1998年当時、まだ「フットサル」という言葉を知っている人の方が少なく、10人に一人くらいしかこの言葉を知ってる人はいなかったと思う。
IT企業のサラリーマンでサッカー・フットサルにこっていた自分は、チームでフットサルリーグに参戦しようとしていた。
東京都サッカー協会が運営するフットサルリーグを調べたが、参加費が何万円もして、ユニフォームもシャツ、パンツ、ソックスをホームとアウェイの2セット用意しなくてはいけなかった。それに試合日も固定で融通のきかないスケジュールだった。これはダメだ。どうしようとおもった。
自分たちでリーグを創ればいいじゃん!
善は急げ、友人2人に声をかけ3人で実行委員会を作りました。そして、友人のチームに声をかけ、さらにその友人チームが友人チームに声をかけ、瞬く間に12チーム集まった。
そして、めでたく1999年にリーグ戦を開始した。
しかし、順風満帆には行かないもので、あちこちで問題が起きた。
なにしろ、知り合いの知り合いに声をかけているものなので、リーグ戦の結果を知らせようにも、一苦労。
試合会場はどこだ?試合時間はいつだ?対戦相手は?などの問い合わせもバンバンきた。
そこで、私がリーグ戦のホームページをつくり、試合スケジュール、順位、ゴールランキング、アシストランキングが分かるようにした。
そして、1シーズンが終わる頃に予想外の事が起きた。
全国からこのリーグ戦に出たいというメールや連絡が殺到した。
そこで、ウェブから試合結果を入力すれば自動的に順位、ゴールランキング、アシストランキングが集計されるシステムを友人のエンジニアに格安でつくってもらい、ネット上で参加チームを公募しました。すると、東京だけでなく、神奈川や大阪からも応募がきて、びっくりした。
2シーズン目のリーグ戦はいっきに東京3リーグ、神奈川1リーグ、大阪1リーグと増やし、全45チームで開催することになった。
リーグの名前もネット上で一般に公募して、投票数の多かった「フットワンリーグ」という名前に決まった。
このフットサルリーグが秀逸だったのは、1リーグを9チームとして、3チーム×3組になり、3チーム1組のうちの1チームが幹事チームとなって日程調整して会場を予約する。さらに試合当日は、3チームのうち2チームが対戦して、残る1チームが審判をする。これを3試合ぐるぐる行う。そして、これを4回繰り返すと、1チームあたり他の8チームと対戦し、1シーズンが完結するというきわめてシンプルで無駄の無いものだった。そして、参加費の安さも際立っていた。1チームあたり入会4,000円、1シーズン参加費6,000円という安さで、サッカー協会のおこなっているリーグが数万円もしたのに対して10分の1くらいの金額だった。
今考えると、ネット上で募集して、参加費を振り込んでいただき、対戦スケジュールを発表して、ウェブから試合結果を入力し、順位を確認するという、ネット上のみでこのリーグ戦のサービスは完結していた。
そうです、有料課金のSaaS型リーグシステムサービスだった。
まだ、楽天もテキストベースのよちよち歩きだった時代です。おそらくスポーツ分野では日本でもっとも早かったと思う。
そして、6年後には27リーグまで増え、入るのを断念した東京都のフットサルリーグをはるかに越え、240チームが参加するリーグへと成長した。
今では、サッカー界を見渡すと、フットワンリーグに参加した人たちがサッカー雑誌の編集者、ライター、カメラマン、監督、コーチなど大活躍していて、嬉しい限りだ。
実は、このリーグ戦に応募してきた仲間でスポーツワンの前身となる会社を設立する事になるのだが、この話しはまた今度。
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