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既成概念にとらわれず新しいことができる。 替えのきかない存在になるのが大切

今の仕事を始めたきっかけ

大学1年生のときに映画「ソーシャル・ネットワーク」を観てからインターネットの世界にのめりこみ、当時出身の佐賀県で募集していた起業家精神を養うプログラムに参加し、シリコンバレーに行きました。渡米中に東日本大震災が起き、帰国後は時々ボランティア活動をしてはいましたが、日々の暮らしの中で何かが欠損しているという感覚は拭えず、ネパールに旅立ち瞑想をしてみたことも。そうする中でさまざまな気づきがあり、精神的にも落ち着いた頃に出会ったのが東北開墾の高橋博之さんでした。高橋さんは私が目指す生き方を体現している人であり、「一緒に仕事をするなら上下関係ではなく、対等に。自分がこうやるべきだと思うものを責任を持ってやれ。言われたことをやるだけなら替えのきく存在だから、そういう人はいらない」と言われ、ここならいい意味で組織に甘えず自分を高めていける、そして今ならこの東北で、既成概念にとらわれず新しいことをやれると思い、半ば押しかけのような感じで東北開墾に入りました。

今の仕事について

ウェブサイトの制作・運営、ツイッターやブログでの発信、「海組新聞」「山組新聞」の制作、そして生産者への取材や出荷、読者イベントの企画・実施、船に乗っての写真撮影などをしています。「東北食べる通信」は、代表の高橋が惚れ込んだ生産者や食材を取り上げて特集していますが、スタートは生産者に掛け合うところから。そして、依頼したモノが集まったら出荷準備をして読者に届ける。読者の感想もフィードバックするし、読者を現地に呼んでの体験交流もある。うれしいのは、生産者が読者の声を聞いて喜んでくれることです。以前、読者が船に乗り、牡蠣を洗う体験をしたんですが、牡蠣を食べたときの「おいしい!」は感動も含めた重層的なおいしいなんですよね。単に「食べる通信」を販促ツールとして作っているのではなく、最初から最後まで作り手と読者をつなげられる。そこがこの仕事の魅力です。

今後のビジョン

この仕事をはじめて1年たちましたが、個人的にやりきれていないのは、毎月紹介している生産者が変わるので、SNSやイベントで読者をつなぐことはやっていても、まだまだ持続的な関係性を築くまでは行かない事です。「食べる通信」でつながった生産者と読者が継続的に交流していくためにはどうしたらよいか。代表の高橋も言っていますが、最終的には「食べる通信」がなくなっても、生産者と消費者の豊かな関係性が築けるのが理想だと。途上国への支援でありがちな、お金出して、箱ものを作って終わり、みたいなことにはしたくないですね。全国各地で運営されている「食べる通信」の編集長に会う機会も多いのですが、みんな起業家精神がすごいんです。刺激を受けるし、いつかは自分も…と思いますが、今は目の前にあることをしっかりやることで、将来いろいろなことが開けていくのではないかと考えています。

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