リビタの社員をよりよく知っていただく機会として始まった社員インタビューシリーズ第5弾。今回もリビタ社員の過去、現在のシゴト、今後のビジョンなどを掘り下げていきたいと思います!
今回インタビューをした社員は、中途入社後、PR部の配属を経て、BUKATSUDOの企画や立ち上げに携わり、現在はホテル事業部の企画・ブランディング・PRチームで活躍している北島さん。企画立案の際のモットーや事業の立ち上げ話、今後の展望などたくさんお話を伺いました。
平塚:よろしくお願いします!リビタ社員紹介のページでは、北島さんは東北大学で建築を専攻後、不動産企画やコンサルティング、設計・デザイン、ホテル運営等を行っていた会社(以下「U社」)に入社したとありますが、経緯を教えていただけますでしょうか。
北島:大学院生のときに、学校で夏休み特別講義があり、そこにU社の方が講師として来ていたのです。懇親会でU社の方とお話していたらインターンにお誘いいただいて、翌週にはインターンを始めました。そこからプロジェクトに関わるようになり、そのままU社に入社することになりました。
平塚:学生時代の行動力が入社につながったのですね。その後、フリーランスに転身されたそうですが、何かきっかけはあるのでしょうか?
北島:2008年のリーマンショックでU社の経営状況が悪化し、それを機にフリーランスへと転身しました。U社で一緒に働いていた先輩たちも独立していたため、そういったネットワークに支えられながらフリーランスとして不動産の企画開発や商業施設の内装設計などの仕事をしていました。
平塚:フリーランスから会社員にまた戻ることを決めた背景は何かありますか?
北島:フリーランスの時はデベロッパー(以下、デベ)とも仕事をしていて、デベがコンペティション(以下、コンペ)などに企画を出す際に、私も企画立案の部分に携わっていました。ただ、基本的にフリーランスの立ち位置としては下請け・孫請けになるため、最終的な意思決定には関われず、自分が良いと思ったものの企画案が不採用になってしまうということがありました。したがって、自分がやりたいことを実現するためには意思決定の場に携われる環境に身を置くしかないと思い、転身を決意しました。
平塚:リビタにはどんな入社経緯があったのですか?
北島:当時、U社出身の方が何人か在籍していたこともありリビタを知っていたのですが、開発から運営まで一気通貫で事業を展開していること、コミュニティづくりに注力していることに魅力を感じて入社を決めました。
平塚:入社してから携わってみたい事業などはありましたか?
北島:地方の遊休不動産を再生してホテルにしたいという思いがあったため、入社面接の際にその企画書を出しました。ただ当時、リビタでは宿泊施設も地方案件もやっていなかったため、入社してからはまずはPR部に配属になり、1年半を過ごしました。
平塚:PR部ではどんな業務をしていたのですか?
北島:取材対応や+Rの作成をしていました。またPR部に所属しながら、リビタの当時の役員のところに飛び込んでくる物件情報に対して、企画を提案するということも携わっていました。そして当時、横浜市のコンペが開催され、BUKATSDOの案を提出したところ、採択されたため、PR部からコンサルティング部に異動してBUKATSUDOの事業化・立ち上げに関わりました。
平塚:BUKATSUDOの事業化に伴ってコンサル部へ異動になったのですね。現在はホテル事業部で活躍している北島さんですが、ホテル事業部への配属経緯はどのようなものだったのでしょうか?
北島:当時の役員に「入社面接のときホテルの企画書出してくれてたよね」と声をかけられたことをきっかけとして、BUKATSUDOの1年目の立ち上げをやりながら、リビタ役員の前でホテル事業に関するビジネスプランピッチをやりました。当時、小規模のビルをリノベしてホテルにコンバージョンするいう事例がでてきており、不動産業界も注目していた時期でした。
平塚:そうして誕生したのがHATCHi 金沢 by THE SHARE HOTELSですよね。リビタの今の大きな事業軸であるBUKATSUDOやホテル事業など、これまで様々な企画立案に携わってきた北島さんですが、そういった企画はどのようなものから着想を得るのですか?
