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代表インタビューvol.1! 群馬出身の代表矢野が、パンを通じて地方に仕事を作ることにこだわる訳とは。

パンフォーユー代表取締役 矢野健太

新卒で電通入社。交通・屋外媒体のメディアバイイングと企画立案を担当。その後、教育系ベンチャー、地域系NPOを経験。2017年1月にパンフォーユー設立。平成元年浅草生まれ群馬育ち。京都大学経済学部卒業。好きなパンはバゲット。

代表インタビュー vol.1 !

”冷凍×IT×サブスク”で、地域のパン屋さんと消費者をつなぐプラットフォームを構築する会社、パンフォーユー。その代表である矢野に、創業時の思いや、会社経営に当たって日頃考えていることをインタビューしました。



ーまず、矢野さんの社会人人生の始まりについて教えてください。

学生で就職活動を始めた当初は、テレビ局を志望していました。テレビ番組を作って、世の中の人の記憶に残ったり、話題になるようなことをしたかったからです。根底にあったのは、自分のアイディアを世の中に出したい、という思いでした。しかし、テレビ局からは内定をもらえず、その夢はあえなく断念。その他受けていた何社かから、内定をいただいた電通に入社しました。

ーその頃から、いつかは起業したい、という思いはあったのでしょうか?

当時は特に起業は考えていませんでした。実は、家族や親戚が皆社長をしているような経営者家系で、大変な面も知っていたからです。

また、国連やNPOの方が興味があり、いつかはそちらに、と公言していました。上手く言えませんが、幼少期からなぜか正義感が強く、世の中の為になる仕事をしたいと思っていたのです。世の中に貢献するためには様々な選択肢がありますが、特に自分は、良い教育を提供することに関心がありました。

ーその夢を実現させて、NPOを経験されていますね。

電通退職後、教育系ベンチャーを経て、地元群馬の桐生NPOにUターン転職しました。NPOでは、複数の新規事業の立ち上げを経験し、その楽しさを実感しました。その一方で、憧れていたNPOの世界には運よく入れましたが、やはりビジネスの世界に戻りたいと思うようになり、起業のタネを探すようになりました。

ーそこには、どのような心境の変化があったのでしょうか?

理由は主に2つあります。

一つは、自分がずっとこのままNPOにいるより、バリバリ仕事ができるうちは、事業やビジネスを通じて仕事をした方が、地元に貢献できるのではないかと考えたからです。長期的な目線で考えると、企業活動を通じて経済的な循環を作る方が、地方での本質的な効果があるのではないか、と思いました。

もう一つは、NPOでの新規事業立ち上げの経験から自分のアイデアやゼロからイチを作ることによって、これまで何かに困っていた人が喜び始める、というのは嬉しいな、と感じたからです。これはテレビ局を志望していた頃の思いと、通じるところです。また、電通を同じタイミングで辞めた同期から聞いた、IPO経験といったダイナミックなベンチャー企業の話にも、刺激されたように思います。



ーその中で、パンを切り口に事業を始めたのですね。

もともと外食好きだったものの「美味しいパン」には出会った記憶がなかったのですが、NPOの仕事を通じて出会った、ある冷凍パンメーカーさんのパンを食べたときに「こんなに美味しいパンがあるのか」と初めて思いました。

このパンを世に広めたい、と思い、メーカーとは違った形で広める方法を考えることにしました。いろいろなパン屋さんのパンを食べて調べていくうちに、ニーズはあるものの、地方のパン屋さんのパンがうまく広まっていないことや、それと同時にそのパンを広める手段があるということに気がつきました。

ー他にも食の切り口はあるかと思いますが、なぜパンだったのでしょうか?

パンであったのは必然だったと思います。当時野菜やお米で作って販売するプロジェクトを手伝っていたのですが、そちらと比較しても、世の中で需給のギャップがあるのはパンだな、と思いました。

ーそうして、パンと冷凍技術を組み合わせることで、冷凍パン活用ビジネスをスタートしたのですね。

2017年に「オフィス・パンスク」の前に、パンのオーダーメイドサービスを展開していましたが、あまりうまくいかず、ピボットしました。当時は、ぼんやりとこんなニーズがあるだろうなと思い、プロダクトアウトしたのですが、なかなか手ごたえを得ることができなかったです。

その後次の事業を考える時には、とにかく「顧客」にとって「緊急度の高いニーズとは何なのか?」を考えました。模索を重ねるうちに、オフィスの冷凍庫はあまり使われていないことに気がつき、渋谷にオフィスがあるIT企業さんに協力していただいて、今の「オフィス・パンスク」の販売を始めました。当時は自分で保冷バッグを抱えて、冷凍パンを納品しに行っていたのですが、2回目くらいから、社員さんが興味を持って集まってくるようになったのです。渋谷には周辺にたくさんお店もあるのに、冷凍パンを喜んでくれるんだな、とそこで実感しました。同時に、冷凍庫がいっぱいなのでレンタルしたい、という声もあがりました。それをヒントに、保守などをパンフォーユーが行う代わりに運用費をいただく、という現在のビジネスモデルが出来上がりました。

ーその後、2020年2月には、ついに個人向け事業「パンスク」も立ち上げ、となりますね。

2C事業に関しては、創業時にオーダーメイドのサービスで失敗した際に、当時は世の中から求められていないと思い、一度離れることにしました。しかし、オフィス・パンスク事業を進めていくうちに、メディアで取り上げていただくと、個人でも買いたいとの反響があり、求められていることに気がつきました。

また、かねてから個人向けの事業は、いいブランドを作るためにはこだわりの強い職人的気質の人が作るべきではないか、と考えていました。そういう人といい事業を作りたい、と思っているところに、ぴったりの人材であり、パン好きエンジニアが現れたので、実現に至りました。

実際に、前回失敗した際は、大雑把なビジネスマンである自分が主導でしたが、今はこだわりのある人がブランドの旗を振ることで、全然違う世界観ができているな、と思っています。



ーそうして、オフィス向け、個人向け、と事業を展開し、現在ではOEM事業も始まりましたが、全ての事業に共通するのは、企業ミッションである「魅力ある仕事を地方に」という考えです。改めて、この考えに至った経緯をお聞かせください。

前述の通り、国連やNPOを通じて、良い教育を提供することで世の中に貢献することに興味がありました。しかし、良い教育を受けられるかどうかは、親の収入面などに影響されてしまいます。なので、その問題を根本から救うために、安定的な収入を得られる仕事を作る必要がある、という考えに至りました。同時に、その方法がNPOを通じてではなく、企業として仕事を提供する方が、長期的に貢献できるとも考えました。

そういった考えから、企業ミッションを「魅力ある仕事を地方に」としました。今は「パン屋さん」という切り口で、地方の人が喜ぶビジネスになることを目指して、企業活動をしています。


ありがとうございました。今回は、これまでの経緯や、ビジネスの立ち上げにあたっての思い、など、代表矢野の過去の素顔に迫りました。vol.2では、組織づくりにおける哲学や、メンバーに対する思いなどをインタビューします。
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