こんにちはリライアス採用担当です。今回は弊社のコンサルティング部門の「価値」と「未来」について、代表取締役の江本とコンサルティング部門の責任者で執行役員の西田の対談インタビューを行いました。
江本 誠一:青山学院大学 国際政治経済学部卒業後、リクルートに新卒入社。求人広告営業、採用コンサルタントに従事後、営業企画・商品企画として新規事業のSaaSプロダクト(ATS/採用管理システム)と運用型広告商品(indeed連携商品)の立ち上げに従事。2017年6月に株式会社リライアスを創業。代表取締役に就任
西田 好孝:同志社大学 商学部卒業後、リクルートに新卒入社。大手領域にて、採用効率化提案等を行うソリューション営業として活躍。その後、起業を経て2022年10月よりリライアスに執行役員として参画。HRコンサルティング部の事業責任者。グロービス経営大学院経営学修士(MBA)修了
労働集約型産業における採用課題を戦略的に支援するリライアス
―リライアスの事業内容について教えてください
江本:リライアスは、経営課題解決を目的とする「HRコンサルティング」と「HRマーケティング」を主軸にサービスを展開している会社です。HRコンサルティングとHRマーケティングを通じて「クライアント価値の最大化」というミッションのもと、企業の経営戦略に基づいた人事・採用戦略の立案から実行までを支援しています。特に、大手企業の中途・派遣・アルバイト採用の効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)支援を得意としています。
今後はコンサルティング部門をさらに強化してHRコンサルティングファームを目指す予定です。
―現在のクライアント群はどのあたりですか
西田:リライアスのクライアントは、製造・飲食・物流・介護・小売といった「労働集約型産業」に属する企業様が中心です。労働集約型産業とは、簡単に言えばサービス業など労働力への依存度が高い業種であり、人材の確保が事業の成否を大きく左右します。
この業界はどの企業様も慢性的な人手不足に悩まれていますが、その理由はさまざまです。自社の人材課題を明確に把握されている企業様もあれば、どこが問題なのか分からないとご相談いただくケースも少なくありません。
例えば、事業計画自体はしっかりと策定されているものの、それを実現するための人材確保やスケジューリングの計画が抜け落ちていることがあります。飲食業の例で言えば、「出店計画はあるが、いつまでに社員やアルバイトを何人採用し、どのようなスケジュールで研修を行うか」という具体的な人員計画まで立てられていないケースが典型です。
リライアスでは、採用支援にとどまらず、企業様の経営戦略・事業戦略に基づいた人員計画の設計から支援をスタートします。事業を円滑に進めるには、どのような人材配置が必要か検討し、育成計画や離職率なども踏まえながら、課題の特定と強化すべきポイントの議論から始めることができ、それが我々の得意分野でもあります。
決まったサービスメニューを持たない事で、クライアントにとって一番近くフラットな存在でありたい。
―リライアス独自の提供価値や強みはどのようなところでしょうか
江本:お客様から「この課題を解決してほしい」とご相談をいただくことは多いのですが、よくよく状況を分析してみると、実は本質的な課題はそこではないのでは?と感じるケースも少なくありません。そういった場合には、根本的な部分から丁寧に提案を行います。これができるのは、我々が“コンサルティング”として企業の課題解決に本気で向き合っているからです。事業成長を支援するという立場でコンサルティングフィーをいただき、企業目線で本質的な改善に取り組む——このスタンスこそが、クライアントにとって最も価値のあることですし、意味のある仕事だと考えています。
リライアスが他の採用支援会社と大きく異なるのは、決まったサービスメニューを持っていない点にあります。例えば、自社で採用メディアやRPO(採用代行)を展開している場合、どうしてもそれら自社サービスを使って課題を解決する提案に偏りがちになります。一方リライアスでは、企業ごとのリアルな課題に真正面から向き合い、最も適切な手法をフラットな視点で提案します。たとえば「RPO(採用代行)を導入しましょう」といった表面的な提案だけでなく、ATS(採用管理システム)の運用状況を細かく確認し、「このフローをこう改善すれば採用効率が上がる」といった実務に即した提案ができるのです。
クライアントの業務やプロセスに寄り添って提案を行う姿勢が、私たちリライアスの大きな強みであり、他社との明確な違いです。
―ここ最近、採用コンサルティングの事業をスタートさせるスタートアップなども多いと感じます。
