食べ物と同じように、我々ビジネスパーソンにも賞味期限があります。期限切れに近づくと割引になるし、最終的には売れなくなります。そうならないための3つのポイントを考えてみます。
【1】10年後も古びない価値を中心に置く
逆説的ですが、10年後も古びない価値は、未来を予見するだけでなく、過去を振り返ることで発見できます。例えば、「好きなものを食べたいけど、痩せたい」というのは、20年前の人も、20年後の人も、同じように悩んでいるでしょう。けれども、「mixiで影響力を持つ」といった特定のツールに特化した価値はもう消えています。私自身、ビジネスで提供している本質的な価値は、相手のビジョンや売れるコンセプトの明確化、事業化、です。過去から現在までに、何が消えて、何が残ったのか、を探ることで「古びない価値」をつかむことができます。
【2】変化し続ける
変化の時代を生き抜くには、自らが変化し続けるしかありません。写真フィルムの市場はほぼ無くなりましたが、写真フィルムのトップメーカー2社の明暗を分けた話は有名です。コダックは消え、富士フィルムは変化して活躍しています。1990年代に、富士フィルムがまさか化粧品を作るとは一般の人には想像もつかなったはずです。けれども、中核の技術を応用し、事業を多角化させました。
現在、コロナ禍で、融資や助成金でなんとかしのいでいる会社は、一時的な輸血状態といえるかもしれません。市場の変化に対応し、変化し続けなければならないと痛感します。
【3】掛け算で専門性を磨く
私は中学の時からテニスをしており、スポーツ選手に憧れました。体一つで世界で活躍し、夢を与えるアスリートが何ともかっこよかったです。20代後半になると、ぼーっとていた私もいよいよ現実的になります。自分を客観的に見た時に、何か一つで突き抜けるほどの専門性を持ち合わせていないと悟りました。けれども、複数の専門性を掛け算させれば、顧客価値を最大化できることにも気づきました。私の場合は、20代で営業・マーケティング・会計・目標達成・を組み合わせて、独自の価値をパッケージ化していきました。
自分の好きなことを仕事にしたい気持ちもわかりますが、自分だけを見ていると、気づいた時には賞味期限が切れてしまいます。古びない価値をとらえ、変化し続け、掛け算で専門性を磨いていきましょう。