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マネーフォワードの中の人を知ってもらうため、様々な事業のキーパーソンにインタビューをするこの企画。今回は、toB事業の「マネーフォワード クラウド請求書」の開発チームにインタビューしてきました。
■語り手
秋山 智恵(写真左):2015年4月入社。「マネーフォワード クラウド請求書」のプロダクトマネージャー。
濱田 陽(写真右):2016年12月入社。「マネーフォワード クラウド請求書」の開発リーダー
■インタビュアー:大崎淳(人事本部)
■カメラマン:武藤篤司(社長室)
プロジェクト名はバンドの曲名から。
大崎:なんだかんだプロダクトとしては会社で3番目に古いですよね?
濱田:そうなんですよ。あんまり知られていないですが。
秋山:そうなんです。なのに、結構ひっそりとしたメンバーでお届けしております。(笑)
大崎:そんなひっそり(笑)とした中での変化ってどういったものがありました?
濱田:最近の大きな変化は、チームの開発人数が増えたことで、より安定した開発ができるようになったことですね。
大崎:なるほど。人数も増えたことによってチームはどんな雰囲気になりました?やっぱり「アルミナプロジェクト」(以下「アルミナPrj」)の話は、チームの雰囲気を伝える上でわかりやすいと思うんですが。
秋山:この名前は私の趣味です。(笑)
※アルミナプロジェクト:秋山さんが好きなバンドの曲名からとった、「マネーフォワード クラウド 請求書」の機能改善のプロジェクト。
大崎:当たり前のように、「アルミナの進捗は~」と会話されていますよね。
濱田:たしかに(笑)
秋山:裏側を話すと、アルミナPrjって、最初は「使い勝手向上プロジェクト」って名前だったんです。だけどプロジェクト名が長くて、言いにくいなと思って。「名前変えませんか?」って提案したら、「みんなの好きな名前にしたいね!」となり、私が提案したのはアルミナでした。(笑)
大崎:いろんな案が出たんですか?
秋山:あんまり出なかったんですよね。「秋山さんの好きなバンドでいい曲名を適当にあげてよ」という話で、「アルミナって曲はプロジェクトの趣旨と歌詞の内容が合うからどう?」っていったら、「よしそれにしよう(笑)」ってなりました。
大崎:週次や月次の全社員向けの朝会の発表で、各プロダクトの取り組みが紹介されている中、「アルミナPrj」ってなんだろうと思っていました(笑)
濱田:もともとは、チーム内だけでの呼び名だったのに、こんな全社的に広がるとはおもっていませんでした(笑)
秋山:提案者ではありますが、あまりにも「アルミナ、アルミナ」言われちゃって、逆に困りましたね(笑)
濱田:でも社内を見渡すと、他にも通称で呼ばれているプロジェクト多いじゃないですか。意外とこういう呼び名ってチームではコミュニケーションが取りやすいんですよね。
大崎:ちなみにアルミナに代わる次のプロジェクト名って用意していますか?
濱田:ないですね。
秋山:じゃあ、何か作りますか(笑)
濱田:2023年から適応される消費税の「インボイス制度」に向けたプロジェクトは何か名前をつけましょう!
秋山:考えなきゃ…「マネーフォワード クラウド請求書」は、軽減税率の対応含めて、やらなくてはいけないプロジェクトが結構多いんですね。「マネーフォワード クラウド」はどれもそうだと思うんですが。
大崎:法律がちょっとでも絡むとそうなりますよね…
秋山:インボイス制度への対応が控えている中ではありますが、ようやくやらなくてはいけないプロジェクトやアルミナPrjも終わりが見えてきたので、これからは仕掛けて行くぞ、と意気込んでいます。
濱田:これからいろいろ仕掛けていくために、チームとしてもいろいろ試行錯誤してきています。プロジェクトを複数進めながら、働き方やチーム内のコミュニケーション、タスクの進め方を改善したりしなくてはなりません。
大崎:今まで少人数だからこそ、なんとなくやれていた部分をチームとしても運用するためにきちんと整えたりとかそういうことですか?
濱田:そうですね、例えば、タスクの管理。今までは1~2人のタスクを把握してればよかったので、お互いのタスクをある程度分かっていました。ただ、人が増えてチームらしくなって、様々なプロジェクトがそれぞれの速度で進むようになったので、模索しながらも整えなくてはいけないフェーズになりました。
大崎:でも、そういった取り組みがあるから、秋山さんは別プロダクトの開発とも並行してできるようになっていますよね。それこそ京都の開発拠点へ頻繁に出張されていますし。
秋山:仕組みが上手く回っていることもあり、各自がやることをきちんとやってくれるという信頼がありますね。だから京都にいても安心というか問題なく進められています。
濱田:軽減税率対応という結構大変なプロジェクトと、プロダクト開発を両立されていたのはすごいなと思いました。
秋山:両立できたのは、メンバーのみんなを信頼し安心して任せられる状態だったのが大きいです。あわせて進捗が芳しくない時に適切なタイミングでアラートをあげてくれたりとか。もう戻れないところで私が気づくのではなく、早い段階でそういったコミュニケーションが取れたのはよかったと思います。
大崎:例えば、人数が少ないと、問題が起きても一人で何とか解決しようとするところがありますよね。でも人数増えたからこそ、「少し進捗が芳しくないかもしれない」とちゃんと相談することで、お互いにヘルプに入ってサポートするような動きに繋がって、安心して任せられたのかもしれないですね。
濱田:そうですね。
ユーザーに長く使ってもらうために必要な2つの視点
大崎:プロダクト作りの話にうつっていきたいんですけど、どんな想いで携わっていらっしゃいますか?