西田:おっしゃるように、採用コンサルティングを掲げている企業は数多くありますが、実態としてはIndeedなどの広告代理業務や、RPO(採用代行)の導入を前提とした提案が中心となっているケースが多いと感じています。ソリューションありきの提案型営業になっているんですね。弊社の場合Indeedなどの広告運用を行うHRマーケティング部と私が責任者を務めるHRコンサルティング部がありますが、それぞれの事業部が独立して存在しており、コンサルティングサービスのみを提供しているクライアントも複数いるのが現状です。クライアントからはコンサルティングフィーとして費用をいただいているため、コンサルティング単体で投資対効果(ROI)を常に問われています。そのため、私たちは自社の介在価値や提供価値に強くこだわると共に、常に高い成果を追求していく姿勢や風土が醸成できていると考えています。
また、新卒採用領域で弊社のような特定のソリューションを持たないコンサルティングサービスを実施する会社はいくつかありますが、中途・アルバイトといった、いわゆる「労働集約型産業」における採用コンサルティングを本業として展開している会社を、ほとんど存じあげません。。
その背景として、新卒採用は年単位での採用プロジェクトである事から、年度ごとの振り返りが実施しやすい事に加え、インターンや説明会などイベント毎の集客企画要素が強いことで、中途やアルバイト領域に比べ、コンサルや外部のブレインなどを受け入れやすいと考えています。
一方、中途やアルバイト採用は実態としては新卒にも劣らないほどの工数や採用人数や予算・工数がかけられている事があっても、ひとり当たりの採用予算やいち職種あたりの採用人数が少ないことでプロジェクト化はしづらく、単発の採用活動になることで、ノウハウや活動自体がブラックボックス化していることが散見されます。加えて、同一職種でもターゲットやエリアが変わる事で、過去との比較が単純にはできないことなどから、弊社のようなコンサルの必要性を感じづらい状況にあると考えています。
江本:他にも経営者の視点で見ると、この事業モデルの難しさがあります。例えばビジネスモデルがすでに定まっている求人広告会社(代理店)の場合は、行動量を担保することである程度の成果は出せるためスケールしやすい一方、弊社のようなコンサルティングサービスは、そもそも優れたコンサルタントの採用や育成に時間とコストがかかるため、スケールや収益確保が難しい事業だと感じています。自社の儲けに主眼を置いた場合、競合と比べ我々の事業モデルは適していないということは認識していますが、クライアント価値起点で考えた際、自社で提供できるソリューションに限界がある会社とそうでない会社とでは、どちらがお客様のためになるかは明白で、そこが私たちの独自性であり、存在意義だと考えています。
採用領域にも、外部からのコンサルティングが求められる時代
―採用コンサルティングを導入している企業や検討している企業は増えてきているのでしょうか
江本:先ほどお話しした通り私たちが軸足をおいている「労働集約型産業」の中途・アルバイト採用においては、コンサルティングを導入することはまだまだ少ないと言えます。営業や経営戦略など利益を生む領域にはコンサルタントが当たり前のように存在する一方で、採用はバランスシート上では「コスト」と捉えられることが多く、その重要性が過小評価されているのが現状です。
本来、採用はコストではなく「投資」であり、人材への投資は将来的な利益を生むものです。採用がうまくいけば事業の推進力となり、新規出店や成長戦略の実現にもつながります。
多くの企業では、人事部門はどうしても社内目線になりがちで客観的な分析や課題の整理が十分に行われていないケースが少なくありません。その結果、無駄な広告費や採用代行を使っていたり、新しいツールや手法を知らずに非効率な運用を続けていることもあります。だからこそ、私たちのような外部の専門家が、第三者視点で現状を分析し、課題を抽出し、最適なソリューションを提案・実行していくことに価値があります。
リライアスでは、現状把握から課題の可視化、具体的なソリューション提案までを一貫して提供する“クライアントコミット型のコンサルティング”を提供しています。
西田:現在お取引のある企業様は、大手外食チェーンや派遣・介護領域のお客様。投資ファンドの方から支援先の企業の支援のご依頼を受けるケースもあり、コンサルティングの導入に理解のある会社が中心です。我々は現状を数値で可視化し、課題の優先順位を明確にしたうえで、具体的な施策を推進していくスタイルで進めるので、経営者側からすると納得感や安心感があるのだと思います。
―近年採用活動自体が複雑化しているように感じますが、中長期的にはどのように変化をしていくと考えていますか?
