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Web3.0とは?次世代型インターネットが注目されている理由と今後の可能性について解説!

インターネットが世に誕生して約30年。時代は、Web2.0からWeb3.0という新しい世代に突入しました。その基盤となるのは「ブロックチェーン」です。

巨大テック企業や金融機関など中央集権的存在を介さない分散型ネットワークによって、サーバーがなくとも個人情報が個別に管理できたり、一部の資産を低コストでスピーディーにやり取りできたりするのが、「Web3.0」の特徴です。

今回は、Web3.0の意味や注目されている理由、さらに今後の可能性について詳しく解説します。

Web3.0とは何か?

Web3.0を理解するには、その前段階に位置する「Web1.0」「Web2.0」について知る必要があります。

Web1.0とは

Webの創世記は、1990年代前半から半ばにかけてです。この頃から2000年代前半まで、Webといえば、情報発信者が一部に限られ、利用者はそれをただ閲覧する立場にすぎませんでした。多くの人たちは、ネットの情報をあてにせず、頼りになる情報ソースは新聞や書籍などが、一般的でした。

今では国内最大級のECプラットフォーマーである楽天市場が創業したのが、1997年のことですが、当初は、通販といえば電話かファックスで注文するのが当たり前。ネット上に仮想商店が展開されるという概念すらほとんど理解されませんでした。接続方法も電話回線によるダイヤルアップ式で、ネット利用時は電話が使えないという不便なものでした。

Web2.0とは

続いて、2000年代半ばから現在にいたるまでが、Web2.0になります。デジタル回線が普及するにしたがって、発信される情報をただ閲覧するという一方的な関係性から、だれでも情報発信者になれるインタラクティブなつながりへと変化します。

スマホの登場も追い風となり、Web2.0ではSNSやブログでの情報発信、ECサイトでの買い物も常識化します。サーバーも自前で管理するオンプレミスに加えて、クラウドの登場により、アプリケーションやソフトの精度が飛躍的に進化します。と同時に、ビジネス現場はデジタルデータの利活用が、大きくものを言うようになりました。大量のデータを使って機械学習をさせることで飛躍的に能力が高まるAIの登場は、まさに本格的なデータ社会を形成したWeb2.0の大きな功績といえるでしょう。

一方で、情報が巨大テック企業を中心とする一部の機関に集中し、個人情報の搾取や漏洩が社会問題化します。またネットの脆弱性を突いたサイバー攻撃によって、国家や自治体、企業の機能の一部を麻痺させる悪質な事件や個人を相手にしたアカウントの乗っ取り、フィッシングなどの詐欺事件が頻発して、莫大な経済損失や社会的混乱を誘発しているのも事実です。

時代はWeb3.0世代へ

Web2.0の流れを受けながら、徐々にWeb3.0へのシフトチェンジが行われつつあるのが、現在です。

Web1.0~3.0という表現は、慣習的に使われているきらいが強く、明確な定義があるわけではありません。ただ、Web3.0に関して一言で表現すると「ブロックチェーンを活用した分散型ネットワークの時代」といえます。

中央集権的存在によるサーバー管理ではなく、個人が持つデバイスにサーバーが分散されるのがブロックチェーンの大きな特徴です。すべての情報は、ブロックチェーン上に記録され、だれでも閲覧可能ですが、暗号化されるうえ全ユーザーの承認を得なければ書き替えもできないため、第三者が改ざんすることはまず不可能です。

この特長を活かして2010年前後に登場したのが、政府や中央銀行、金融機関などを介さずに取引が可能な暗号資産エコシステムです。国家が価値を保証する通貨ではなく、プロジェクトに賛同した者が投資をすることで価値が創出される暗号資産や、限られたコミュニティで一定の意味付けを行ったトークンを使った、売買取引や決済、情報の伝達や管理が可能な世界が広がり始めたのです。

とくに2016年に一般に向けてリリースされたイーサリアムブロックチェーンは、暗号資産界に画期的な変革をもたらします。ある特定のルールに従ってブログラムを自動に実行できるスマートコントラクトを有するイーサリアムにより、暗号資産は売買や決済という従来の働き以上の機能を持ち始めました。それが、「Dapps」です。

Dappsは、主にイーサリアムを基盤に稼働するアプリケーションのことです。複数のタイプのスマートコントラクトを用途に合わせて使い分けることで、NFT(非代替性トークン)やDeFi(分散型金融)といった未曽有の技術を世に送り出すことが可能になりました。

NFTにより、画像や動画、音楽といったデジタルデータに唯一無二の価値を持たせ、所有権を証明できるようになりました。また、NFTゲームも続々とリリースされ、ゲームを楽しみながらも、キャラクターやアイテムをNFT化して暗号資産取引所で売買できる「Play to Earn」や「GameFi」という新しい概念も生み出しました。DeFiは、銀行や証券、保険会社といった金融機関を介さずとも、スピーディーかつ安価な手数料で送金や融資、資金調達を可能にします。

以上のようなブロックチェーンが「分散化」を基盤とするあらゆるエコシステムを生み出してきた流れをくみ、今後も非中央集権的なサービス拡散を常態化していくものと見られるのが、Web3.0の世界なのです。

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Web3.0が注目されている理由と背景

上述のように、近年、DeFiやNFTのみならず、DAO(分散型自律組織)やメタバースなど、分散型ネットワークを基盤とする新しい技術やコンセプトが、次々に誕生しています。これらを可能にした立役者は、スマートコントラクトを有するイーサリアムに他なりません。その革新性によりイーサリムへの人気は飛躍的に高まり、現段階(2022年4月)において、時価総額はすべての暗号資産の中でビットコインに次ぐ第2にランクしています。

