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「会社は学校じゃない。だから、楽しい。」
そう語るのは、株式会社HMit(ハミット)の代表取締役社長の濱﨑宰さん。長崎県五島市出身。かつては「田舎嫌い」を公言していた濱﨑さんが、今、福岡を拠点に「地方から全国へ」と挑戦を続けている。
大手EC企業で月商を6倍に拡大させた「スピードと実行力」を武器に、EC事業のトータルサポートを手がける濱﨑さん。そのキャリアの原点には、異色の経歴と、一本のドラマが大きく影響していた。
今回は、卸商社の営業マン、スポーツインストラクター、EC企業の店舗責任者というキャリアを経て、ECの世界で起業するに至った濱﨑さんの軌跡と、その根底にある仕事観に迫ります。
挫折と模索の先に見つけたEC。「優しい世界」を求めたキャリアの始まり
ーー本日はよろしくお願いします。濱﨑さんのプロフィールを拝見すると、五島市のご出身から、スポーツ・保育系の専門学校、そして大手ECの「タンスのゲン」へと、非常にユニークなキャリアを歩まれています。まずは、どのような経緯でECの世界に飛び込まれたのでしょうか?
僕は18歳で高校を卒業して、最初は雑貨の卸商社の営業マンになったんです。でも、当時の僕には社会人の厳しさが耐えられなかったんです。人間関係も嫌で、「こんなところで働けない」と、1年目の終わりにはもう「働けない」という状態になってました。
もっと「優しい世界に行きたい」と思って、福岡にある保育の専門学校に入り直したんです。でも、保育実習に行ってみたら、そこでもまた人間関係の厳しさを痛感して…。
それで、同じ専門学校にあったスポーツ分野に転向しました。当時ダンスをやっていたので、ダンサーとエアロビクスのインストラクターの二刀流でやっていこうと思っていたんです。
ーー営業マンから保育の専門学校、そしてダンサー兼インストラクターへ。すごい転身ですね。
そうなんです。でも、いざダンサーとして活動し始めたら、「30歳になった時に自分が踊っている姿」が想像できなくなっちゃって。それで、一旦全部の仕事を断って、セブンイレブンでアルバイトだけする生活になりました。
そんな時、最初に入った卸商社の尊敬していた先輩から声をかけていただいて。それが、ECの世界に入るキッカケになった「タンスのゲン」でした。
「会社は学校じゃねぇんだよ」ドラマが変えた人生と、コンプレックスという原動力
ーー「タンスのゲン」時代は、わずか3ヶ月で店舗責任者に抜擢され、月商を6倍にまで拡大されたと伺っています。まさに「スピードと実行力」ですが、この環境で得たものは何でしたか?
タンスのゲンは、「結果がすべて」という会社でした。僕の強みである「行動力」、つまり「スピードと実行力」がそのまま評価される環境だったのは大きかったですね。
ただ、僕は新卒のくせに、上の人にも平気で「モノ申しすぎ」て、新卒全員が怒られる、みたいなこともありました(笑)。
ーーその行動力の源泉には、何かあったのでしょうか。
間違いなく、「田舎コンプレックス」ですね。僕の出身は島で、映画館もマクドナルドもない。ドラマで見るような青春とはまったく違う生活で、「本当にこれ合ってる?」って常に疑問でした(笑)。
娯楽も限られていて、バイト禁止の高校しかなかったので、「絶対に外に出ていこう」と決めていました。いきなり東京は怖いから、まずは福岡で修行しよう、と。
ーープロフィールにある「ABEMA TV『会社は学校じゃねぇんだよ』に強く影響を受けた」という言葉が印象的です。これもその時期ですか?
大いに受けてます。
タンスのゲンの新卒2ヶ月目、大川本社の社宅にいた時です。社宅はちょうど新社宅と入れ替えのタイミングでWi-Fiもなくて、娯楽はスマホだけ。YouTubeを漁っていたら、偶然そのドラマを見つけたんです。
主人公が悪い社長に対して、独立して、起業して、這い上がっていくストーリーに強烈に影響を受けました。
それまでの僕の目標は「最短で課長になること」だったのが、あの日を境に「起業」に変わりました。主人公の「会社は学校じゃねぇんだよ」という決め台詞が、手段を選ばずに挑戦する覚悟を言語化してくれた。「学校じゃないんだから、やるしかない」と。あのドラマで、僕のマインドセットは完全に固まりました。
「とっさの一言」から生まれたミッション。メーカー目線でこだわるトータルサポート
ーーそこから起業され、HMit(ハミット)を設立されます。社名には「HelpMe!をITで解決する」という想いが込められているそうですね。
実は、最初はその想い、まったくなかったんです(笑)。
ーーえっ、そうなんですか?