秋山:最初はCSからプロダクトマネージャーになったこともあり、色々分からないこともあって精一杯でした。プロダクトとして思っていることとしては、請求書って極論Excelでも作成できるので「Webで請求書が作れる」以外のメリットをあまり打ち出せていないなとは思っていました。
大崎:確かに僕も請求書は今までExcelで作っていました。
秋山:そういう方が多いんですよね。でも、ちゃんとこれを深掘りしてみると、請求書が作れることは当たり前に求められていることなので、そこは粛々と対応していこうと思っています。それ以外に、請求書作成業務の前後と連携してあげることで利便性があがり、価値提供ができるんじゃないかなと思っています。
大崎:前後とは?
秋山:すでに機能としてありますが、請求書を作成するということは、売上があるということになるので、その売上の仕訳を会計ソフトと自動で連携できるとか。請求書を作成する前も、受注管理をしている場合、そのデータが連携できれば転記する手間なく請求書作成ができるようになります。こうやって請求書作成前後の連携を便利にすることで、請求書をあえて作ろうとしなくても作れているという状態にもっていけるといいですよね。
大崎:確かに、業務で使うアプリケーションだからこそ、プロダクトの前後の作業工程や、フローの中で使いやすいプロダクトの方が選ばれますよね。
秋山:とはいえ請求書を数枚しか作らないユーザーもいます。そういった方がExcelを使うより「マネーフォワード クラウド請求書」を使いたいとおもっていただくためには、プロダクトとしての使い勝手や機能面で満足していただく必要があると思います。だからこそ、プロダクト自体のブラッシュアップを続けながらも、サービス連携などを元に新たな価値提供や利便性を高めていきたいと思っています。
大崎:大事なのはプロダクト単体の価値と、サービス連携の両輪で価値提供をしていくことですね。開発側でも考えていることはありますか?
濱田:プロダクト単体のシステムをより綺麗にしていくこともそうですが、セールスフォースなどの外部のシステムとスムーズに繋ぐためにも裏側の仕組みも綺麗に整えてて、常に改善していこうという点ですね。
チームやプロジェクトを前に進めるために「何のためにこれをやるのか」をきちんと伝える
大崎:ありがとうございます。プロダクトに加えて、チームのこれからについても教えてください。
秋山:「マネーフォワード クラウド請求書」って、機能や出来ることがシンプルだからものすごくとっつきやすいプロダクトでもあるんですよね。機能が複雑じゃないからこそ、プロダクトの今後をどう作っていくのかの未来を描いたり、各所との調整などにリソースを割きやすく、入口としてはいいかもしれません。
濱田:今までは、僕や秋山さんなど「マネーフォワード クラウド請求書」に関わっている経験の長い人が考えて、ある程度全て把握して開発をすすめていました。でも、プロダクトがシンプルだからこそ、人が増えた今はどんどん任せていっていますし、これからもそうしていきたいと思っています。
大崎:秋山さんは、「マネーフォワード クラウド請求書」を開発していく中で、大事にしていることってあります?チーム運営の観点からも教えてください。
秋山:チーム運営に限らずかもしれませんが、「何のためにこれをやるのか」という目的を関わる人達にきちんと伝えて理解してもらうことは、心がけていますね。「このプロジェクトをどうしてやりたいか」とか「どうしてやらなくてはいけないのか」を、理解した上で進めないと、納得感ないままになってしまうかなと思うので。
大崎:それを心がけていた理由を詳しく教えてください。
秋山:何故これをやるかのかわからない状態で物事を進めると、課題の本質が見えず思考停止で進めることになってしまうと思います。でも、背景や目的を伝えることで、「もっとこうした方がいいんじゃないか」「この観点って考慮されている?」といったコメントも出てくるので、より建設的にプロジェクトが進められます。どんなプロジェクトでも進めていくうちに、本来の目的を見失ってしまうことは起こりえると思います。ただ、時間も開発メンバーも限られている中で、目的を見失うと手戻りが何度も発生して、時間だけが過ぎていってしまいます。100%実践できているかはさておき、かなり意識していますね。
大崎:たしかに、目的意識をメンバー全員で持つことは大事ですよね。お二人とも、チーム運営のお話からプロダクトの話までありがとうございました!