北島:与条件をしっかり紐解きながら、「そこに何があったら地域に喜んでいただけるか」を考えることですね。例えば、事例としてはKAIKA 東京 by THE SHARE HOTELS(以下、KAIKA)のアートストレージが挙げられます。アートストレージ自体はアート業界ではある程度一般的なものですが「アートストレージが面白いからホテルに入れた」というよりも、KAIKAの物件が1階と地下1階には窓が少なかったことや、1階にパブリックスペースを確保する必要があったことなどから、多くの床面積を客室化できないという与条件がありました。そうなると事業性が悪くマイナスになってしまう。ということは投資が限定されるということなので、「投資を最小限におさえつつ魅力的な場所として成立させるためには何ができるか」を考え抜きました。普通ですと、商業のテナントとして貸し出すかもしれませんが、立地から考えて難しい。そこで行きついた答えがアートストレージとの複合でした。アートストレージとして貸し出すことで、投資をかけずとも飾るアート作品が常に存在しうるし、かつ、イベントなどを企画・運営しなくとも日々変わっていく可変性があり、それが場の魅力や訪れる目的につながっていきます。企画をするときに、どこかの事例をもってきてコピー&ペーストするということではなく、目の前の課題から逃げずに、与条件を解けるまで、ずっと考え続けることが大切だと思っています。そうすることで場所や組織“ならでは”の特徴的なものがうまれてくると感じています。
平塚:北島さんはこれまでも企画立案したあと、事業の立ち上げにも多く関わってきたと思いますが、立ち上げの際に苦労したことなどを具体的に伺いたいです。
北島:新規事業を立ち上げるときのツラさは、“何も決まってなくて、ルールがないという大変さ”です。今、ホテル事業では8つの店舗があるため、新規店舗を作る際でも「これまでのホテルのこういう部屋パターン、仕上げ、家具」など、ある程度のスタンダードやテンプレートがある中で進めることができていますが、新規事業としての立ち上げ期はそのスタンダードやテンプレートを考えて作っていくこと自体の過程が大変でした。例えば、下足入れをドミトリーの中に入れるのか、外に置くのかで何週間も議論することもありました。何も決まらないツラさがありますが、その中でも腹を決めて進めていかなければいけないというところは、新しいことを立ち上げる醍醐味でもあると思います。あとは、まだ無いものを生み出していくときに周りへの伝え方や見せ方も難しかったです。今でこそ、施設などの実績があれば実例を用いて説明がしやすいですが、実績がない中で新しいものを作っていくときは、社内外問わず誰もが「これは何なのか?」と、まだ無いものに対して具体的にイメージができないのことは当然なため、その中で関係各所と合意形成をはかる難しさがありました。
平塚:ホテル事業を立ち上げるまではリビタでは地方案件は少なかったそうですが、地域密着で拠点をつくっていく場合、どのように地域でのネットワークを広げていくのですか?
北島:まず、SNSや雑誌などを見て、その地域のキーパーソンと接点を持ち、「一緒にやりませんか?」とジブンゴトとして捉えてもらうようにコミュニケーションを取ります。発注者として何か仕事を依頼するということではなく、あくまでも「仲間として一緒にやる」というスタンスで、一つのプロジェクトという船に一緒に乗ってもらうイメージですね。そこからさらに地域の人を紹介していただいて、会いに行き…という形でネットワークを広げていきます。
平塚:ホテル事業部の立ち上げから現在まで、第一線でご活躍されている北島さんですが、ホテル事業部での日々の具体的な業務内容を教えてください。
北島:私はホテル事業部の中で主には開発業務やブランディングを担当しています。具体的には、新規案件の企画推進やブランディング施策としてはPR施策の検討、各店舗の空間や備品、イベント等に対するアドバイス対応などです。もちろん、リーダーとしてチームメンバーの進捗管理をしつつ、このような業務を日々行っています。
平塚:最後に、今後のビジョンについて教えてください。
北島:昔は地元に戻ろうという思いでいたのですが、今は、東京にいてもよいなと思っています。東京にいることで、東京で知り合った人をイベントという形で地元に還元できることがあると感じますし、東京にいながらも地元金沢や地方の方から「一緒にプロジェクトをやろう!」と声をかけていただくこともあります。
また、仕事の面では自分自身と事業環境のフェーズが変わってきていると感じています。昔は一事業や一プロジェクトを遂行したいという気持ちが大きかったですが、現在はホテル事業も既存店が8店舗に増え、「一プロジェクトがどうあるか」よりも、「事業全体としてどう見せていくか・どううまくやるか」という俯瞰的な考え方にシフトしてきてます。全体の事業を軌道に乗せることなどに視野が広がっており、「ホテル事業の経営をする」ということへの興味や関心、やりがいを感じ始めています。あとは、若手社員の育成にも尽力したいと思っています。ホテル事業でご一緒した魅力的なクリエイターやアーティストの方々に触れられる環境をつくってあげたいと思っています。会社や組織のロジックだけではなく、クリエイティブ業界のトップで活躍している人々と接点をつくることで幅広い視野・思考を身に付けられると思うので、積極的に取り組んでいきたいです。
平塚:ありがとうございました!