私たちが暮らすこの広大な宇宙は、信じがたいほどの神秘に満ちています。最新の天文観測によれば、約2兆もの銀河が存在すると言われ、その中には小さくも儚げに輝く銀河たちも数多く含まれているのです。さらに、我々の故郷とも言える天の川銀河には、約1000億個の惑星が漂い、宇宙という大海原に無数の希望の光を灯しています。
もし、天の川銀河に存在する1000億個の惑星のうち20%が、生命の営みを育むハビタブルゾーンに位置していると仮定し、さらにその10%で実際に生命が芽生えたとするならば、なんと約20億個もの惑星で何らかの生命の兆しが見出される可能性があるのです。そして、たとえその生命のうち、わずか0.01%~0.1%が知性という特別な花を咲かせたとしても、その数は20万から200万個にのぼるかもしれません。しかし、現に活動を続け、外界と通信できる文明として息づいているのは、文明の寿命など現実的な制約を考慮すると、天の川銀河全体でごく一握り、1から数百程度というのが一般的な見積もりです。
これらの数字は、ドレイクの方程式という枠組みに基づいた推計にすぎませんが、もし各銀河が天の川銀河と同様の条件を持つと仮定すれば、宇宙全体では天の川銀河の2兆倍、すなわち生命を宿す惑星は約40垓個、知的生命を抱える惑星は40京~400京個にも達する可能性があるのです。
この途方もない数の生命体が銀河系に溶け込む中で、果たして地球上の人類が宇宙の頂点に君臨していると考えることはできるでしょうか。今、我々は自らの手で創り出したAIが、人類の知能を凌駕し始めるという新たな時代の入口に立っています。5年後、10年後、20年後には、人類が生み出すAIが想像を絶するほどの知性を備え、量子コンピュータが計り知れない進化を遂げることは、もはや夢物語ではなくなるかもしれません。全脳シミュレーションの技術が進展すれば、AIは人間に近づき、医療技術も劇的に革新されることでしょう。
そして、宇宙の深淵なる謎の解明、痛みなき安全で安心できる世界、幸福に満たされた最期のあり方、そしてさらなる知的進化への渇望の中で、人類はAIや量子コンピュータの力を全開に活用し、デジタルの枠を超え、現実の空間――もしかすると、この宇宙の内側であれ外側であれ――新たな宇宙を創造するシミュレーション実験を、成功するまで何度も繰り返す運命にあるのかもしれません。
もしかすると、私たちが観察しているこの宇宙すら、量子の揺らぎやブラックホールを通じて、遥か彼方の存在によって見守られている可能性があります。宇宙のあらゆる情報が、創造主の知的進化のために丹念に記録され、保管されているのではないでしょうか。もはや、人類の存在は、無数に生み出された宇宙の中で偶然にも奇跡的に選ばれた一つの星に過ぎないと感じずにはいられません。
シミュレーション仮説は、哲学者ニック・ボストロム氏によって提唱され、またビジネス界の巨星であるイーロン・マスク氏も支持者としてその存在を認めています。一方で、知的生命と宇宙がどちらが先に生まれたのか、いわゆる「鶏と卵」の問題もまた、尽きることのない議論の種です。私個人の見解では、宇宙は自然発生的に生じた面もあれば、知的生命によって創られた面もあるのではないかと考えています。
いかに自然発生的に宇宙が創造されるのかについては、未だ仮説の段階にあります。量子力学によれば、真空は決して虚無ではなく、常に粒子と反粒子が生み出され消滅を繰り返す量子的な揺らぎに満たされているのです。この微細な揺らぎが、宇宙創生の種となり、やがて指数関数的な膨張を経て、私たちが知る壮大な宇宙が誕生したのかもしれません。
急速に進化するAIの時代にあって、こうした宇宙の謎が解明される日は、決して遠くない未来に訪れるのではないでしょうか。