「企画職に興味があります!」
就活の面談をしていると、よく聞く言葉のひとつです。
では、もう一つ質問。
「企画職って、具体的に何をする仕事だと思う?」
「新しいアイデアを考える?」
「新商品を考える?」
「企画会議をする?」
こんなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
もちろん、アイデアを考えることも企画の一部。
でも実際の企画は、アイデアを思いつく前にも、思いついた後にも仕事があります。
今日は「企画職=アイデアを出す仕事」というイメージから、もう一歩だけ進んでみましょう。
そもそも「企画職」って何?
まず知っておいてほしいのは、
「企画職」という名前だけでは、仕事内容は決まらない。
ということです。
実際、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」でも、「企画・調査担当」「商品企画開発」「ネット通販の企画開発」など、企画に関係する複数の仕事が掲載されています。つまり、「企画」という言葉がついていても、扱うテーマや仕事内容はさまざまです。 職業情報提供サイト(job tag)
たとえば、代表的な例を挙げると、
商品・サービス企画なら、顧客のニーズや市場、競合などを調べながら、商品・サービスの方向性や内容を考える。
営業企画なら、営業戦略や施策、KPI、営業活動の改善など、営業組織が成果を出すための仕組みを考えることがあります。厚生労働省の職業能力に関する情報でも、営業の企画・計画には戦略やアクションプランの策定、関係者との調整などが含まれています。 職業情報提供サイト(job tag)
販促・マーケティング系の企画なら、商品やサービスを誰に、どう知ってもらい、購入や利用につなげるかを考える。
事業企画なら、市場・顧客・競合・売上・コストなどを見ながら、事業をどう成長させるか、新しい取り組みをどう進めるかを考える。
経営企画なら、会社全体の経営に関わる計画や分析などを担当する場合があります。
ただし、これは「企画職の正式な5分類」ではありません。
会社によって職種名も部署名も担当範囲も違うので、就活では、
「企画職があるか?」ではなく、「何を企画する仕事なのか?」
を見ることが大切です。
「アイデアを出すだけ」が企画じゃない
ここが今回、一番伝えたいところ。
企画というと、
IDEA=アイデアを考える
ところが目立ちます。
でも、企画の仕事を一例として分解してみると、こんな流れがあります。
ISSUE|課題を見つける
↓
RESEARCH|情報を集める・調べる
↓
GOAL|目的を決める
↓
IDEA|方法・アイデアを考える
↓
PLAN|具体的な企画にする
↓
ALIGN|関係者と調整する
↓
EXECUTE|実行する
↓
MEASURE|結果を確認する
↓
IMPROVE|改善する
つまり、アイデアは企画の一部分。
厚生労働省の「企画・調査担当」の職業情報でも、市場調査、データ収集、仮説立案、ターゲット設定、企画設計、関係者との調整、KPI設定、発売後の目標確認や要因分析など、アイデア以外のさまざまな業務が示されています。 職業情報提供サイト(job tag)
もちろん、すべての企画職がこの9工程を一人で担当するわけではありません。
順番も、担当範囲も会社によって違います。
だからこそ大事なのは、
「企画=面白いことを思いつく」だけではない
と知っておくことです。
企画は「何のため?」から始まる
企画のスタート地点も、必ずしもアイデアではありません。
たとえば、
「もっと若い人にサービスを使ってもらいたい」
「商品の売上を伸ばしたい」
「店舗への来店を増やしたい」
「営業活動を効率化したい」
「新しい顧客層を開拓したい」
「社内業務をもっと便利にしたい」
など。
最初にあるのは、何かしらの目的や課題かもしれません。
そこから、
「なぜ今そうなっている?」
「誰が困っている?」
「何を変えればいい?」
と調べて、考えていく。
だから企画を見るときは、
「どんな面白いアイデアを考えられるか?」より、
「何のために、何を変えるのか?」
という視点を持ってみてください。
企画職って、誰と仕事する?
企画職というと、一人でPCに向かって考えている姿をイメージする人もいるかもしれません。
でも実際には、誰かと一緒に企画を形にしていく仕事になることもあります。
たとえば、
営業、マーケティング、開発、デザイン、制作、店舗・現場、経営層、外部パートナーなど。
厚生労働省の「商品企画開発」の例でも、販売担当者との協議や生産チームとの連携などが仕事内容として挙げられています。 職業情報提供サイト(job tag)
良いアイデアがあっても、
「予算はいくら?」
「誰がつくる?」
「いつまでに?」
「本当にユーザーは求めている?」
「現場で実行できる?」
といったことを整理しなければ、実現できないこともあります。
だから、企画職で活かされるのは「発想力」だけではありません。
考えを整理する。
根拠を集める。
相手に伝える。
周りと調整する。
実行できる形にする。
こうした力も、企画の仕事では活かされることがあります。
じゃあ、マーケティング職とは何が違う?
ここは少しややこしいところです。
企画職=マーケティング職ではありません。
ただし、完全に別物とも限りません。
会社によっては、マーケティング部門の中で企画を担当することもあれば、企画職が市場調査や販促などマーケティングに近い仕事を担当することもあります。
実際、job tagでも「企画事務、マーケティング」が同じ職種カテゴリー内に置かれており、「企画・調査担当」の仕事内容にも市場調査やターゲット設定などが含まれています。 職業情報提供サイト(job tag)
だから就活では、名前だけで判断しないこと。
次回のJOB #15では、**「マーケティング職って、広告・SNS・分析のどれ?」**を詳しく整理します。
「営業より企画がいい」は、一度分解してみよう
「営業はちょっと嫌だけど、企画ならやってみたい」
そう思うこと自体は問題ありません。
ただ、
営業=売る人
企画=考える人
と分けてしまうと、実際の仕事とのズレが生まれることがあります。
企画職でも、売上やKPIを見ることがあります。
反対に、営業が顧客の課題を聞き、解決方法を考え、提案することもあります。
営業で得た顧客の声や現場感覚が、企画に活かされるケースもあるでしょう。
だからといって、「企画職になるには営業経験が必須」ではありません。
営業から企画へ異動する会社もあれば、新卒から企画系職種を採用する会社もあります。
大切なのは「営業か企画か」という名前だけで比べるのではなく、実際に何をするのかまで見ることです。
新卒から企画職になれる?
