2021年8月よりインドネシアのジョグジャカルタ特別州にて実施していた、女性零細起業家を対象とするオンライン技術を活用したビジネススキル開発と事業収支の改善を目的とした3ヶ年事業（JICA草の根事業）が、高い成果と共に終了しました。

インドネシアでは、およそ99%の法人が零細企業で、新規に設立される零細企業の半数が女性オーナーとされています。インドネシア経済を支える重要な役割を果たす女性零細起業家ですが、男性がオーナーの零細企業と比べて事業規模や収益性は低いのが現状です。この背景には様々な要因があるものの、ファイナンスやビジネススキル開発と言った事業の成功に必要な支援へのアクセスが、男性と比べて難しい事が一番の原因と考えられています。この状況の改善を目指して、コペルニクでは女性零細起業家を対象に、オンライン販売スキルの習得とオンライン販売の立ち上げ、軌道に乗せるまでの伴走支援を行い、女性零細起業家の事業収支改善を目指してきました。中には、生成AIを活用した営業素材の作成と言った新しい技術の活用も織り込み、ITリテラシーの高くない女性零細起業家でも、継続的に事業運営を行えるスキル開発も行ってきました。この結果、3年間で24名の女性零細起業家を支援、全員がオンライン販売チャネルの立ち上げに成功し、8割の参加者が支援前と比べて20%以上の純利益増加を実現しました。

本事業では、カウンターパートとしてインドネシア最大の女性支援NGO「アイシア」を迎え、7名を本事業を運営できるファシリテーターとして育成し、コペルニクによる支援終了後も本事業の効果を持続できる体制を築いてまいりました。アイシアからは、今回の高い成果の背景には参加者に対するきめ細かい伴走体制や綿密な計画があると評価を頂きました。アイシアによる支援を通して、より多くの女性たちのビジネス成功に向けた支援が行われる事が期待されます。

これからもまだ解決策が見つかっていない社会課題の解決に向けて、コペルニクでは様々な技術を活用して取り組んで参ります。今後のアップデートを楽しみにしていてください！！

（写真はAsian Venture Philanthropy Networkから2023年度のConstellation Awardとして本事業を選出頂いた時の物です。）