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コンテンツを価値に変えて届ける Webメディアのビジネスモデル

 アイティメディアでは、定期採用の選考、イベントを開催しています。これまでに多くの方に参加いただき、お会いすることができました。
そこで、過去に開催し人気の高かった、ビジネスモデル紹介のイベントから、レポートをお届けいたします!

 意外と知られていないWebメディア業界のビジネスモデルを就活生に知ってほしい!という気持ちで企画された、本イベント。当社の商品企画に携わる、プロフェッショナル・メディア事業本部 メディア事業局 サービス企画部長(当時)の島津 圭輔が登壇し、Webメディア業界のビジネスモデルとアイティメディアについて説明を行いました。

一次メディアとプラットフォーマー

 まずは、一般的にWebメディアが収益を上げるためのビジネスモデルの説明です。
 Webメディアとして皆さんが思い浮かべるはずのサイトは、一次メディアとプラットフォーマーの2つに大まかに分類されます。独自の編集部機能を持ち、自らコンテンツを作成して発信するものが一次メディア、メディアのコンテンツを配信するポータルサイトや、特定のテーマで情報を収集し整理するキュレーションメディアなどが「プラットフォーマー」です。この2つは、一次メディアがプラットフォーマーにコンテンツを提供し、プラットフォーマーはコンテンツを掲載して一次メディアに利用料やアクセス数などを提供する形で、互いに利益を生み出す取引をしています。

一次メディアのビジネスモデル

 アイティメディアは、独自の編集部を持ってコンテンツを作成する一次メディアです。それでは、一次メディアはどのように収益を上げているのでしょうか?

 一次メディアのビジネスモデルは、「運用型広告」「予約型広告」「読者課金」「データベース型広告」と、大きく4つに分けられます。運用型広告は、メディア横断で掲載される広告です。トラフィック量が広告売り上げに直結します。次に予約型広告は、一次メディアの運営サイトに広告を掲載します。広告の価値を高めるには、掲載されるメディアの信頼性が必要です。そして読者課金は、コンテンツを利用したい読者に直接課金するもので、コンテンツ力がそのまま売り上げとなります。最後のデータベース型広告は、メディアの会員情報を活用して、会員の属性に合った広告を表示する仕組みです。会員数や保有している情報に応じて、様々な展開が可能です。最初に挙げたものほどテクノロジーで成り立つ割合が大きく、後になるほど企画力のような人間の力がより強く発揮されます。メディアは、自身が提供するコンテンツの性格に合わせて、これらのビジネスモデルを組み合わせて運用しています。

 どのビジネスモデルにも共通しているのは、「コンテンツを価値に変換し、顧客に提供して対価を得る」ことです。まずはメディアがコンテンツを作成し、会員やトラフィックを集めます。それらをマーケティングや読者サービスなどの価値に変えて、顧客に提供して得た対価を再びコンテンツに投資する循環が成り立っています。

アイティメディアのビジネスモデル

 次に、アイティメディア自身のビジネスモデルの深掘りを行いました。

 アイティメディアは、メディア数27、月間記事約4000本、月間ページビュー約4億、会員数約100万人と、国内最大級のIT系Webメディアを運営する会社です。こうしたコンテンツを価値に変換する方法として、「メディア広告」「リードジェネレーション」「デジタルイベント」があります。

 メディア広告としては、ひとつの記事にも、様々な形の広告を掲載しています。

 リードジェネレーションは、価値ある情報を求めて登録した会員が、無料で情報を得る代わりに、情報の提供者である広告主が会員情報を得て、情報提供や営業活動を行うためのサービスです。そしてデジタルイベント事業は、オンラインでイベントを行いたい顧客のために、配信プラットフォームの提供、イベントの企画、そして集客を行います。

 当社はこの3つのビジネスモデルを多角的に組み合わせて収益を得ていますが、売上構成は社会情勢とともに年々変化しています。当初は広告が60%を占めていましたが、次第にリードジェネレーションが拡大し、昨年にはコロナ禍の影響もあってデジタルイベントが一気に拡大しました。テクノロジーの進歩や顧客ニーズの変化を先読みして、新しい提供価値を生み出し続けることで、当社はWebメディアビジネスを継続しています。

ビジネスモデルを支える多様な職種

 最後に、アイティメディアのビジネスモデルを支える「人」についても話してもらいました。

 「コンテンツを価値に変換し、顧客に提供して対価を得る」サイクルの中で、コンテンツを作成しているのは、読者が求める情報を提供する、約100名の編集記者です。それらを価値に変換するのは、島津を始めとした約25名(当時)の企画職であり、読者と顧客をつなぐハブとして、編集記者や営業職と協力しながら商品や価値を考えています。約100名(当時)の営業職は、顧客と向き合うマーケティングパートナーとして、課題解決のための広告商品を提供する役割です。専門メディアには珍しい独立した企画部門や、大規模な直販営業組織も、アイティメディアを特徴づけています。
※各職種のインタビューは採用サイト内□■「人を知る」■□に掲載しています

 アイティメディアは無形商材を扱っているため、営業職が売るものは企画です。企画職は、商品となる企画を作成するだけではなく、運営プロセスの作成や販売開始後の対応など、ビジネスの様々な段階に携わることになります。必然的に、求められる知識やノウハウも多岐にわたるため、現在の企画職社員は多様なバックグラウンドを持っています。

強みと弱み、メディアとしての軸

 質疑応答では、参加者の方々から積極的に質問をいただきました。

 アイティメディアの強みは幅広いジャンルで専門メディアを展開し、会員数やトラフィック数を獲得していること、また組織の厚みも充実していることである一方で、新しいことを面白がってキャッチアップすることで、若者向けのアプローチはもっと改善していけるのではないかと島津は話していました。
また、メディアとして第一に重要視するのは読者にとって有益な情報の提供であり、社会への責任を果たして信頼性の向上につなげることが、顧客の利益にもなります。さらに、企画職から見て、メディア企業で働く編集記者に求められるのは、会社の方針も踏まえたうえで読者の需要を満たす情報を提供できることであり、その中に自らの書きたいテーマを織り込んでいければなおよいのではないかという、普段はなかなか聞けない視点の話もありました。

 参加者の皆様からは、「Webメディアのビジネスモデルを分かりやすく説明してもらえて深い学びができた」「企画職として働くことについて具体的にイメージできた」など、今回のイベントで就職活動にあたっての業界や職種への理解が一層進んだことが分かる感想を多数いただきました。

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