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【学生CEOにインタビューした】世にも珍しい「寺社ビジネス」を立ち上げた理由とは?

こんにちは! 株式会社osechiでインターンをしているぽちょと申します。

人々の拠り所を創出する」というビジョンを掲げ、寺社の体験予約サイトや寺社に関するメディアを作っているosechiですが、実はまだ創業2年目のスタートアップ。しかも、経営陣は全員学生なのです! 

そんな学生ベンチャーの内実を知っていただきたく、今回から3週にわたって経営陣にインタビューを行うことにしました!

第1弾となる今回は、CEOの藤岡に学生起業家になったきっかけや、寺社ビジネスの可能性などを聞いてきました!

ビジネスで成功と失敗の経験を積んだ大学時代

――まずは簡単な自己紹介をお願いします!

株式会社osechiのCEOをしている藤岡と申します。

私は小中高と12年間サッカーをしていて、大学もサッカーの推薦で入りました。しかし、私が入った年にサッカー部を担当していた先生が居なくなってしまったため、大学ではサッカーはすることなく、サークルを複数立ち上げて過ごしました。

――勢いがすごいですね(笑)。サークルの立ち上げからどういう経緯があって、ビジネスに向かったのでしょうか?

ビジネスを初めて起こしたのは大学1年生の1月頃ですね。当時、スノーボードが流行っていたので、頑張って用具一式を揃えたんですよ。でも、そうするとお金なくてボード自体に一回しか行けない状態になってました(笑)。

どうにかして行く方法を考えて浮かんだ発想が、ツアー企画でした。それで、人を集めて、バスやホテルなどの手配をして、鳥取のスキー場に行ったら、利益が5万円くらい出たんです。無料どころか、お金を貰ってスノボに行けることに感動して、「これは、バイトでチマチマ稼いでいる場合じゃない!」と思い、ツアー企画をするようになりました。

でも、雪が解けるとスノボできなくなるので、今度は自身で作ったフットサルサークルを起点に、関西圏でフットサルのリーグを始めました。それも上手くいって、1年で500万円の売上を出すことに成功しました。

その勢いで全国展開をすることにしたのですが、そっちは上手くいかず、借金を抱えることになりました。その後、しばらくは訪問販売を請け負って、借金を返済しました。

母子家庭で育ち、「拠り所」の必要性に気付く

――自分の趣味でお金を稼いでいたところから、人々の拠り所を創る事業に至った背景はなんですか?

私は4歳頃から母子家庭で育ちました。それで、母親が一人で奮闘している姿をずっと見てきたんです。近くの知り合いや親戚に助けを乞うことって意外に難しくて、他人の目もあるし、子どもに何か悪影響があったらどうしようとか思うんです。特に、私の母親は人に頼るのが苦手な人でして……。

実は日本の世帯全体のうち約1.4%(71.2万世帯)が母子世帯なんです。さらに、ひとり親世帯の貧困層が約50.8%。単純計算で約36万世帯がシングルマザーの貧困層なのです(※参照:平成28年 『国民生活基礎調査』)。

こういった背景がありまして、母親のように孤独に苦しむ人達が減らしたい、不安なく自然と助け合える社会を作りたいなとぼんやり思っていました。

――母子家庭の問題だけでなく、高齢者の孤独死もありますし、孤独は解決していかなくてはならない問題ですね。

そうですね、特に「選択できない孤独」をなくしたいと思っています。それぞれの人々が選択肢を充分に持って、それを自由に選べる社会を作りたい。そうすることで、誰もがどんな人でも受け入れて話をするような、いじめや差別のない社会が作れるとも思っています。

寺社が持っている4つの可能性

――人々の拠り所を作るために、寺社を選んだ理由はなんでしょう?

最初はスペースマーケットのような場所を繋ぐサービスを準備していました。それであるとき、吹田のお寺に営業したんです。そのお寺がすごくて、ほぼ毎日お坊さんが地域の人々の人生相談にのっていて、お寺を中心に地域が盛り上がっている状態でした。それを見たときに、「他人の目など気にせずに頼れる存在が、お寺や神社に居るじゃないか!」と思ったんです。

――確かに、お寺や神社は地域の要というイメージはあります。では、寺社にはどのような可能性があるのでしょうか?

寺社の可能性は大きく4つあります。「規模」「人」「歴史的背景」「ストーリー」です。

規模:寺社は全国に約16,2000ヶ所もあります。これはコンビニエンスストアの3倍近く(※)あって、日本全国に拠り所を創るには充分な数だと考えています。

※2016年12月版日本フランチャイズチェーン協会発行の『コンビニエンスストア統計調査月報』によると54,501店。

:各寺社には宮司と住職がいます。基本的には、お寺も神社もあらゆる人々に対して開かれた場所ですので、何か相談したいことなどがあれば、彼らは親身になって聞いてくれます。

歴史的背景:「駆け込み寺」や「寺子屋」、神社での各種祭祀に見られるよう、 寺社は人々が集まり、心を安らげる場所として機能していました。もちろん、現在においてもその機能は健在なのですが、昔ほどではなくなってきています。しっかりとした形で現在に復活させることで、インフラ化できると考えています。

ストーリー:これはお坊さんからよく聞く話ですが、寺社は場としての力がすごいんです。ある住職がお寺で意見交換会を開催したとき、非健常者がいらっしゃいました。案の定、非健常者の方は上手く喋ることができず、会話の流れを止めたりもしたりするんですが、その場にいる人みんなが全く嫌がることなく、親身になって話を聞いてくれるんですよね。寺社には、自然と人々を受け入れる雰囲気が醸成されるんです。

こういった理由から、地域社会の中で「人々の拠り所」を創ることは、寺社でしか実現できないと思っています。

ビジネスと宗教は合わない?

