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私の仕事人生に❝ものづくりの世界❞があって、本当によかった。

みなさん、こんばんは。

私は、「株式会社ピープルズ」という会社の執行役員及び経営企画部長であり、その子会社である「スーベニール株式会社」の取締役を務めています。
※私の自己紹介の記事はこちらをご覧ください。
⇒普通のOLだった私が、ある会社の社長になった、たった3つの理由。

私は入社してから10年程、雑貨ブランドの商品企画やバイヤーなど、商品に関わる仕事を行ってきました。ですので自然とものづくりに携わる方とお仕事する機会が多かったものの、最近はめっきり少なく寂しいなあと思っていたのですが、新しい事業関連の商談や催事など、大変お世話になっているメーカーさんや作家さん、職人さんとふとお話する機会があり、会社に13年もいると私を新入社員の頃から知ってくださってる方もいて、改めて「ああ、私は本当にたくさんの人に、社会人としても人としても育ててもらったなぁ」としみじみ感じまして。そういう時は、少し、年を重ねていっててよかったって思えるものですね。
観光地が大打撃!の今は、なかなか新しい商品づくりが出来ないのですが、私たちの会社と切っても切り離せない❝ものづくり❞に携わる企業や人々と、私たちのビジネスの繋がりについてお話したいと思います。

まず、13年前入社した伊と忠は、❝ものづくり❞の「存続」について、既に議論されている業界でした。伊と忠は草履の専門店ですからお草履の台やお花緒(鼻緒のことを、伊と忠では花緒と呼んでいます)をつくる職人もそうですが、例えばその素材となる染や縫い、織や竹細工、バッグの仕立てなど、それぞれの職人及びその職人を抱える会社の高齢化が顕著でした。
ここで私は、ものづくりとは、思いだけでは続けられないという現実を知ることになります。どんなに素晴らしい技術や、日本で唯一ここでしか作れないものであったとしても、アトツギがいなければ、もしくは、お金が生み出されなければ無くなっていく世界。
どんなに素晴らしいものだったとしても、それが商品であれ、芸術作品であれ、評価され売れなければ続けていくこともできない。特に小売業である限りは、時代に沿って変わっていくお客様が求めるものを作り続けることが、この技術を残していくことに繋がっていくんです。そういった現実を知り、そのために若い職人を育てたり、変化していく状況をたくさん見てきました。
また、企業やそういった状況からだけでなく、私の3~4倍も人生を過ごしている大先輩の言葉と佇まいから学んだのは、誰もが振り返って羨むような、素敵な草履やバッグを作っているという誇りや、こだわり。伊と忠ブランドだけでなく、おもてなし精神でお客様に寄り添ったものづくりへの執着。そして、洋服よりも着物が普段着だった華やかな時代の思い出と残していきたいという想い。
当時の私が、胸をはって伊と忠の商品をいいものだとお客様へ販売したり、一定の緊張感をもって商品企画することが出来たのは、こういった想いをもった職人さんのおかげだと思っています。

その後、入社3年目で雑貨の事業に移った後も、たくさんのものづくりメーカー、作家さんに出会いました。弊社では、布小物の加工以外にも、カトラリーやコスメ、アクセサリー、文具などアイテムも幅広いのと、オリジナルのものづくりからセレクトして販売することもあるので、有難いことに本当に色々の方とお話する機会を頂けたと思っています。

始めは、どちらかからのアプローチでスタートするのですが、今もお互い長続きしている関係性を振り返ると、お互いがお互いのことを向いているかどうかが大切なんだな、と感じています。