Web3.0の主役であるブロックチェーンがこれだけ必要とされている理由について、改めて整理しましょう。

具体的には、

  • 巨大テックによる手数料や個人情報の搾取から逃れられる
  • コミュニティや組織の中で迅速で確実な情報共有が可能になる
  • セキュリティの向上でサイバー攻撃による損失を回避できる
  • 個人で情報管理できるため表現の自由が担保され、プライバシーも保護されやすくなる
  • 審査なしの迅速な資金調達が可能になる
  • 口座を持てない貧困層にも資産形成の機会が広がる

といったものが考えられます。

つまりWeb3.0には、イノベーションによる新サービスの提供に加え、Web2.0で副作用的に生まれた課題や慢性化する格差社会に対するソリューションとしての役割が期待されている、といえるでしょう。

ただ、ブロックチェーンにも問題がないわけではありません。とくにイーサリアムについては、その人気ぶりにより手数料の高騰化や取引の遅延といったスケーラビリティ問題が深刻化しています。取引の度に、あまりに高い手数料を支払わなければならないため、一部の富裕層や資金力のある投資家を除いては、参入が難しい面があるのです。

また、暗号資産は、通貨として正式に認められていないため、法整備が追い付いていないのが実情です。詐欺などのトラブルが起きた場合は、責任の所在がはっきりしないため、多くの場合は自己責任となる可能性が高いといえます。

しかし、スケーラビリティ問題については、解決の糸口が見えてきているのも事実です。理由は、イーサリアムのレイヤー2であるポリゴンや、イーサリアムキラーとの呼び声が高いソラナといった、スマートコントラクトを実行できる極めて低コストでスピーディーな処理が可能な、新たなブロックチェーンが急速に台頭しているからです。その証拠に、イーサリアムよりもコスパの良いこれらの暗号資産技術により、優れたDapps開発が確実に勢いを増しています。とりわけポリゴンについては、イーサリアムよりも優位性があり、レイヤー2というより、もはやレイヤー1の実力があるとユーザーや開発者に認められるまでに成長しています。

加えて、仮想空間を使った様々な経済・社会活動を目的とするメタバースの存在なしに、Web3.0を語ることはできません。メタバースでは、DAOのプラットフォームを使って、仮想空間内に土地を購入したり美術館やライブ会場を建設したりできます。そこでNFTアートを展示・販売し、アーティストがアバターとなってライブをおこなうといった動きも、大変な活況を呈しています。

今やDeFiやNFT、DAO、メタバースといったイーサリアムブロックチェーン由来のシステムやプラットフォームを、個別でとらえることは現実的ではありません。むしろ、それぞれを融合させ、新たなサービスを生み出そうとする動きこそが、「Web3.0」の本質といえるでしょう。

カナダの調査会社・エマージェン・リサーチによると、メタバース市場は、2028年には8,290億ドル(約100兆円)にまで拡大すると予測されています。これが現実になるとすれば、それは確実に、DeFiやNFTなどイーサリアムや、それに類するスマートコントラクト由来のブロックチェーン経済圏内において数々のイノベーションを繰り返した結果といえるに違いありません。

参考URL:エマージェン・リサーチの調査

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Web3.0のこれから

Web3.0のバックボーンはブロックチェーンです。ただ、ブロックチェーンは暗号資産とのつながりが極めて強いため、Web3.0が順調に発展するためには、暗号資産への理解を広くうながし、「暗号資産=怪しい・怖い」といった印象を拭い去ることがポイントとなるでしょう。とくに国内でも、主要な暗号資産取引所におけるハッキングによって、多数の被害者が出た事件は記憶に新しく、ゆえに暗号資産へのダークなイメージを取り除くのは、決して容易ではありません。

とはいえ、2021年を皮切りにNFTの世界的なブームが巻き起こり、旧Facebookが社名を『メタ』に変更することで、イーサリアム関連銘柄を中心に暗号資産やトークンの価格が目に見えて高騰しました。加えて、著名なミュージシャンや芸術家、有名ブランドやプロスポーツ球団、アニメや芸能プロダクションなどが相次いでNFTへの参入を表明することで、先の暗号資産アレルギーは、一部の人たちの中で徐々に薄まりつつあるとも考えられます。

2022年には、LINEや楽天グループがNFTの取引サービスに本格的に乗りだし、さらに、メタ社もインスタグラムの20億人におよぶユーザーにNFTを提供できる方法を模索していることをあきらかにしています。これら複数のポジティブな動きが相まって、ブロックチェーンや暗号資産が、資金に余裕のない若者にも安全で馴染みやすい存在になれば、認知度も上がりWeb3.0の行き先に本格的な光明が見え始めるかもしれません。

まとめ

Web3.0の世界は、まだこれから本格化していくと思われるため、その全貌は未知数です。

Web2.0までは、サーバーが世界各地に分散しているので、アクセスに国境制限がありました。しかし、「第2のインターネット」と言われるブロックチェーンは、世界中どこに居ても同じURLにアクセスしてサービスを享受できるため、利用者をさらに拡大できる可能性を秘めています。

レリパでは、ブロックチェーン開発をお手伝いしています。Web3.0に向けたDXをお考えなら、DAppsの開発、DeFi、NFTによるマネタイズなどブロックチェーンの活用は非常に有効です。ライバルの先を行く戦略を確実に実現するためにも、ぜひ弊社までご相談ください。心よりお待ち申し上げております。

出典:https://relipasoft.com/blog/what-is-web-3/

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