江本:今後は採用領域においては、ふたつの事が起こると考えています。ひとつは採用ルートの集約。もうひとつは、AIの進化による運用負荷の軽減です。
つまり今は採用ルートの分散化とそれぞれ独自に運用が必要なことで、採用活動全体の運用負荷が高い状態にあると考えていますが、今後は集約・収束が起こるであろうと考えています。
例えば、リクルートホールディングス(Indeed社)の求人広告はすべてIndeedに集約していくため、新卒・中途・アルバイトに限らず、すべての採用はIndeedのプラットフォームを活用する事になります。そうなると今後は、企業自らが主体的に採用活動を進めていく流れがますます加速していくと考えています。
これまでは求人広告を出すには代理店を通す必要がありましたが、現在では企業が直接Indeedなどを使って複数媒体に求人原稿を入稿・掲載できる環境が整いつつあります。広告運用の自動化も進化しており、Indeed上でワンクリックするだけで自動的に最適な広告運用が行われ、ある程度の採用成果が見込める世界が現実となっているのです。またAI技術により、たとえば面接を人が行うのではなくAIによるスクリーニングを導入するなど、新たな手法も出てきています。
こうした流れを俯瞰して捉えた時、求人広告代理店が担っていた媒体選定とその後の運用という役割に対して、今後クライアントは価値を感じなくなっていくと考えています。今後一層求められてくるのは、応募からの採用進捗率や歩留まりの改善など、より深いコンサルティング支援です。採用手法の多様化や自動化が進む一方で、企業ごとに最適なツールの選定や運用、業務フローの見直しといった、より本質的な課題に対する伴走支援をする事、そして成果を出す事が重要になるでしょう。
状況がめまぐるしく変化する中で、私たちはこうした変化をすべて「チャンス」と捉えています。リライアスは採用全般に強いHRコンサルティングファームとしての価値を高め、より多くの企業様に対して的確で実践的なコンサルを実施しながら、柔軟にクライアントのニーズに応える姿勢をぶらさずにやっていきたいと考えています。
西田:そうですね。採用を取り巻く環境が急速に変化する中で、リライアスの「コンサルティング事業」と「マーケティング事業」をいかに融合させていくかが、今後の大きなカギになると個人的には考えています。企業が採用戦略や方向性を定めるためにはコンサルティング的な視点とマーケティング的な視点の両方が不可欠です。本質的な課題に向き合い、解決へと導くためには、両者を連動させたアプローチが求められます。
江本からもありましたが、わかりやすい例で言うとChatGPTの登場で、よくある基本的な質問や、すでに解決手法が出ている課題に関しては、AIに聞いて企業側が自分で解決できる時代になりつつあります。そんな中、私はすでに広告代理店の役割や価値は半分ほど消失していると考えています。この状況に対して、リライアスは2017年から答えのない課題に対してクライアントに向き合い、解決へ導く伴走型のコンサルティングを提供してきた実績があり、今もそのナレッジが積みあがっています。江本が話したような世界観が何年後にくるかは確証はもてませんが、日々その状態に近づきつつあることは実感している中、クライアントが弊社を含む採用サービスを提供している企業に期待する品質や成果というのは今後変わっていくと考えています。