2024年8月29日、 Kaia (カイア)はレイヤー1ネットワークをローンチしました。このネットワークは、人気の日本のメッセージングアプリLineのブロックチェーン「Finschia」と、韓国のメッセージングアプリKakaoが支援する「Klaytn」の統合によって実現しました。このプロジェクトは、2024年に最も急成長したブロックチェーンであるTON(The Open Network)からインスピレーションを受けています。
両者はソーシャルプラットフォームをベースにしていますが、ビジネスや技術、マーケットポジションは異なります。本記事では、KaiaとTONという2つのプラットフォームをさまざまな観点から比較し、それぞれの特徴や強みを詳しく解説していきます。
Kaiaの概要
Kaiaは、アジアで人気のメッセージングアプリであるKakaoとLINEが共同で作り上げた新しいレイヤー1ブロックチェーンプラットフォームです。これは、Kakaoが開発したKlaytnとLINEのFinschiaというブロックチェーンを統合して誕生しました。
Klaytnのプレスリリースでは、Klaytn Foundationの責任者であるAidan Kwon氏が、この統合の重要性を強調しています。KlaytnのDeFiやゲームサービスとFinschiaのNFT、決済、AIサービスが組み合わさり、420以上のDAppとサービスからなる大規模なエコシステムが生まれました。
Kaiaの目的は、KakaoTalkやLINEの多くのユーザーを活用し、誰でも使いやすいWeb3エコシステムを作ることです。これにより、開発者はメッセージングアプリに直接組み込める分散型アプリケーション(dApp)を作成でき、ユーザーは簡単にWeb3サービスにアクセスできるようになります。
Kaiaは、LINEとKakaoという大手テクノロジー企業の協力によって生まれた革新的なプロジェクトであり、従来のブロックチェーンが主に投資や投機に焦点を当てているのに対し、日常的に使える実用的なブロックチェーン技術を提供することを目指しています。
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TONの概要
TON(THE OPEN NETWORK))は、セキュリティと安全性を最優先に設計されたレイヤー1のブロックチェーンであり、トランザクション処理の速度とスケーラビリティにおいて非常に高い能力を誇ります。このブロックチェーンは、1秒間に数百万のトランザクションを処理できるため、非常に高速で、従来のブロックチェーンと比較して優れたスケーラビリティを提供します。この特性により、大規模なユーザー数やトランザクション量を扱うことができ、ブロックチェーン技術の普及において重要な役割を果たすことが期待されています。
TONは元々、メッセージングアプリ「Telegram」の開発者たちによって、Telegramエコシステム内で暗号通貨やブロックチェーン機能を統合するために作られました。Telegramはすでに数億人規模のユーザーを持つため、TONはその規模を活かして、広範なユーザーベースに対して暗号資産を容易に提供することを目的として開発されました。このような背景により、TONはコミュニケーションツールと暗号経済を融合させ、ブロックチェーン技術の広範な普及を目指しています。
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KaiaとTONの類似点
メッセージングプラットフォームを基盤
TONはTelegram、KAIAはKakaoとLINEといった大規模なメッセージングプラットフォームと深く結びついており、両方のブロックチェーンがソーシャルメディア上の広範なユーザーベースを活用しています。
分散型アプリケーション(dApps)のサポート
どちらのプラットフォームも、開発者が分散型アプリケーション(dApps)を作成できる機能を備えており、Web3エコシステムの拡大を目指しています。
日常利用へのフォーカス
投機や投資に限定されず、日常的に使える実用的なブロックチェーン技術を提供しようとしています。特にメッセージングアプリと統合することで、一般ユーザーが簡単にアクセスできるWeb3サービスを提供しています。
スケーラビリティ
どちらも大規模なユーザーベースをサポートするため、高いスケーラビリティを持ち、トランザクション処理の高速化を目指しています。
TONとKAIAは、巨大なメッセージングアプリを活用して、Web3技術の普及を促進し、より多くのユーザーにブロックチェーン技術を日常的に使わせる点で共通しています。
KaiaとTONの違い
コアビジネスロジック
KAIAの戦略は、プロフェッショナルサービス、ステーブルコイン、そして東アジア市場に重点を置いており、TONのグローバルな焦点やソーシャルプラットフォームとの深い統合とは対照的です。TONは膨大なTelegramユーザーベースを基盤に成功を収めていますが、KAIAはインスティテューショナルグレードのエコシステムと強力なDeFi基盤を構築することで、多様なブロックチェーンアプリケーションの展開を目指しています。
ユーザーベース
法規制遵守
技術的なアーキテクチャとパフォーマンス
KAIAは、開発者の参入ハードルを下げることに重点を置き、DeFiやNFT、RWA(実世界資産)分野での採用を迅速化。一方でTONは、超高速トランザクションと高度なクロスチェーン相互運用性を活かし、ブロックチェーン間の価値交換を促進しています。
LINEのミニDAppsとTelegramのミニDApps
月間アクティブユーザー数が1億9600万人を超えるLINEは、世界で非常に人気のあるメッセージングアプリです。LINEではミニアプリをサポートしており、これらは小さく軽量なウェブアプリで、開発者がLINEの大規模なユーザー基盤に直接サービスを提供できるようにします。これにより、ユーザーはプラットフォームを離れることなく、シンプルで直感的な体験ができます。たとえば、ユーザーは医者の予約や食事の注文をするためにアプリを切り替える必要がありません。
Kaiaは、アジアで最大級のWeb3エコシステムの1つで、420以上のDApps、45のガバナンスパートナー、3400万以上のウォレットを持ち、消費者向けブロックチェーンアプリケーションに必要なスケーラビリティとセキュリティを提供しています。これにより、ミニDappが成長するための基盤が整っています。
この組み合わせは、Telegramのようにブロックチェーンを活用したゲームなど(Telegram上のミニアプリ)で注目されているトレンドに沿い、より多くの人がWeb3技術に簡単にアクセスできるようにすることを目指しています。
Telegramのミニ DAppsは、現在の構造では持続可能性やエンゲージメントの課題を抱えています。一方で、LINEは既存の成功事例(WeChat)を参考に、特にカジュアルゲームやNFTを活用して多機能かつ地域ごとの最適化を図る戦略を展開しています。LINEのアプローチは、ユーザー体験を重視しながら、より持続可能な収益モデルを追求している点で注目されます。
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まとめ
両方のプラットフォームは高度なブロックチェーン技術を使用していますが、そのアプローチは異なります。TONは高速で大量の取引を処理することに重点を置き、Kaiaは使いやすさと既存のサービスとの連携を重視しています。今後、両プラットフォームはWeb3の使い方に変革をもたらす可能性がありますが、それぞれ異なる道を歩んでいます。KaiaはアジアのユーザーにWeb3サービスを試してもらうことを目指し、TONは誰でも利用できる世界規模のアプリネットワークを作ろうとしています。
レリパはブロックチェーンおよびWeb3開発の強力な専門知識を持ち、ブロックチェーン統合ミニアプリの作成を支援します。最近リリースした2つのTONミニアプリは、クライアントに大きな成功をもたらし、私たちのプラットフォームに対する深い経験と理解を証明しています。
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