完璧なイベントなどといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。
「イベントやりましょう!」
N 氏がそう提案しててきた。「磯野、野球やろうぜ」くらいの気軽さで。 私はいつもどおり 0.1 秒の熟考の末、「やりましょう!」と答える。「いいねぇ、アナゴくん」くらいの気軽さで。
開催は一週間後。いいんじゃないですか。予定空いてますよ。 すでに N 氏が大学生グループに募集をかけていたこともあり、当日はお手伝いしますよというノリだった。
「ねえ、手伝うってなに?子育てってふたりでやるものだよね?手伝うってどういうこと?」
男性の育児参加(この言葉も微妙ではあるけれど)が叫ばれる昨今。父親の当事者意識の低さが問題になっている。
当事者意識が足りないッ!! 過去に数多のイベントに参加したり主催したりしてきた私に声をかけたということは、私にこのイベントをなんとかしろよということなのだ。「手伝う」という感覚ではいけない。場を支配(ドミネート)しなければ。 しかたがない。このまえ N 氏にステーキ丼をおごってもらった借りを返すときがきた。
開催準備 開催地となる飯塚、そして声をかけている九州工業大学(九工大)の学生さん。弊社では定期的に「ピザパ」という安直なネーミングのピザパを開催している。学生さんもピザへの期待度が驚くほど高い。 今回はそこに勉強会的な要素を加えたいという。
準備する時間は限られている。これでも忙しく仕事をしている身だ(社内向けアピール)。時間がない。どうしよう。 いったん。いったん逃げよう。準備がいらない形式で逃げよう。いったんね。
逃げた者はもう一度戦える。 (デモステネス) それでもちゃんと練られた企画に見せることこそ、資本主義の濁流の中でサヴァイブしてきた大人の真の姿じゃないか。 もっとも、なにも準備せずとも、おもしろい人間を何名か軟禁すればおもしろいイベントになるのはこの世の摂理ではあるのだけど。
とはいえ、主催者としておもてなしをする側なのだから、参加者に満足してもらえるイベントにしたい。
そんな思いでできあがった告知ページがこちら。
「飯塚 LT 大会」と「将来が不安カンファレンス」と「ピザ」 が悪魔合体!
メイン画像が手書きなのは時間がなかったからじゃなくて、あれです。ほら、ここ数年フィルムカメラとかレコードとか流行ってるじゃないですか。それです。 ただ手書きしただけだとあれなので、Photoshop を駆使してコントラストや色味を調整しました。
飯塚 LT 大会 安直なネーミング。しかし、LT 大会は発表者さえ決めてしまえば勝ちだ。ただここで手を抜くわけにはいかない。まっさきに自分でエントリーする。内容決まってないけど。 その他にも事前に発表希望者が集まったので勝ちは決まった。あとは当日の飛び入り LT にも期待したい。
将来が不安カンファレンス 過去に宮崎や沖縄など南国の青い空の下で開催してきたイベント。以外にも、将来が不安な人々が集っているはずの福岡で開催したことはなかった。今回はこれをやります。
福岡で「サト研方式」と呼ばれるイベント形態がある。事前準備が不用なのに参加者満足度が高い、Twitter で流れてくる「下ごしらえなしでお店の味!」的な素晴らしい方式。先人たちに感謝。
くわしくはこちら。
ピッツァ とりあえずピッツァがあれば参加者の一定の満足度は担保できる。そしてピッツァは札束を積めばどれだけでも用意することができる。 資本主義の暴走に加担して手を汚した大人のやりかた。GDP を上げてゆけ。
イベントレポート それでは、ここからはイベントの様子を写真とともに駆け足でレポート。
ピッツァ まずはピザから。
弊社インフラエンジニアの Azuma くん。ピザ多くない?
学生さんたちと交流する N 氏。ピザ多くない?
LT 大会 LT 大会トップバッターは、私、宮崎から。 生物学出身なのでガチの工学系の学生さんの前での発表に戦々恐々。生きた心地がしない。
内容はこちらの記事をプログラミングに適用させた感じ。
続いて、弊社インフラエンジニア Azuma の発表。 九工大卒の Azuma が学生時代に個人開発していたアプリの紹介。
バスの中でスマホを使ってプレゼン資料を作ったとのこと。 縦長っ!(Z 世代!) しかも画像がうまく表示されていない。
発表に聞き入る参加者たち。だが、画像は表示されていない。
そして、九工大の学生 Sunamoto さん。 インターンを通して学んだことを発表。
いろんなインターンを経験している Sunamoto さん。 外部に出してはいけない情報は伏せつつ、感じたことや学んだことをしっかりとまとめて発表。 発表うますぎる。
最後に飛び入り LT きたっ!Kurose さん。 「ぷろぐらみんぐ入門」というタイトルで、リターン命令を使って任意コードを実行するという攻撃手法の発表。
笑顔で「ぶっこわすのが好き」だと語る Kurose さん。 九工大生はみんなこんな感じのイメージだと思っていたら、周囲から全力で否定された。
将来が不安カンファレンス 将来が不安カンファレンスに突入。 元祖「サト研方式」だと司会をあみだくじで決めるのだけど、Kurose さんが立候補。立候補ってはじめて見た。
「好きな Linux ディストリビューションは?」
集中力やモチベーションなど様々なテーマについてみんなで意見交換をした。 (他にもいろいろ出たけど忘れた。忙しい社会人なので)
なにかのトピックで突如立ち上がり語り出す N 氏。
なにかを語っているけど、写真の構図作りに夢中で聞いてなかった。
さいごに そんな感じで、みなさん盛り上がっていただけたのではないでしょうか。
個人的には、工学系の学生さんがどんな感じなのか垣間見ることができてよかったと思う。 彼らが将来のソフトウェア(だけじゃないけど)業界を担うことになるだろう。そのときに、どんなことをしたいのか?どんな働き方をしたいのか? これからの交流の中でさらにそういったことを知っていきたい。
また、生物学出身の自称ソフトウェアエンジニアの発表を(内心は「なんだ小動物か」と思いつつも)あたたかく見守ってくれて、さらに発表内容もおしゃべりもとてもしっかりとしていて、ぐだぐだだった自分の学生時代を思い返して消え去りたくなった。 みんなすごいなー。
さて、盛況の内に幕を閉じた本イベントですが、ひとつだけ謝罪しなければならないことがあります。 イベント中に宮崎より「Rust は宗教」という個人的な偏見にもとづく不適切な発言があったことを、心よりお詫び申し上げます。 誠に申し訳ありませんでした。
今後このような不適切な発言がないよう細心の注意を払っていきますので、次回もたくさんのご参加お待ちしております。
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