――ふとした疑問なのですが、宗教とビジネスってかみ合うものなのでしょうか?

宗教とビジネスが合わない部分はもちろんあります。しかし、寺社と弊社の間で「地域コミュニティで人と人とをつなげる」という目的は一致しているんですよね。

お互い目指しているものが同じであれば、ビジネスは成り立つと思いますし、そもそもビジネス・宗教というジャンルの前に人と人なんですよね。単純な利害関係だけではなく、自分たちの理念や想いをしっかり伝えて信頼関係も築いていくことで、協力し合えると思っています。

――なるほど! でも、現実問題として、営業活動とか事業企画とか難しそうですね……。

イメージ通りお堅い業界です(笑)。これまで、あまり開拓されてませんので、色々試して試しまくりました(笑)。

――どんなことをされたんですか?

直接営業すると、なかなかお話を聞いていただけないので、まずは寺社関係者以外で繋がっている人たちにアプローチしようとしました。それで検証した結果、意外と保険会社の人達と繋がりがあったことが判明し、その人たちに紹介していただくようになりました。

でも、一番大事なのは相手の立場に立って、表面上の利害関係じゃない信頼関係を築くことですね。それこそ、雑巾がけや落ち葉拾いといった奉仕活動を行ったりしました。

――地道な活動を続けてきたんですね……。ちなみ、osechiのサービスを利用すると、寺社にはどんなメリットがあるのでしょうか?

実は寺社業界には「後継者問題」と「収益」という2つの大きな課題があるんですよね。

後継者問題はイメージしやすいでしょう。お坊さん・神職の数は寺社の数より多いんですけど(※)、大きな寺社は複数のお坊さん・神職の方が入らないと運営ができませんので、寺社の数に対し、お坊さん・神職の方の数が合っていないんですよね。すると、どんどん廃寺・廃神社がでてきてしまいますので、そうしないために、1人で複数の寺社を管理している人もいたりします。

平成28年度版『宗教年鑑』によると、仏教の教師資格を持つ者は344,005人、神道は79,352人。お寺の数は77,232寺、神社は84,909社。しかし、資格を持つ者が必ずしも住職・宮司(寺社の代表)になるわけではない。

収益に関しては、少し身近ではないかもしれませんが、寺社の主な収益源は檀家さんによるお布施なんですよ。でも、現在檀家さんはどんどん高齢化しており、当然お亡くなりになられます。すると、必然的に収益が減っていっていくので、仕事として成り立たなくなっているんです。中には、本業で生計を立てながら、副業で神主・住職をされている方もいらっしゃいます。

kadunoko」では、寺社に収益が入るシステムを導入することで、お坊さん・神職を本業として生計を立てられるような状態を作ろうとしております。その結果、寺社にも活力が戻りますし、色んな方が寺社に目を向けるようになれば、後継者の問題も解決するのではと考えております。

全国に21000ヶ所の「拠り所」を創る

――事業としての目標はどのように考えていますか?

現状、関西の寺社の契約数が70を超えている状態です。直近の目標としては、年内で1,000万円に売り上げを伸ばし、kadunokoを寺社のマーケティングツールとして使ってもらえるようにします。

中長期的には6年以内に、全国21,000ヶ所の寺社にkadunokoのシステムを使ってもらおうと考えています。21,000という数値は、小学校の地域の区分数と同じ数値です。

多くの小学校は自転車・徒歩で通える距離にあるので、日本国民が通える距離に「拠り所」をおおよそ作れるかなと考えています。もちろん、全て完璧に網羅できるわけではないので、もっともっと増やしていきますが!

カサカサなスポンジボブな人、Wanted!

――osechiはどんな人求めていますか?

超素直で、他人の意見を受け入れる人。カサカサなスポンジボブのような人がいいですね(笑)。あと、当たり前ですが、時間を守れる人。これさえあれば問題ありません。

――最後にここまで読んでくださった方にメッセージを!

未来から逆算して生きた方がいいとよく言われますが、僕は不確定な未来を考えるより、今を全力で生きれば未来も明るくなると考えています。

もちろん、今に全力になっているだけでは、道も開けません。大事なのは、今を生きる上での目標を意識することです。僕は高校1年の冬にレギュラーになることを目標にして、120人の中で3年生の時にレギュラーになりました。

目標の設定も上手にしましょう。目標が低すぎる人は奢って、成長が止まります。逆に高すぎると何も分からず、前に進めません。

目標をきちんと設定して、今を生きてみてください!

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現在osechiでは、寺社メディア「DATEMAKI」の編集者と、寺社体験予約サイト「kadunoko」のグロースハッカーを募集しています! 

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