こんにちは!株式会社ワンピースの広報担当の大内です。
今回は、当社の20周年記念イベントでファッションショーを担当したメンバーたっきーさん(瀧井祐子)のインタビューをご紹介します。
まずはメンバー紹介
◆名前: 瀧井祐子
◆あだ名:たっきー
◆役割:ブランド『vieo』ディレクター/スタイリスト
◆入社時期:2016年6月(最初は時給制スタッフとして入社)
“ただの企画”じゃなく、“誰かとつくる場”にしたかった
Q. ファッションショーの企画、どんなきっかけで始まったんですか?
もともと、20周年記念イベントを開催しようというのはワンピース会で決まっていたんです。
ファッションショーもやろう、というのは20周年記念イベントプロジェクトのメンバーが計画してくれていました。そんな中で、どんな感じだったらもっと面白そうかな?というブレストの時間をプロジェクトメンバーとする機会があって、「せっかくなら、お客様と一緒に楽しめるようなファッションショーができたら素敵だよね」って話になったんです。
私自身、以前に障がいのある方が出演するファッションショーに関わったことがあって、そのときに心から感動したんです。
「見せる場」ではなく、「つくる場」。
誰かと一緒につくることで、空気が変わっていく感覚をもう一度味わいたくて、今回のショーに関わることを決めました。
初めての挑戦、不安の中でも「やってみたい」が残った
Q. 実際に企画を進めていく中で、大変だったことは?
全社を巻き込む企画は初めてで、どう動けばいいのか、どう調整すればいいのか、正直不安も多かったです。
でも、これまでの経験から「こうしたらお客様が安心できるかも」ということは自然と浮かんできました。
例えば、ウォーキングの順番を書いた紙や、着替えの時に便利なテープ、ちょっとした声かけなど。細かな配慮の積み重ねが、きっと安心感につながると思って準備しました。
ただ、ブランドごとの調整は本当に大変でした。伝達漏れや変更点の共有など、複数チーム間の情報整理が大きな課題でしたね。
それでも、自分が集中して担当する部分が明確ではあったので、そういった意味ではやりやすかったです。
この過程でも、一つのことを連携して作り上げていく、ということを肌で感じることができたし、総監督って大変だ、と思いながら、自分の任された部分をしっかり全うしよう!と気持ちを引き締めた部分でもありました。
