現場で働く方々の意見を聞き、課題発掘から計画・改善まで一気通貫して担当するKIRIN エンジニアリング職のシゴトとは
キリンホールディングス(以下、キリン)では「多様性」を推進しており、キャリア採用においても様々なバックグラウンドを持った方の採用を行っています。
キリンのエンジニアリング職は、現場で働く一人ひとりとコミュニケーションを取りながら、課題の背景を理解し、どういったアプローチが本質的な課題解決に繋がるかを考えて計画・実行、さらに評価、改善までを進めていく ―― そう語るのは、エンジニアリング会社を経て、2021年にキリンに入社し、現在キリンビール取手工場 エンジニアリング環境安全担当に所属する岩田俊介さん。
そこで今回は、岩田さんがなぜキリンに転職をしようと思ったのか、またキリンのエンジニアリング職の魅力ややりがいについて、同チームリーダーの西山広幸さんを交えて、お話いただきました。
予算取りから計画・実行まで。幅広い領域を一貫して携われることがキリンのエンジニアリング職の魅力
―― あらためて岩田さんが転職しようと思ったキッカケ、また様々な選択肢がある中で、最終的にキリンを選んだ決め手を教えて下さい。
岩田:前職のエンジニアリング会社では、機械エンジニアとして機械の設計やライン設計などを担当してきたのですが、納品して終わりで、その後どう自分が担当した機械が使われているかまで入り込むことができませんでした。
そのため、自分が考えたシステムや機械そのものが、実際に使っていただく方々のニーズに合っていたかどうかのフィードバックを得る機会がなく、歯がゆさを感じていました。そこで、製造現場の課題をより身近で解決できる仕事がしたいと思うようになりました。
また、大学時代に医療領域の機械系を専攻していたこともあり、もともとヒトの健康に携わりたいと思っていました。そのため、前職でも医薬品関係のプラントを担当していたのですが、次の環境でも同じようにヒトの健康に携わりたいと思ったときに出会ったのが、食や医薬の領域で事業を展開しているキリンでした。
そして選考過程でキリンの方と面談をさせていただくことで、キリンでのやりがいや働く人たちの人柄、また働くイメージが具体的に湧いてきて、ここであれば製造現場の課題解決に繋がる仕事ができると感じられたことが決め手でした。
岩田(写真左)、西山(写真右)
―― 実際にキリンのエンジニアリング職として働いてみて、どういったところにやりがいを感じられますか?
岩田:スーパーやコンビニなどでキリンの商品を買ってもらっているシーンを見たりすると、自分が担当している工場から出荷されたものが一般の方々に届いているという実感が得られるのは、とても嬉しく、大きなやりがいを感じられる瞬間です。
そして、扱う機械、工程が広いことは、キリンのエンジニア職の面白さだなと思います。実際に入社して半年ほど経ったときに、ある案件をひとりで担当することになったのですが、機械設計から制御系までを図面に落とし込み、どう作業を依頼していくかを、いろいろな方に相談しながら、すべてひとりで担当していきました。
また、分業体制をとっているエンジニアリング会社も多い中、キリンではエンジニアが予算取りから担当するため、一貫して自分で立案して進めていけるというのは非常に驚きでした。
そのため、現場で働く方々から挙げられる要望にそのまま対応するのではなく、その方々と密にコミュニケーションを取りながら、課題の背景を理解し、どういったアプローチが本質的な課題解決に繋がるかを考えて計画・実行、さらに評価、改善までを進めていくというプロセスを踏めるのは、キリンのエンジニアリングの大きな特徴です。
西山:キリンでは、「こういう機械を導入しましょう」と決まってからのスタートだけでなく、その機械が工場の生産性向上に本当に繋がるのか、もっとコストを下げられないのか、そもそもでなぜそれをやるのかなど、導入の検討フェーズから主担当のエンジニアが関係各所にヒアリングを行い、計画を進めていきます。
そのため、設計や工事などの専門性だけでなく、課題の発掘から計画、予算調達、さらに現場施工監理から運用評価までと幅広く取り組める環境です。
私自身、2011年の東日本大震災の際に、仙台工場の復旧支援工事を担当したのですが、地震や津波で破損した設備をどう復旧していくか、誰も知見がない中、当時まだ若手だった私が提案した方法が採用されたときは、キリンには誰もが提案でき、実際に実行できる環境があるのだと実感できた瞬間でした。
そして日々、現場で働く方々の意見を聞き、彼らの想いを形にできたときに、「ありがとう」と感謝の言葉をかけてもらえたりすることは、非常に大きなモチベーションに繋がっています。
多様な人財が集まるからこそ、これまでのやり方に縛られない新たなアプローチが可能になる
―― 岩田さんは、キリンにキャリア採用で入社することに不安はありましたか?
岩田:やはりキリン独自の社内文化があるでしょうし、やり方も前職とは全く違うと思っていたので、不安はありました。ただ、いろいろわからないことがあっても、みなさんフランクに相談に乗ってくださるので、早々に不安は払拭することができました。
また、キリンの方々はみな、より良くしていこうというマインドを持っていて、他者の意見を尊重して話を聞いてくれます。実際に私が「こう思うんですけど」と相談しても、否定から入らずに話を聞いてくれて、よりアイデアを広げていくための会話ができるため、私自身より柔軟な発想でモノゴトを考えられるようになったなと感じています。
―― 西山さんは、岩田さんのようなキャリア入社の方の受け入れで意識されていることは何かありますか?