答えは、
会社によって違います。
企画職として職種別採用をしている会社もあれば、総合職で採用して入社後に配属が決まる会社もあります。
営業・店舗・現場などを経験した後に企画部門へ異動する会社や、ジョブローテーションを採用している会社もあります。
だから企画職に興味があるなら、求人票の「企画」という文字だけではなく、
採用コース/初期配属/配属の決まり方/異動制度/キャリアパス
まで確認してみましょう。
説明会なら、
「新卒1年目はどんな業務から担当しますか?」
と聞いてみるのもおすすめです。
企画職って華やかな仕事?
新しい商品を考える。
新しいサービスをつくる。
キャンペーンを動かす。
確かに、企画職には外から見ると華やかに感じる場面があります。
でも、その裏側には、
情報収集、データ分析、資料作成、会議、関係者への説明、予算確認、スケジュール管理、進捗確認、結果分析、改善……
といった地道な仕事が含まれる場合もあります。
商品企画の一例でも、情報収集・調査・分析、企画書や生産計画書の作成、販売実験など、実行に向けたさまざまな業務があります。 職業情報提供サイト(job tag)
もしかすると、
「企画を思いつく瞬間」より、「企画を形にする時間」の方が長い。
そんな仕事もあるかもしれません。
企画職の面白さと、大変さ
企画職の面白さの一つは、自分たちで考えたものが実際の商品・サービス・施策・仕組みとして形になる可能性があること。
課題を見つけて、調べて、考えて、周りと動かして、結果を見る。
改善した結果が、次の企画につながることもあります。
一方で、自分のアイデアがそのまま採用されるとは限りません。
「なぜ、この企画なのか?」
「どれくらい効果がありそうなのか?」
「予算内でできるのか?」
など、根拠や実現可能性を求められることもあります。
複数の関係者との調整が必要だったり、実行しても期待した結果にならず、もう一度考え直したりすることもあるでしょう。
考えるだけではなく、形にする。
ここまで含めて、企画の面白さでもあり、難しさでもあります。
こんな人は「企画系の仕事」を見てみてもいいかも
企画職に「絶対向いている性格」があるわけではありません。
ただ、
「これって、なんでこうなってるんだろう?」と考えるのが好き。
人の困りごとやニーズに興味がある。
情報を集めて整理するのが好き。
アイデアだけでなく「どう実現する?」まで考えたい。
誰かと一緒に物事を進めることに興味がある。
やってみた結果を見て、もっと良くしたいと思える。
そんな人なら、企画系の仕事を詳しく見てみてもいいかもしれません。
「自分はアイデアマンじゃないから無理」と決める必要もありません。
企画職を見るなら、この7つ!
最後に、企業研究で使えるPLANNING CHECK MAPです。
① WHAT|何を企画する?
商品?サービス?営業施策?事業?社内の仕組み?
② WHY|何のために企画する?
売上?顧客満足?業務改善?新規事業?認知拡大?
③ WHO|誰のための企画?
消費者?法人顧客?営業担当?社員?経営層?
④ RESEARCH|何をもとに企画する?
顧客の声?市場調査?売上データ?現場の課題?
⑤ DECISION|誰がどう意思決定する?
自分で決める?チーム?上司?経営層?他部署?
⑥ EXECUTION|誰が実行する?
企画担当自身?営業?開発?制作会社?現場?
⑦ SCOPE|自分はどこまで担当する?
企画だけ?実行まで?効果測定や改善まで?
同じ「企画職」という求人でも、この7つが違えば、仕事の中身はかなり変わります。
説明会では、こんな質問をしてみよう
「この企画職は、具体的に何を企画しますか?」
「企画のテーマはどのように決まりますか?」
「企画するときは、どんなデータや情報を使いますか?」
「顧客やユーザーと直接関わる機会はありますか?」
「企画した後の実行や効果測定まで担当しますか?」
「どの部署と一緒に仕事をすることが多いですか?」
「新卒1年目はどんな業務から担当しますか?」
「新卒から企画職に配属される可能性はありますか?」
「企画職への異動やキャリアパスはどのようになっていますか?」
ここまで聞けると、「企画職」という名前だけでは見えなかった仕事内容がかなり具体的になります。
X-careerのCPから一言
学生から「企画職に興味があります」と聞いたとき、僕たちが知りたいのは、
「どんな企画がしたい?」だけではありません。
なぜ企画に興味を持ったのか。
商品を考えたいのか。
サービスをもっと良くしたいのか。
人の行動を変える施策を考えたいのか。
事業そのものを考えたいのか。
ここを整理していくと、「自分がやりたかったのは企画職じゃなくて、別の仕事かも」と気づくこともあります。
逆に、今まで見ていなかった企画の仕事が、自分に合いそうだと分かることもあります。
職種名ではなく、「自分は何をしたいのか」まで分解してみる。
それだけで、会社選びはかなり変わります。