株式会社博展 HAKUTEN | Communication Design®
博展は体験価値の創造を通じて、企業・団体のコミュニケーションをデザインしています。オンラインイベント、WEBプロモーション、ショールーム、ポップアップショップ、プライベートショー等の企画・デザイン・制作を手掛けています。
https://www.hakuten.co.jp/
※この記事は、2021年10月に作成された内容です。(取材担当早川)
7月のALL HAKUTEN MEETINGでも発表がありましたが、今年度、6名の方が1級施工管理技士の資格を取得されました。本資格の最終合格率は15~20%という狭き門。日々現場で忙しく走り回るみなさん、一体いつどうやって勉強されたのでしょうか。取得までの道のりや今後のことをプロダクトマネジメント(以下、PM)の佐藤さんと制作の本田さんのお二人に取材しました。
※EXM=エクスペリエンスマーケティング、PM=プロダクトマネジメントの略
佐藤
2005年入社。制作として入社し、経験を積んだ後に、2011年よりPMへ転身。旧IMC部門のtoCのイベント系プロジェクトを多く担当した後、現在はユニット1でtoB系のプロジェクトを担当。山形出身で、お酒を飲むと山形弁が登場する。ブーム前からキャンプが趣味で、キャンプ歴は15年。
本田
2003年入社。制作2課長。入社以来、制作一筋18年。屋外イベントから展示会まで幅広く担当。新素材導入や工法開発、若手教育面にも力を入れている。未知のプロジェクトに燃えるので、新しいプロジェクトのご相談は随時受付中。サックスとサッカーが得意。
早川 取得のきっかけはなんだったのでしょうか?
本田 きっかけは会社に言われたからです笑。また社内で既に取得しているメンバーが、資格を名刺に書いていて「箔がついて良いな」と以前から思っていました。資格がすべてではもちろんありませんが、そういった肩書きは技術力の証明として、クライアントや関係者からの信頼獲得には役立つんじゃないかなと。
もう1点は、資格取得報奨金※として15万円もらえるという点。実はこれが原動力でした笑。
※資格取得報奨金制度
個人のキャリア形成や成長促進、業務の拡張を目的に、一定の資格を取得した際に報奨金を支給する制度。一級施工管理技士資格を取得すると、報奨金15万円が支給される。
佐藤 私も報奨金が原動力でした笑。
まじめな話もすると、大型の現場を管理する際には、常駐で専任の監理技術者※を立てる必要があると建設業法で定められています。例えば博展が担当した東京モーターショーのマツダブースの様な規模だと監理技術者が必要となりますが、当時はその資格を保有していなかったため、保有者である白川さんに現場に入ってもらいました。自身が監理技術者と名乗れるようになれば、大型現場を担当できるようになりますし、そういった人が増えれば博展としても、大型案件への対応力を高めることができますよね。
※監理技術者
元請負の特定建設業者が当該工事を施工するために締結した下請契約の請負代金総額が4,000万円以上になる場合に当該工事現場に専任で配置される、施工の技術上の管理をつかさどる技術者のこと。
1級建築施工管理技士資格者となると、監理技術者として必要な「監理技術者資格者証」を取得することができる(厳密には、別途講習受講等も必要)。
早川 今回新たに6名の方が1級建築施工管理技士資格を取得されたことは、博展全体の大型案件への対応力が大きく高まったことを表していますね!
早川 試験の概要を教えてください!
本田 下記のような流れになっています。
※令和3年4月より、試験内容等変更あり。上記は変更前のもの。詳細は国土交通省サイトにて。
早川 2回の試験があるんですね!実務で日々忙しい中かと思いますが、いつどうやって勉強したんですか?
本田 一次試験(学科)はひたすら携帯アプリをやっていました。行き帰りの電車でひたすら毎日。二次試験(実地)は学校へ通いました。
仕事が終わった後に、事務所でもやったり、休みの日は北千住の落ち着くカフェを見つけて、そこで勉強していました。
佐藤 私は一次・二次ともに学校に通いました。といっても、WEB講習で完結するものでしたが。通った結果、一次は独学でいけたなぁと思いましたが。。私もひたすら電車の中でやっていました。現場や会社の行き帰りなど。
その他、一級建築士資格を持つ業務推進部の松浦さん主催の勉強会もあったので、そこにも参加して、試験対策をやってもらいました。
職場でも、みんなで取得しようという流れもあったので、完全一人の勉強では受からなかったかもしれませんが、お尻をたたき合いながらやれましたね。他にも、家族が休みの日も勉強する時間や環境を作ってくれたり。
早川 周囲の方の協力もたくさんあったのですね!ちなみに勉強期間はどれくらいの期間ですか?
