました。

これから全国の地域情報を扱うサービスを運営する中で、多様性は一つ必要な観点になってくると思っています。
日本全国、その地域ごとに、様々な価値観、生き方があります。私たちは様々な地域に暮らす人々が使うサービスを運営するからこそ、そういった価値観を知り、受け止める必要が出てくると思います。
だからこそ、それを形にしていく仕事へのやりがいはとても感じています。

また、こういうことをやりたいと思って発信したとき、会社の風土的に反対されたりネガティブな反応をされるわけではなく、「いいじゃん、やってみなよ」と背中を押してくれる環境だと思います。そういった社風も好きなところです。

柔軟な生活様式に合わせた社会をつくりたい。

地域でのくらしをどう変えていきたいと考えられていますか。

まだまだ地域には、昔からの伝統を守り、旧来の生活スタイルが変わっていないところも多いように感じています。例えば、紙中心で属人的な活動が多かったり、共働き世帯が増えている一方で、まだまだ地域での活動やPTAなどの参加率は女性の方が圧倒的に高かったりと。

そういった時に、デジタルの力でもっと選択肢を増やしていきたいですね。そもそも、その活動は今までのやり方でいいのか?とか、もっとそれぞれの強みを生かした仕事の分担ができるのではないか?など、これまで小売事業者のデジタル化を支援してきたロコガイドだからこそ、地域に対しても様々なデジタル支援ができると思っています。

トクバイもチラシという紙と共存しながらも、小売事業者と一緒により良い選択肢を増やすことを考えてきました。地域に対しても、柔軟な生活様式に合わせた仕組みをつくっていきたいです。

仕事もプライベートも、お互いに「頼れる」ことが大事。得意なものを伸ばして支え合う。

仕事とプライベートの両立も大変だと思いますが、どんなことを心がけていますか。

仕事もプライベートも一緒だと思っていて、自分ができることを明確にし、全部はやらないということを大切にしています。

家庭でも夫に頼れるところは頼らせてもらい、家庭もチームなので子どもたち含めてみんなでやっています。苦手なことは相談して、分担していますね。

仕事でもデザイナー全員がスキルマップを作成していて、苦手なことと得意なことを明文化しています。分野によって得意な人に業務を振り、みんなで仕事をすることを心がけていますね。

今後のキャリアはどう考えていますか。

将来的には、経営に関わりたい思いが強くあります。

取締役の池田は、私のなりたい像にとても近い人です。デザイナーとして経営を見ている点は元より、社内外でデザイン業界全体を意識した取り組みをし、それでいて身近な生活者と向き合う姿勢を大切にされている点を尊敬しています。

今のロコガイドの経営陣やマネージャー陣は男性が多いので、女性比率を上げていきたいと感じています。意思決定者にも多様性をもたせることで、より会社もスケールしていくと思います。

思い切って失敗できる環境。挑戦したい人にとっては、最高の場所。


どんな人と一緒に働きたいですか。

自分のストーリーを持っている人ですね。自分と違ったストーリーを持っていたり、世代が違ったりすると視点が全く違うので、話をしていてとても面白いんですよね。そういった人と、私のストーリーを常にぶつけることで、お互いに良い刺激になるといいなと思います。

ロコガイドは、どんな環境だと思いますか。

挑戦しようとする人が前向きに取り組める環境であり、思い切って失敗できる環境だと思います。代表の穐田もよく言っていますが、会社員の特権は「失敗できること」なんですよね。私自身、フリーランスで働いていた時には、失敗したら収入が断たれてしまう不安が常にありました。

ですが、今は会社に守られている安心感から、思いっきり挑戦して思いっきり失敗することができます。同じことを2回失敗してはダメだけど、成長のための大きな挑戦は歓迎し、失敗も許容してくれるロコガイドが好きです。

また、ロコガイドの社員って誰もやらないような一見めんどうなことも、本気で自分から挑戦していっていると思います。これまで変えられなかったことを愚直にやっていく精神が根付いていて、そこを生活者視点で常に全力で進めようとしているのが他の会社にない魅力だと思います。

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