ものづくりの企業と人って、つくる、ということだけではなくて、その企業や人達の背景もいっぱい詰まってるんですよね。

だからお互いの想いが繋がらないと結局うまくいかないことが多い。
どちらかが、一緒にやりたい!と思っていても、相手がどっちでもよいとやっぱり先に進まないしいいものができない。不思議と値段も折り合わない。お互いの矢印が向いていなければ、完成までたどり着かずに途中で終わってしまうこともある。なんだか、恋愛に似てますね笑。
もちろん、利害関係あってこそですし、技術や感度なども必要ですが、ものづくりをする人と作ってもらう人同士が相思相愛であること、相思相愛というのは、お互いが好きということだけではなくて、お互いの信念や希望「こんなものが作りたい!」と「こんなものなら作れる!」の歩み寄りが、長続きする秘訣だと思っています。そうなると意見が食い違うこともあるし、お互いの想いが違うことも出てくる。だけど、一致した時にはすごくいいものが出来る。
社内のメンバーとはまた違う、でも良いことも悪いこともお互い一緒に背負う家族みたいな関係だと思っています。
作る❝もの❞とだけじゃなく、❝企業❞や❝人❞で繋がっているんだなぁと感じています。

私がはじめてのブランドを立ち上げたときに、誰よりも大きい胡蝶蘭を送ってくださった刺繍屋の社長。
いつか、スーベニールに関わるものづくりメーカーや人を集めて交流会をしましょうよ、と言ってくれた靴下屋の社長。
常務の誕生日のサプライズに、たった1つだけの組紐を組んでくれた組紐やさんと貼り箱の社長。
いつもクールなのに、会社のパーティーの出し物に、協力してくださるメーカーさんたち。
新入社員の入社を一緒に喜んでくれる人たち。
声を聞けば、結婚したんかと聞いてくる(これを世間ではセクハラというのでしょうか?いいえ、社交辞令です!)70歳ぐらいの営業さん。

ガイアの夜明けに会社が取り上げられた時や、役職がついた時、「児玉さんは、偉くなったからな~」と言っていただくけれど、「そんなことないですよ~」と言って誤魔化してますが、丁寧に想いを伝えるならば、
そういってもらえることは、みなさんと一緒に仕事ができたからで、成長したことの証で、本当にうれしくて、今の私は、ほんとにみなさんのおかげです。まだまだ成長できるように頑張りますから、ご指導お願いします。と思っています。

最後に。

ものづくりとは言っても千差万別で、業界によって考え方も捉え方も様々かとは思いますが、私が持っている印象は、「どこまでいってもアナログ」ということです。

アナログというと、所謂デジタルの対義語として、使われるので、新=デジタル、旧=アナログというイメージがありますが、ここでは、「正確さ・非連続」というデジタルに対し、「曖昧・連続」というアナログのイメージを指しています。
商品をつくる過程で、機械や専用のシステムを使用したとしても、必ずといっていいほど人の手を通過し(曖昧)、手を加えることによって形ができる(連続)、❝ものづくり❞という性質は、ほんとうにアナログという言葉がぴったりだなと思っています。

ビジネス上で、今の世の中が進んでいく方向は、アナログは少し逆境していくかもしれません。実際にもの手にしなくてもデータで代用できたり、実際のサービスを受けなくてもAIやデジタルの活用で、そのサービス自体必要なくなっていく時代ですから。

それを考えると、こうやって私たちのように、ものにこだわったりすることって、もしかしたら古いのかもしれないですね。
ビジネスチャンスは、幅広く世の中をみて、自分たちの手が伸ばせそうで届かないところに「今ありそうでない」ものが生み出せる可能性が広がってると思っています。
だからこそ、古いかもしれないけれど、人と触れ、ものと触れ、その場の空気に触れ、商品もよくなり、会社も育ってこれたことを考えると、なんとかこういったアナログと現代のものを組み合わせるような事業にしたいし、新旧入り交ざった温かいものにしたい。
ものづくりが永遠に日本に残るような何かを作り上げたいなぁと思ってしまうのです。

いつまでも、いいものづくりがしていられますように。

最近はコロナの影響もあって、お会いできていない方もたくさんいますが、また元気を頂きにお会いしたいなぁと思います。

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