同じ仕事をしていても、「担当している」人と「自分のものにしている」人では、成果が違う。
担当しているだけの人は「自分のタスクを終わらせること」を目標にする。自分のものにしている人は「プロジェクトを成功させること」を目標にする。その差は、日々の小さな行動の積み重ねとして現れる。
「自分のもの」にするとはどういうことか
プロジェクトを自分のものにしている人は、こういう行動をとる。
定例以外でも気になることがあればクライアントに連絡する。エンジニアが困っていると聞いたら、自分のタスクを後回しにしても話を聞きに行く。仕様書に書いていないことでも、「これはユーザーにとって必要だ」と思えば提案する。
「それは自分の担当ではない」という線引きをしない——そのスタンスが、プロジェクトの質を上げる。
当事者意識は「役割」ではなく「姿勢」
ディレクターという役割が当事者意識を生むのではない。
「このプロジェクトを成功させたい」という気持ちが先にあって、そこからディレクターとしての行動が生まれる。役割を果たすのではなく、結果を出したいから動く——その順番が、当事者意識の本質だ。
未経験でITディレクターになった人が早く伸びる場合、多くはこの「姿勢」を最初から持っている。知識はない、スキルはない——でも「なんとかしたい」という気持ちは誰にも負けない。その姿勢が、経験の蓄積を加速させる。
チームに当事者意識を広げる
ディレクターが当事者意識を持つだけでは足りない。チーム全体がプロジェクトを「自分のもの」と感じられると、成果が一段変わる。
そのために大事なのは、「なぜこのプロジェクトが必要か」をチームと共有することだ。「この機能を作ると、エンドユーザーのこんな悩みが解決される」「クライアントはこういう課題を抱えていて、これがリリースされると現場がこう変わる」——目的と文脈を知っているエンジニアは、指示を待たずに動く。
当事者意識は、情報の共有から生まれる。
「担当を超えて動く」が信頼になる
「それは私の担当ではないので」という言葉は、短期的には正しい。でも長期的には、信頼を失う。
クライアントは「この人に頼めば、考えていなかったことも拾ってくれる」という安心感を、最も信頼するディレクターに感じている。その安心感は、担当を超えて動いてきた積み重ねから生まれる。
当事者意識は、最終的に「また一緒にやりたい」という言葉につながる。それがディレクターにとって、最高の評価だ。