2019年夏のTVCPの振り返り　その②

なんか前回色々と結果の考察をしようと思っていたら業界構造の話みたいな形で逸れてしまったので今回はちゃんと結果に関して振り返ろうと思います。まぁあんまりプロモーションのデータとか公開するところないと思うので参考までに。

各エリアの効果（北海道で爆発的効果）
購入転換率の向上効果
TVCMの効果テストとして
TVCM実施の際のテスト手法
CMを終えての感想

各エリアの効果（北海道で爆発的効果）

まぁそんなことはいいので本題に入りましょう。前回のnoteで触れたように我々のプロダクトは自分たちで配送もやっているため、初回の購入をエリア別に追うのはカンタンでTVCMの効果測定がかなり容易にできるであろうという仮説を持っていました。また、北海道や沖縄のような送料がエクストラでかかることの多いエリアには「送料無料」の訴求が刺さるのではないかという仮説も持っていました。実際どうだったんでしょうか？

下記は北海道エリアへの配送数の日別推移です。

CMの期間は2019/7/19-2019/8/02です。開始前から比較すると爆増しているのが分かります。CM期間中の北海道への配送はCM実施前と比較して実に734％アップしました。大きくはねているところはノインの社長の渡部が北海道のテレビ番組に出演したタイミングも重なっています。

続いて沖縄

沖縄は北海道ほど振るわず約300％アップ。

意外と良かったのが新潟です。ちなみに新潟は割と人口比で若者が多いということが分かっていたため実施してみました。もともとの新潟への配送自体がそこまで多くなかったこともあり、参考程度ですが986％アップでした。サンプル数の問題でちょっと数字は怪しいけどCM影響で増えたのは確実。

といったように各エリアみてみると明らかにCM機関の7/19-8/2の期間で大きく増えているのが見て取れます。ざっと平均するとCM放送期間中はCM放送エリアへの配送量は5-6倍程度になりました。配送死んじゃうかと思いました。

↑は期間中の配送のごくごく一部（写りきってない）。これを一日何回もまわしてましたが全然追いつかなかったです。

私達がいまKPIとして設定しているのは初回の購入転換なので何人が買ったのかというものと、CMの放送にいくらかかったかというものの割り算だけでCPAが出せます。CPAは通常の他媒体への出稿の場合とほとんど変わりませんでした。当初私が想定していたよりもかなり良かったです。実は初回は今回の2倍から3倍くらいのCPAを想定していました。予定よりうまくいきました。

購入転換率の向上効果

また面白かったのがTVCMによって購入転換率は引き上がるのか？というテーマの検証も今回行えたことです。

これはダウンロードに対する購入者数の比率を示したものです。明らかにCM開始の7/19のタイミングからCMエリアでの購入転換率が上がっています。購入意欲をもってダウンロードしてくれていることが分かります。一方でCMエリア外は大きな変化はありません。（7/29あたりでCM外の部分がはねているのはYoutuberの施策が同期間で走ったためと分析しています）

TVCMの効果テストとして

今回のTVCMの我々の中での位置づけは「TVCMがNOINというプロダクトにおいて有用な手段であるかどうかのテスト」でした。「テスト」という観点でいくと成功です。CMは当初の仮説通り有効で、費用対効果は通常の出稿同等かそれ以上でした。

CMの副次効果としてCM実施に関するプレスリリースを出したところ、東京でもCMをやっていると思った人が相当数いました。我々は今回東京では流してないです。

TVCM実施の際のテスト手法

ちなみにTVCMのテストで東京エリア（東京キー局）にCMを流すかどうかというのはプロダクト依存ですが、アプリプロダクトの場合は基本的にはキー局に流してテストすべきだと私は思います。我々はアプリプロダクトではありますが、KPIがダウンロードではなく初回の購入転換だったため東京で流さずにテストができるという判断をしました。

これはカンタンなことですが、あまり理解していない人が多い気がするので改めて説明しようかと思います。（ちょっと今回書くの疲れてしまいました）

ちょこっとだけ触れておくと、TVCMは魔法でもなんでもなく、ただのプロモーション手段の一つにすぎず奇跡的な効果が出ることはありえません。そのため、効果検証を行うためには見込まれる想定のCPIやCPAからエリア選定をすべきということです。