タイトなスケジュールの中、何度も組み直した構成
Q. ファッションショーの構成にも苦労があったそうですね。
はい。企画に正式に加わったのが1月末で、イベントまでは2ヶ月ちょっと。
そのタイミングからお客様モデルの募集や、全体構成を検討しました。
ファッションショーの時間が全体プログラムからある程度決まっていたので、ショーで使う型数は早々に決まったものの、構成については何度も検討、組み直しました。
ショーをブランドごとにまとめるのか、ごちゃまぜにするのか。
限られた型数やモデル人数の中でどう演出するか。頭の中で立体的に構成を組むのがとても難しく・・・。
最後は「タームごとにブランドが混ざる構成」に決めて、雰囲気にも緩急をつけることで、楽しんでもらえる工夫をしました。
スケジュールはかなりタイトでしたが、時間がないからこそ、深く考えざるを得なかったというのもあるかもしれません。
昨日決めたことが、今日には変わってる、なんてこともたくさんありました。
ショーの音楽は別メンバーが担当で、音楽に合わせて実際に歩数やキューのタイミングが確認できたのは開催の2週間前でした。
モデルの兼ね合いで、本番の前々日と朝に、初めてのリハーサルです。
きっかけは、仲間の“熱”だった
Q. ブランドのディレクターを担っている忙しい中で、このプロジェクトを引き受けた理由は?
最初は「厳しいかも」と思っていたんです。
私がディレクターをしているブランドVieoは少人数で、リソースに余裕はなかったので…。
でも、20周年に向けて動く仲間の姿を見ていたら、「この熱に自分も関わりたい」と思えてきて。できる範囲で関わればいいと考え直し、参加を決めました。Vieoのメンバーの1名がプロジェクトメンバーだったので話しを良く聞いていたのも背中を押してくれましたね。
誰かが一生懸命な姿って、やっぱり心が動きますね。
ファッションショー全体には私がジョインしましたが、なんだかんだと、20周年記念イベントの運営側に、いい感じに巻き込まれていったメンバーが複数名いました。プロジェクトメンバーは5名でしたが、結果としてはかなりの人数が携わっていましたね。プロジェクトメンバーがいい感じで巻き込んでくれて、みんなで創る20周年記念イベントになっていったと思います。
お客様が歩いたランウェイに、私自身が励まされた
Q. 実際に担当してみて、どんなことが印象に残っていますか?
本番、お客様がランウェイを歩く姿を見たとき、泣きそうになりました。
ランウェイに出るまでの裏舞台は本当にカオスで、ステージに聞こえるから声も出せないし、わちゃわちゃだったんです。
一歩、ランウェイにでたら別世界。普段は“普通の人”として日常を過ごしている方が、堂々と誇らしげに、心から自分を楽しんでいて。とても素敵でした。
「服が人の背中を押す」って、こういうことなんだなって思いました。
また、今回は当社がSDGs活動として取り組んでいる『服の交換会』からのリユース服もコーディネートも担当したのですが、どんな服があるかわからないところからのコーディネートは新しいチャレンジで、個人的にはとても楽しかったです。リユース服の新しい楽しみ方を少しでも受け取っていただけてたら良いな、と感じています。
ちなみに、今回のファッションショーで唯一のメンズ服は、この服の交換会のリユース服からのコーディネートで、当社の副社長が着用しました!
会場に流れていたのは、“服”以上のつながり
Q. 会場の雰囲気はどうでしたか?
とても温かくて、自然と人と人がつながっていくような空間でした。
知らない者同士だったはずのお客様が、すぐに打ち解けて笑い合っていて。
「ファッションショー」だったのに、思い出として残っているのは“誰かと過ごした時間”だった。
それが本当に嬉しかったです。
「もっと直接つながりたい」という気持ちが生まれた
Q. この経験を通して、自分の中にどんな変化がありましたか?
お客様ともっと直接つながっていきたい。
オンライン販売では、お客様の“顔”が見えづらいことが多いので…。
でも、今回みたいに直接顔を見て、「この服が好き」と言ってもらえるだけで、全然違うんです。
「ああ、やってきてよかったな」って、心から思えました。
届け方を変えることで、“好き”をもっと伝えられる気がした
Q. 今後、やってみたいことはありますか?
少人数でもいいので、お客様と近い距離で関われる体験をつくりたいです。
例えば、スタイリングの個別相談や、1対1のコーディネート企画など。
ただ商品を届けるだけじゃなくて、「この服を選んでくれてありがとう」と伝えられるようなやりとりがしたい。
それができたら、もっと誇りを持って働ける気がします。
モノづくりの現場に、自分の想いを持ち込みたい
Q. ブランドや服づくりへの向き合い方に変化はありましたか?
はい。今は海外のセレクト商品が中心ですが、これからは少しずつ、自分たちで企画・制作していきたいと思っています。生地市場に足を運んだり、デザイナーさんと相談したり、準備を進めているところです。
お客様に「こういうの欲しかった」と言ってもらえる一着を届けたい。
それが今の目標です。
誰かの笑顔の先に、自分自身の変化があった
Q. 最後に、この経験から得た学びを教えてください。
一番大きかったのは、「誰かのために動いた先に、自分自身も変わっていく」ということですね。
頑張ってよかった、楽しかった、またやってみたい。
そんな気持ちが、自分の中に自然と芽生えていたことに気づきました。
そしてもうひとつ。
「この服でいい」じゃなくて、「この服がいい」と思ってもらえるブランドにしていきたい。
それが、私の素直な気持ちです。
小さな実感が、次の自分をつくっていく
イベント終了後、彼女がふとこぼした一言が印象的でした。
「あのとき、ちょっと無理してでもやってよかったなって思います」
小さな挑戦と、小さな実感が、働く理由になっていく。
「働くこと」にどんな意味を見出すかは、きっと人それぞれ。
だけど、その答えは、日々の選択と行動のなかにある気がしています。