テレビや雑誌、ウェブメディアなどで多数紹介されているモノオク。物置き×シェアリングエコノミーという奇想天外なサービスが生まれた背景や同社が目指す世界観を代表の阿部氏に聞いてみました!
『インタビュアー佐藤の経歴』
リクルートグループ人材総合会社スタッフサービスに新卒入社。4年間で700名以上の求職者をマッチング。
その後、シニアル株式会社でスタートアップ初期の立ち上げに参画。
現在、採用マーケティング支援及び同領域サービスを開発中。
以下、S
〜メルカリに自宅の押入れを出品。モノオクが生まれた背景〜
S:本日はよろしくお願いします!まずはサービス概要について教えてください。
阿部氏:よろしくお願いします!私たちは、物置きシェアサービス「モノオク」を運営しています。ターゲットユーザーは、荷物の置き場所に困っている方々です。
趣味のコレクション集めで家が手狭になってしまったり、家のリフォームで荷物を一時避難させないといけない方など、対象ユーザーは幅広いです。
S:トランクルームを利用する人もいますよね。
阿部氏:もちろんいます。ただ先ほど述べたような荷物を預けたい人にとって、既存のトランクルームは不便な部分や費用感が見合わない場合が多々あります。
そこで、使っていないお部屋などの余ったスペースを持っている方と繋げるサービスが「モノオク」です。今話題のシェアリングエコノミーサービスの分野です。
S:ありがとうございます。なぜこのサービスを始めようと思ったんですか?
阿部氏:当時、自分の自宅を貸し出して、民泊をしていました。
その時に、シェアスペースということで知り合いの方から家電を置かせて欲しいと連絡をもらいそのまま荷物を預かることがあり、「あ、物を気軽に置けるスペースって少ないんだな」と感じたのが起業のきっかけです。
S:原体験をもとに起業されたんですね。
阿部氏:そこから事業の仮説検証をしてみた結果、すごい需要があるなと。
例えば、ジモティやメルカリで自分の押し入れを出品してみたんです。
S:自宅の空きスペースを売りに出す…ということでしょうか?
阿部氏:そうです。その出品に対して、かなりの申込みがありまして。
非常に需要があると思い、このサービスで起業しようと思い立ちました。
S:モノオクのメインユーザー層はどういった方なのでしょうか?
阿部氏:シーズンによって偏りもあるのですが、引っ越しで退去のタイミングが合わない方や、留学・海外赴任の方が多いです。また、トランクルームに趣味のコレクションを預けていた方や、家のリフォームで荷物を預けたい方からもよく利用されています。
S:では、物置き場所を提供される方はどういった方が多いのでしょうか?
阿部氏:年齢層に特に偏りはありません。一戸建てを買ったけど、子どもがまだ小さくて部屋を余らせている方や、逆に子どもが出て行ったから部屋を余らせている方からの提供が多いです。
〜トランクルームの不に向き合う、次世代の収納サービス〜
S:子ども部屋の空きスペースを有効活用している方が多いということですね。登録者の推移はいかがですか?
阿部氏:まず、サービスが本格的にリリースしたのは1年前です。2018年の4月に始めた時点から比べると、ユーザー数は約6倍で、スペース数は約5倍になっています。
S:まだローンチして1年ですよね。どのように利用者数を伸ばしていったのでしょうか?
阿部氏:基本的にはPRですね。プレスリリースを行い、そこからメディア流入・記事・広告で数字を伸ばすことができました。C向けのサービスということもあり、どのような方でも使える、始めれるというところを強く押したのがメディアの方によく取り上げていただけた理由かなと思っています。
S:ありがとうございます。次に「モノオク」にユーザーが集まった理由を教えてください。
阿部氏:既存の収納サービスであるトランクルームは課題が多いんです。料金が高くて、空きもなかなかなくて。しかも不動産サービスの延長なので、手続きが非常に面倒臭いんですよ。
まず「料金が高い」部分に関しては、1畳あたり1万5,000円ぐらいかかります。さらに敷金礼金などの初期費用が上乗せされます。
S:敷金礼金などもあるんですね…!
阿部氏:そこの不透明さが業界の課題だと考えています。
モノオクの月額利用料はトランクルームの半額ほど。初期費用も0円なので安く抑えられます。また、モノオクは1ヶ月から借りることができます。ここもユーザーからすると魅力的なポイントです。既存の収納サービスを使った場合、1カ月預けるだけでも4倍〜5倍かかってしまうので。
S:なんと…そこがモノオクの利用が増えている理由の1つかもしれないですね。
阿部氏:「空きがほとんど無い」という現状も非常に問題視しています。そもそもトランクルームは、供給の数が圧倒的に足りていません。不動産サービスなので、建設に時間がかかりポンポン作れない。さらに、自分が預けたいスペースによって不釣り合いが生じる場合もあります。
S:確かに・・・
阿部氏:例えば、4畳で充分なのに8畳のスペースしか空いていなかったり。
モノオクは自分の最寄り駅や条件に合った広さで契約できるので、適切に預けることができます。またWebサービスなので余計な手続きは一切不要で、全てWebで完結できることも強みかと。
S:ありがとうございます。モノオクの強みが非常に分かりました。競合サービスはあるのでしょうか?
阿部氏:真っ向からぶつかっている競合は無いです。全く同じようなサービスは他に無く。
強いて挙げるなら段ボール箱で預けられるサービスが考えられますが、段ボール1箱までの大きさしか預けることができません。大きなものを安く預けるサービスは、今はモノオクだけですね。
S:私も調べましたが、他にないですよね。これから競合が追随してきたとしても、1年でここまでのユーザー数を獲得したモノオクはかなりアドバンテージになりますね。
〜シェアリングエコノミーの行き着く先。モノオクが実現したい世界〜
S:最後の質問です。これからモノオクが目指す未来について教えてください。
阿部氏:私たちは、ビジョンとして「誰でも社会的交わりを持てる世界をつくる」を掲げています。
シェアリングエコノミーの本質を突き詰めると、「コミュニケーション」に落ち着きます。物置きスペースという、誰でも持っていて気軽に提供できるシェアリングエコノミーサービスを通して、老若男女関係なく誰しもが収入を得ることができ、且つ、社会的繋がりを持てるような世界を作っていきます。
また、そのビジョンを実現するために「最も手頃で魅力的な、誰でも使える物置をつくる」というものをミッションにしています。そして、日本最大の分散型保管場所を作っていきたいと思っています。
S:シェアリングエコノミーの醍醐味ですね。ありがとうございました!
以上、モノオク株式会社代表阿部氏のインタビューでした。