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- アトラクションができるまで - 「DARUMA INFINITY/無限だるま落とし」

こんにちは!株式会社リトプラPRマーケティング担当の「まっつん」こと松倉です。

弊社は、「遊びが学びに変わる」をコンセプトに、全く新しい次世代型テーマパーク「リトルプラネット」を企画・運営しており、デジタルコンテンツならではの体験の新しさ、可変性の高さを生かしたアトラクションを数多く生み出しています。

今回は、2023年春に登場した「DARUMA INFINITY/無限だるま落とし」開発の裏側を開発担当の「とっきー」、3Dデザイン担当の「やはち~」、2Dデザイン担当の「さとみな」のインタビューとともにお届けします!

アトラクションの紹介

「DARUMA INFINITY/無限だるま落とし」は、高く高く積み上げられた「だるま」を専用スティックで打ち落としていき、打ち落とせただるまの数を競うアトラクションです。
これまで全国3パーク限定で実施してきましたが、たくさんの方からご好評をいただき、10月から全国に拡大しました!

開発者の紹介

開発担当:とっきー 岡山県出身。学部時代は連続体力学のシミュレーションの研究をしていたが、デジタル技術を応用したエンタメコンテンツに興味を持ち、大学院ではVR技術を使ったエンタメよりの研究をしていた。新卒で現職場に至る。

3Dデザイン担当:やはち~ ゲーム、アニメ制作を経験後リトプラに入社。リトルプラネットのアトラクションの2D3Dデザイン部分を担当。

2Dデザイン担当:さとみな 東京都出身。大学卒業後、タレントグッズ制作会社、グラフィックデザイン会社、スマホゲーム開発会社を経て、株式会社リトプラに入社。アトラクションの2Dデザインやイラスト等を担当。

『DARUMA INFINITY』開発の背景

まっつん 本日はよろしくお願いします!昔ながらの「だるま落とし」が超進化したアトラクションですが、開発が決まった時はみなさんどんな想いでしたか?

とっきー 今までのスクリーンをタッチして遊ぶアトラクションは頭を使って考えるものが多かったのですが、今回のものは直感的に身体全体を使って遊べることをコンセプトとしていました。
実は『DARUMA INFINITY』は僕にとって、0から開発する初めてのアトラクションだったので不安でいっぱいだったのですが「DARUMA INFINITY?無限だるま落とし?」といった、タイトルからはどんなアトラクションなのか想像つかない感じが、逆にワクワクしながら開発を進められました。



やはち~ デザイン面については、だるま落としは日本の古き良き遊びということで、こどもも大人も体格差も関係なく、誰でも全力ではしゃぎ、競い合えるアトラクションにしようと意識しましたね。

さとみな 「だるま」がモチーフなので、和風で華やかで縁起が良さそうなデザインをイメージしました。それと、メインのだるまは、リアルな顔のままで積み上がっているとちょっと怖かったんですよね。

まっつん たしかに、誰もが知っているあの「だるま」の表情で積み上がっていくと、途端に固いイメージになってしまいますね(笑)

さとみな なので、かわいさがあり表情の変化も面白くなるようにだるまをデザインしました!


▲開発初期のデザイン

▲だるまに表情を加えたパターン


とっきー リトルプラネットは「テクノロジー」×「遊び」をコンセプトにしたテーマパークであり、昔ながらの伝統的な遊びである「だるま落とし」をデジタルでしかできない体験に拡張することを目指しました。だるま落とし本来の醍醐味の積み木を崩さないように打ち抜くハラハラ感をそのままに、デジタルでしか再現できない無限に積み上がっただるまを、素早く連続で打ち抜く爽快感のある体験になっています。

「だるま落とし」をどう「アトラクション」として成立させるか

まっつん 開発にあたり、最も難しかったポイントはどこですか?また、それをどのように攻略しましたか?

とっきー 「無限に積み上がっただるま落とし」をアトラクションとして成立させることがとても大変でした。まずはじめにだるま落としを再現するために、物理エンジンを使用することは開発当初から決めていました。
試しに100個ほどだるまを積み上げて、打ちぬいてみたところ、やはりあっけなく崩れ去りました。私たちが求めていた崩れそうな「ハラハラ感」と連続で打ち抜く「爽快感」の両方を実現するには、やはり実際の物理条件では不可能でした。

まっつん そうですね。僕も1,2回打ちぬいたところで全体が崩れてしまう姿がイメージできました。それで終わりになってしまうのでは面白くないですよね。

とっきー そうなんです。そこで、だるまの摩擦係数の調整や、上下のだるまがくっつくような条件を加えたり、中心に引っ張られる磁石のような動きをイメージした調整を加えた結果、違和感のない動きを再現することができました。最終的に納得のいくレベルに到達したのはアトラクション公開の数日前だったと思います…。


▲初めて0ベースから開発したアトラクションとツーショットを撮るとっきー



🔨開発担当「とっきー」のこだわりPoint🔨

アトラクション画面に映る最低限の下から8個を実際のだるまとしてシミュレーションし、上のだるまはダミーとすることにしました。これで積み上げることは解決したのですが、次なる課題はバランスでした。

