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What we do

波長(光の色)を変える装置。通信用には見えない波長を、量子メモリ用には可視光の波長を、といった具合に波長を適材適所で使い分けるために必要不可欠です。これは量子インターネットを見据えた中継器に用いられます。
量子光源。量子通信に使われる光子(フォトン)はこのような比較的大きな装置から生成されます(画面中央に定規を配置しました)。光子を数枚のミラーで閉じ込め、通信に使えるもののみを選び出して発射します。
LQUOMでは、絶対安全な次世代ネットワークである量子インターネットをゴールに設定し、長距離量子通信技術を開発しています。社名の由来は、Long-distance Quantum Communicationの開発と社会実装を目指すグループとして命名しました。量子もつれ発生器、量子メモリ、波長変換、周波数安定化といった要素技術をすべて保有する横浜国立大学堀切研究室発のディープテックスタートアップです。

Why we do

短距離量子通信システム。レーザーや量子もつれ発生装置、検出器、干渉計等が緻密な計算により1つの箱(19インチラック用)に詰め込まれています。持ち運び可能なシステムです。
量子光源によって、通信に適した光のみが発射されている様子。非常に細いスペクトル幅のもののみを選び出すことで、量子メモリに適用可能としています。
現在、インターネットを経由して行われる通信の中には、パスワードやクレジットカード情報、企業の機密情報など、多くの秘密情報が含まれています。これらの通信内容は暗号で守られているように思われますが、実は高性能なコンピュータを使用することで、暗号を解読することが可能です。現在のコンピュータでは解読に膨大な時間が必要ですが、今後、量子コンピュータを始めとする技術発展により、ある日突然、不正ログインや個人情報流出などのサイバー攻撃が群発し、インターネットが機能しなくなる恐れがあります。 このような危険性を確実に排除するためには、理論上絶対安全な量子通信技術を用いた量子インターネットが必要です。量子通信では、量子力学の物理法則に沿って、通信が盗聴された場合に量子の状態が変化し、盗聴を検知することが可能となります。しかし、非常に弱い光である光子を利用する必要があるため、現在の光を用いたインターネットで用いられている中継機(増幅器)を使用することができません。一方で長距離で安全な通信を行うためには中継が望ましいので、量子インターネットを実現するためには、量子通信専用の『量子中継器』が必須です。LQUOMは、量子中継機の開発に必要なすべての要素技術を保有しており、2023年までの実証を目指すべく現在プロトタイプの開発を進めております。

How we do

新関和哉(中央)、堀切智之(右)、洪鋒雷(左)
研究開発メンバー
【トップクラスの技術集団】 ■新関和哉 (代表取締役) 2017 横浜国立大学理工学部物理工学EP卒業 2018 修士1年次に筆頭著者として論文を出版。また、日本物理学会2019年秋季大会にて学生優秀発表賞を受賞 2019 横浜国立大学大学院工学府物理情報工学専攻修士課程修了。卒業時には優秀学生工学府長表彰等3件の賞を全受賞 2019 横浜国立大学大学院理工学府物理工学教育分野入学 ■堀切智之 2006 日本学術振興会特別研究員 2007 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了(博士) 2008-2014 国立情報学研究所特任研究員。スタンフォード大学にて量子中継器および励起子ポラリトン凝縮の研究 2014 横浜国立大学大学院工学研究院准教授 ■洪鋒雷 2008 文部科学大臣表彰科学技術賞 2011 独立行政法人産業技術総合研究所研究科長 2014 横浜国立大学大学院工学研究院教授 2019 光・量子エレクトロニクス業績賞(宅間宏章) 2020 国際計量研究連絡委員会 時間標準分科会 委員 【LQUOMのアプローチ】 LQUOMでは、量子もつれと量子メモリを採用したシステムを開発しています。量子もつれについては、東京QKDネットワーク実験にて、オーストリアの産官学グループが担当していましたが、短距離に留まってしまっていました。LQUOMでは、量子もつれに注目し、長距離のファイバ伝送通信に特化(波長1.5μm)させるだけでなく、スペクトル幅の狭窄化(1MHz以下)にも成功し、量子メモリを用いた中継を可能にしました(短距離通信であれば、量子メモリ無しで通信可能です)。量子メモリについてはワイドな帯域幅(>GHz)をカバーできる手法を採用し、波長多重量子通信という応用が期待されています。 LQUOMの量子中継器システムは、長距離化が可能というだけでなく、ゆくゆくは量子コンピュータの一部としても使えるものを目指しています。Distributed Quantum Computingというアプリケーションが提案されており、別固体の量子コンピュータ同士を、あたかも1台の機器として活用できる技術ですが、そこでは量子もつれの共有が必要不可欠となります。LQUOMの持つ波長変換というテクノロジーにより、量子もつれを様々な波長で、量子デバイスに適用することが可能です。また、量子もつれを使うことで、量子テレポーテーションという、手元の量子を遠方に再現させるテクノロジーに応用でき、量子が情報として飛び交う様はまさに「量子インターネット」という全く新しいネットワークを意味します。そんな量子インターネットを目指して、LQUOMでは今後も、最先端のテクノロジーを開発し、早期の社会実装を目指します。 【コア技術】 量子中継器の実現には、量子通信用の光子を発し光ファイバーを通じて量子状態を送るための量子もつれ光源、量子状態を一時保存しておく量子メモリ、 そして光源とメモリ波長を結ぶ波長変換や周波数安定化等のコア技術が必要です。 つまり、コア要素技術は、①量子光源、②量子メモリ、③周波数安定化であり、これらのインテグレーションが、量子中継器の要となります。LQUOMは、これら全てのコア要素技術を保有しています。