本田 一次試験は1回延期で半年ずれたので、本来3か月程の予定だったところが、9か月程の期間がありました。アプリで勉強を続けた結果、本番は60点満点中54点とれました。
佐藤 9割はすごいです。私は7割程度でしたから。ちなみに合格点は6割です。
二次試験は2,3ヶ月程度の勉強期間でした。二次試験は、論文形式の試験です。何パターンかの出題形式が毎年か入れ替わりながら出題される傾向なので、パターン毎にひたすら記述の勉強をしました。電車でもずっと書いていましたね笑。試験日の前日まで連日現場で、電車でヘロヘロになりながらやっていました。
早川 お話伺っていると、受験を思い出します。合格したときの気持ちはいかがでした?
本田 単純にうれしかったですね。大学受験に合格した時以来の気持ち。
佐藤 久しく感じてない喜び。日本の工事現場どこでもたてるぞと笑。
早川 ここからは試験内容や、資格取得がどう仕事に繋がっているのか、教えていただきたいです。試験内容は、日常業務と通ずるものなのでしょうか?
佐藤 工程の考え方や品質管理の考え方は共通するものが多く、試験の上でも役立ちましたが、単語等は新しいものがほとんどで、仕事の内容とは全く別物でしたね。本当に、学生時代のようにゼロベースで勉強した感じ。
本田 新しいことが多くて、それが結構面白かったですね。例えばゼネコンのような工業工事の施工管理ってこうやってるんだ、という自分たちのやり方との違いが分かりました。
早川 違う方法を知ることで、自身の日常やっている方法にも意味を見出せたり、客観的に見れたりして発見がありそうですね。勉強して実務に役立ったことはありましたか?
佐藤 新しくなにかを獲得したというよりは、自分たちがやってきたことがぶれていないと確信できたことが大きいかなと思います。PMとしてやってることは、「品質管理」、「コスト管理」、「工程管理」の3つ。勉強してみて、この考えはどこでも共通しているものなんだなと。そこへの知識が深まったことが良かったことですね。自分が工程を組む際やコスト管理をする際に活かせる点は多いと思います。
早川 ちなみに現在、資格は社内で合計11名の方がお持ちですが、制作は本田さんが初めてですね。制作の方にとっては、どんな利点があるのでしょうか?
本田 パイオニアですね笑。
直近で言うと、防水工事の排水装置製作のシーン。案件で木工で製作したステージから水を排水したいという要望があって、防水のコーキングを使用して対応しました。その案件が終わった後に、学んだ知識と照らして、こうすればよかったと思うところが色々出てきまして。
そういった意味で、学んだ知識は現場へ応用できるものも多く、製作時のアイデアの幅が広がるかなと感じています。
早川 これから資格取得を考えている方へ伝えたいことはありますか?
本田 資格をとれば、将来安泰するとか、食いっぱぐれることがなくなるとか言いますが、正直本人のやる気次第だと思うんですね。持っていたところで食いっぱぐれるし、資格取得はゴールでもなんでもない。
佐藤 資格取得は大事なことだし、嬉しかったことでもあるけど、それ自体に大きな意味があるわけじゃないんですよね。
本田 アイテム増えたなという感覚です。名刺に書けるし、報奨金ももらえるし笑。
早川 その後が大事ということですね!資格取得を踏まえてチャレンジしたいことはありますか?
佐藤 人によっては、例えばやったことない商環境案件にチャレンジしてみたい、とかもあるだろうけど、自分はあんまりなくて。広げていくというよりは、やってきたことに更に磨きをかけて専門性発揮していきたいと思っています。
本田 私は色々な現場に入りたいですね。今までやってこなかったような難易度、ジャンルのものにチャレンジしたいと思っています。
早川 本日はお忙しい中、ありがとうございました!
本田さん、佐藤さん、合格されたみなさま、本当におめでとうございます!!