実際にだるま落としを遊んだことのある方は想像がつくかと思いますが、例え8個であっても崩さず打ち抜くのは難しすぎました。私たちが求めていた崩れそうなハラハラ感と連続で打ち抜く爽快感の両方を実現するには、やはり実際の物理条件では不可能でした。

そこで、だるまの摩擦係数の調整や、上下のだるまに拘束条件を加えるなど模索を続けましたが、やはり極端に物理法則に反するものには動きとして違和感が残ったため、中心に引っ張られる磁石のような動きをイメージし、万有引力を模した力(中心からの距離の2乗に反比例する力)を加えてみると、違和感のない復帰の動きを再現することができました。


まずはだるま落としに組み込まれている要素を数値化する


数値をもとに実際にシミュレーションしてみる

■Jointを使った場合(jointを使ってRigidbodyを拘束した場合を試してみる。今回はHinge Jointを使う)

崩れはしないが倒れる...。


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■重力加速度を上向きにした場合(重力加速度を上向きに変更。崩れる時には下向きに修正してみる)

崩れないし倒れないが縦方向の揺れが気になる...。


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■だるま継ぎ足し(1つ減ったら1つ増やす。実際は常に5段くらい)

意外と違和感ないかも!


こんな検証を何度も繰り返し、やっと今の『DARUMA INFINITY』の動きになりました。


まっつん 現実では難しいことでも、アトラクションならではの調整を加えることで遊びの幅が広がりますね!デザイン面はいかがですか?

やはち~ 「無限だるま」というくらいなので、どれだけ高く積み上げられているのかを感じてほしかったのですが、引いた絵で見せるとだるま自体が小さくなってしまうし、近くで見せるとどれだけ積まれているのかわからない。
なのでスタート時の演出で、上空から地面まで一気にカメラを降ろすことで、とても高くだるまが詰まれている事を見せられるようにしてみました。


▲アトラクション開始直後、たかーーく積まれただるまが分かるようにカメラが動く演出が流れます


さとみな 積み上がっていく点数の見せ方も工夫しました。数字だけよりメーターで見せた方が目標がわかりやすいのと、ただのメーターではなく見ていて楽しいメーターにするにはどうすれば良いか?2人プレイは協力なのでメーターはひとつ、でも個人の成果もわかるようにするには??など考える部分が多くありました。

2人プレイの時は、1プレイヤーと2プレイヤーと色を変えて赤と青のダルマがどんどん積まれていく形を提案しました。ただ、1メモリにあたる1だるまがとても薄くなってしまってだるまとわからない…。
10たまると大きいダルマになる、というアイデアはメンバーと話している中で生まれました。また、100を超えると現れる金のだるまも話していく中で生まれたアイデアです。
メーターの見え方は1プレイに何個くらい倒せるか、など難易度にも関わってくる部分なので、とっきーや、やはち~の協力もあってのものでした。


▲実際のメーター画像。打ちぬいただるまの数が分かりやすいデザインになりました


印象的なエピソード

まっつん 開発時の印象に残っているエピソードなどはありますか??

さとみな 先ほどお話したメーターを説明するときに「欽ちゃんの仮装大賞みたいなメーター」と言った数分後には、「欽ちゃんUI」と命名されその通称で開発していたことですね!

一同 

やはち~ 欽ちゃんUIもそうですが、アトラクションで遊ぶ方の「楽しさ」「だるまを叩き抜く気持ちよさ」「攻略の難易度」を手探りで探してました。開発チームでオフィスに集まり、とっきーがテストで作ってくれたサンプルをみんなでプレイしながら、何度もすり合わせをやりましたね。だるまにもキャラクター性をもたせたく、だるまの置かれている状況に応じて表情が変化するようにしてみました。


▲表情豊かなだるまたちのデザイン


さとみな それと、今のダルマのダルマ落としになる前の案では、別のストーリー案があって、そのモチーフ選びやストーリーをつめるなど、2Dだけでなく企画にも参加しました。2Dだけでなく企画にも参加したことが、新鮮で良い経験となっています。自身の職種にしばられない環境もありがたいです。

より分かりやすくするために、ダルマのだるま落としにすることになりましたが、企画を考えるのは楽しかったです。

また、欽ちゃんUIは新たな見せ方だったので、まだまだ新しいことができるな!と、この先も経験に頼るだけではなく、より良い見せ方を考えていこうと思えました。



今回は『DARUMA INFINITY』の開発秘話をお届けしました!

今回、開発担当のとっきーにとっては初の0ベースからのアトラクション開発でしたが、『DARUMA INFINITY』はこどももおとなも楽しめる人気アトラクションとなりました。

また、さとみなのように職種の枠を飛び越えて企画立案に参画するなど、自身の可能性を高めるプロジェクトにジョインできるのも、リトプラの魅力の1つだと思います。

少しでもご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にエントリーください!

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