西山:やはり、様々なバックグランドを持った方がいることで、新たに取り入れられる考え方ややり方がたくさんあると思っています。
そうしたキリンにいるだけでは得られない新たな視点が、新たな価値創造に繋がっていきますし、求められていることだと考えているため、受け入れる側としても、キャリア入社の方々の意見を引き出しやすいよう、日々の日常会話含め、気軽に話しかけやすい雰囲気づくりというのは特に意識しています。
―― 西山さんのように新卒でキリンに入社された社員にとって、岩田さんのようなキャリア入社の社員がいることは、どういった価値があると感じられていますか?
西山:サプライヤーの検討では、イニシャルコストだけではなくメンテナンス、アフターサポート体制も重視して調達部と協議していきます。そうしたやり方を岩田さんに説明すると、「そういった観点も重視されるのですね」と驚かれたりもします。
そうした会話の節々から、キリンの当たり前と外部の当たり前が違うということを日々感じています。岩田さんがいることで、キリンを客観的に見る視点が得られることは非常に大きな価値だと感じています。
そして自分たちの当たり前を疑い、客観的にキリンを見ることで、より良くするためのアイデアが生まれたりします。そのため、岩田さんには「前職ではどうやっていましたか?」と逆に質問したりと、これまでのやり方を見直すキッカケに繋がっていますし、様々なバックグラウンドを持った人財が集まるからこそ、新たな価値創造に繋がる一手が打てるのだと感じています。
―― 岩田さんは、キリンに入社してご自身のマインドセットなどに何か変化はありましたか?
岩田:やはりキリンでは常に本質的な課題解決に取り組もうという姿勢があるため、設備導入ありきではなく、本質的な課題をしっかりと見極めるというマインドセットが身についたことは、入社前後で大きく変わったことだと感じています。
そして現場で働く方々に寄り添ったエンジニアリングだからこそ、実際に使われることを意識して仕事を出来るというのは、とても成長機会の多い環境だと実感しています。
特にエンジニアリング会社の場合はエンジニアと相対する窓口の方が現場の方でないケースも多いのですが、キリンでは現場で働く方々が具体的にどう思っているのかといった生の声を直に聞けるため、それに対してどう対応していくべきかと考えて実行していくことで、より様々な知見や経験を身につけることができ、自分自身の成長に繋がっています。
様々な事業・工場があるからこそ、エンジニアとしての知見を広げている環境がキリンにはある
―― 岩田さんは、入社してみてキリンの社風や風土で驚いたことは何かありましたか?
岩田:工場勤務なので在宅勤務はないだろうと思っていたのですが、エンジニアリング職であっても在宅勤務ができるということは驚きでした。時期にもよりますが、週1〜2回は在宅勤務をされている方もいたりと、柔軟性のある働き方ができるのは、とても良い環境だなと感じています。
また、エンジニアリング職であっても、「ビールのこの銘柄は〜〜」と熱く語れる方は多いですし、飲み会や懇親の場でも出されたビールの品評会のようなことがいきなり始まったりと、みなさんの愛社精神、自社の製品愛が素晴らしいなと感じました。
そして人柄も誠実な方が多いのですが、酒類メーカーだからこそ、楽しく飲むけど何時以降は飲まないなど、アルコールに対して真摯に向き合っている姿も素敵だなと感じています。
―― その他、キリンのエンジニアリング職の魅力や面白さとして感じていることは何かありますか?
岩田:工場間での繋がりもあり、「他の工場ではこういった改善をした」といった情報が入ってきますし、他工場と同じような設備を導入する際にはどう進めていったかなどを、実際にその工場に出張して学ぶ機会があったりと、エンジニアとしての知見を広げられる機会が多いことは魅力だなと感じています。
また、キリンは様々な事業を展開しており、そうした他のグループ会社の情報も入ってきたりするため、幅広い事業領域の知見が広がることもとても面白いなと感じています。
西山:電気系や機械系といった括りにとらわれず、様々なことにチャレンジできる環境があるというのはキリンのエンジニアリングの魅力であり、特色だと感じています。そして、そういったチャレンジできる機会があるからこそ、新しい知識・経験が身につき、さらに新しいことにチャレンジできるという、好循環が生まれる環境です。
また転勤の機会も多く、工場メンバー間での入れ替わりがありますから、常に固定のメンバーで仕事をするということはなく、常に様々なバックグラウンドを持ったエンジニアと一緒に仕事を進めていける環境であるというのも、魅力のひとつだと感じています。
―― 最後に、今後のおふたりの展望を教えて下さい。
岩田:今後も現場で働く方々から挙げられる課題に対して、その課題解決を続けていきたいと思っています。
また、様々な事業や工場を展開しているキリンだからこそ、本社の技術部などを経験し、複数事業、複数工場に関われる仕事にも携わりたいと考えています。そして、そこで学んだことを、リーダーポジションで発揮していけるような人財になりたいと考えています。
西山:リーダーとして今はメンバーの育成にも携わるようになり、ヒトに任せて仕事を進めることの難しさを感じつつも、彼らが知識経験を積んでいって成長していく姿を見ることは非常に嬉しく思っています。そのため、これからも私自身リーダーとして成長していき、優秀な人財を輩出していけられるよう努力し続けたいと思っています。
そして、そうした経験をもとに、酒類領域以外の組織運営にも貢献していければと考えています。