はい(笑)。本当の由来は、共同代表の森と僕、「濱﨑と森のIT会社」で「ハミット」だったんです。
創業支援資金の融資面談で、信用組合の方に「ハミットって何ですか?」って聞かれて。その時、とっさに「世の中のヘルプミーをITで解決する会社です」って思いつきで言っただけなんですよ(笑)。
でも、後から「よくよく考えたら、自分たちのやりたいことが全て詰まっているな」と思ったんです。田舎時代にITで不便な思いをした経験や、IT未経験でも「一回触れてみたら、ITで救われる」っていう体験が、「ITで救われる会社はもっと多くあるだろう」という今のミッションに繋がりました。
ーーHMitは「ECコンサル」ではなく、ブランディングから出荷までの「トータルサポート」にこだわられています。その理由は何ですか?
僕らはモールEC、特に楽天のコンサルティングが得意です。でも、ビジネスの本質は楽天をやることじゃない。
タンスのゲンは、基本的にコンサル(外注)を使わない会社だったんです。だから僕らも、普通のコンサルとは違う「メーカー目線」のコンサルティングに入っています。顧客の課題から逆算して、ファンマーケットを作っていく など、最適なアプローチをトータルで提供することを大事にしています。
19人から6人へ。組織崩壊の危機と「30年間知らなかった」共感
ーー経営者として、これまでに直面した最大の困難や壁は何でしたか?
19人いた組織が、6人になってしまったことです。
今年の6月から8月くらいの2ヶ月間で、僕と他のメンバーとの間にすれ違い、距離ができてしまったんです。当時は本当につらくて、「もう無理だな」と思いました。
そんな時、別件で話していたある経営者の方に「濱﨑さん、『7つの習慣』の“共感”の部分ができていないんじゃないか」と指摘されたんです。
ーー『7つの習慣』の「共感」。
はい。それで改めて読み直してみたら、衝撃を受けました。僕、「30年間、一度も誰にも共感したことがなかった」って気づいたんです。人の気持ちを考えるという概念が、そもそも存在していなかった。
そこから、「まず自分から人の気持ちを理解する」ということにコミットしました。一度、人の気持ちを真剣に考えてみよう、と。
その結果、メンバーとの関係値が劇的に改善しました。今のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)も、 その経験があったからこそ、全員で再構築できたものです。僕にとって、「人の成長」や「人が変わっていく可能性」が、今一番のやりがいですね。
「まずやってみる」ができる仲間と、5つの事業で年商10億を創る未来へ
ーーHMitの「スピードと実行力」を維持するために、大切にされていることは何ですか?
根底にある考えとして、「行動量さえあれば勝てる」と思っています。だから、チームを率いる上でも、とにかく「まずやってみる」ことを大切にしています。
ーーでは、どのような方に仲間に加ってほしいと思われますか?
まさに、「まずやってみる」ができる方ですね。何か新しいことを「やるのは怖い」と思うかもしれませんが、責任は僕がとるので、どんどん挑戦してほしい。
AI事業なども始めていますが、AI未経験でも全く問題ありません。それよりも、ご自身のバックボーンやビジネススキル、自分の強みを明確に語れることの方が重要です。
ーー今後のビジョンについてもお聞かせください。
5つの事業で年商10億を創りたいです。それぞれの事業トップがちゃんと評価される枠組みを作りたいので、事業ごとに会社を分けて、ホールディングス化していくのが野望ですね。
ーー最後に、この記事を読んでいる候補者の方へメッセージをお願いします。
「あなたの今までのバックボーンを、うちで爆発させませんか?」
皆さんが持っているスキルや経験が、AIなどでブーストされるイメージです。「したことない」「やったことない」 ことにも、ぜひ挑戦してほしい。
うちのバリュー(価値観)は「最初の1歩を、最高の1歩へ」。これに共感して、一緒に「世の中のHelpMe!」を解決してくれる仲間と、一緒に組織を大きくしていきたいと思っています!