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調理スタッフ夫婦とジャパンハートとの出会い~ジャパンハートこども医療センター(カンボジア)栄養管理部だより~

今回は夫婦で栄養管理部の調理スタッフとして働く、キムセンとサリー(通称パパ&ママ)について紹介したいと思います。

カンボジアの「ジャパンハートこども医療センター」のFacebookでは定期的にスタッフインタビューを投稿しています。
今回、栄養管理部からパパとママがインタビューを受け、その内容が動画で投稿されました。

小児がん患者の親でもあるパパとママ

私が初めてパパとママに出会った時の印象は、”明るくてフレンドリーなスタッフ”でした。
調理スタッフは英語が得意でないため、クメール語でコミュニケーションをとる必要がありますが、みんな簡単な日本語の単語は理解して使ってくれています。その中で1番、日本語の単語を知っているのがパパとママでした。

赴任当初はもちろん、今もとても助けられています。
二人が日本語が得意な理由は、二人の息子が日本でがんの治療をして、パパが付き添いで日本に行ったから。そんな大まかな内容だけを把握していました。

今回のインタビューを通して、彼らの病気との闘いやジャパンハートで働くことの想いを知ることができたので、皆さんにもご紹介します。

大病院で治療を断られ、ジャパンハートへ

ジャパンハートの巡回診療で診察を受けるマカラくん

パパとママがジャパンハートと出会ったのは2015年。
当時7歳だった息子のマカラくんの腎臓に腫瘍が見つかりました。しかし、カンボジアの大きな病院へ連れて行ったものの、治療はできないと言われてしまいます。

ジャパンハートに出会ったのはその時です。
当時は現在の「ジャパンハートこども医療センター」はなく、ジャパンハートは巡回診療を主な活動としていました。夫婦はその噂を聞いて、マカラくんを連れて行きました。

日本での治療

そして診察を受けたところ、ジャパンハートの医師から「日本へ連れて行く」と告げられました。
カンボジアに病院が無かった時代からジャパンハートの活動を支援してくださっている国立病院機構「岡山医療センター」が、マカラくんの治療を引き受けてくれることになったのです。

岡山医療センターの青山興司名誉院長とマカラくん

こうして、日本での治療が決まりました。
当時はママが妊娠中だったことから、日本への渡航にはパパが付き添ったそうです。

カンボジア国内の大病院で治療を断られたマカラくんですが、無事に日本で腫瘍の摘出手術を受けることができ、そこから10年経が経ちましたが再発もなく、現在は僧侶としての道を歩んでいます。

私も彼らの自宅でマカラくんに会ったことがありますが、パパの身長と並ぶくらい大きく成長していました。

夫婦へのインタビュー動画はこちらからご覧いただけます。


かつては患者の親として 今ではジャパンハートの一員として

マカラくんの治療でジャパンハートと出会った夫婦。マカラくんの治療が終わったあとも関係は途切れず、今は食事から患者さんの心を救う立場を選択し、日々業務に取り組んでくれています。

特に2人はコミュニケーションが得意なので、病棟での配膳の際には、患者さんの保護者ともたくさん会話し、信頼関係を築いています。
特にパパは配膳後の病棟ラウンドも積極的で、各部屋をまわりながら患者さんの様子を把握してくれています。

今回のインタビューのおかげで当時の様子を聞いたり、写真を見ることができてよかったです。

それぞれのスタッフが色々な想いを胸にジャパンハートで働いていることは日本人もカンボジア人も変わらないと思います。
今一緒に働くことができていることに感謝し、これからも活動に取り組んでいきたいと思います。


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