こんにちは。グラフインターン生の松熊です。
私は、10月19日に幕張メッセで開催されたCEATEC JAPAN 2018に参加しました。
CEATEC JAPAN 2018とは?
CPS/IoTを活用し、あらゆる産業・業種の連携により、「超スマート社会(Society 5.0)」の実現を目指すためのカンファレンス。IoT関連のメーカーのみならず、IoTを事業に取り入れた多様な業種の企業がブースを並べていました。
今回は特に、センサーを製造している複数のメーカーから導入事例をお聞きすることができました。
そこでカンファレンスを通じて学んだ、今後の社会におけるセンサーの役割と、最先端のセンサーの導入事例についてお伝えします。
センサーはフィジカル空間とサイバー空間の架け橋
CEATEC JAPANが実現を目指すSociety 5.0とはいったい何でしょうか?
内閣府により定義されたSociety 5.0という言葉には、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会という意味が込められていて、その特徴は、フィジカル空間(現実世界)のコピーをサイバー空間に作り、サイバー空間を通じて全ての人とモノがつなげる点にあります。
1980年代以降、私たちが暮らしてきた情報社会(Society 4.0)では、必要な知識や情報が各国家・企業ごとに分断され共有されていませんでしたが、Society 5.0では知識・情報を共有することで、イノベーションの加速が期待されています。
そしてセンサーは、Society 5.0においてフィジカル空間の一部分をコピーする機能を持っています。
企業、家、公共の場所など、多様な人々が様々な目的でセンサーを導入していくうちに、サイバー空間ではフィジカル空間のコピーが充実していくでしょう。
それではセンサーは私たちの生活をどのように変えていくでしょうか。
CEATECで見かけた3つの面白い事例をご紹介します。
街中のごみ容器がいつもきれいに?
1つ目の事例は、センサー付きごみ容器です。
今までは、ごみ回収担当者が全ごみ容器を定期巡回していましたが、ごみがたまっていない容器も巡回していた一方で、ごみがあふれてしまった容器もありました。
そこで、ごみ容器の上部内側にセンサーを取り付け、センサーからのごみの距離から蓄積状況を検知し、蓄積量データをため込みました。
その結果、一定量を超えたごみ容器のみ巡回することで、回収業務の効率化と美観維持の双方に貢献できたようです。
これは、公共施設でも商業施設でも利用でき、さらに経済的なメリットと美観の向上をともに達成できる点で、とても意義のある事例だと感じました。
嗅覚センサーで接客品質向上?
人間の五感に相当するセンサーのうち、最も難易度が高いとされる嗅覚センサーも最近は技術が進みつつあるようです。
例えばレストランでは従業員が意図せずに口臭や体臭によってお客さんの気分を害してしまったとしても、従業員やお客さんはなかなか指摘できませんよね。
その場合は、嗅覚センサーを用いれば容易にその従業員ににおいを改善するように伝えられます。
禁煙区域でこっそりタバコを吸う人を注意する場合にも、工場で食品が腐敗していないかを検査する場合にも使えるかもしれません。
私も外出前に体臭をチェックしてくれるセンサーが欲しいです!
家庭用センサーがあればリモコンはもういらない!
家庭用のセンサーを出店しているメーカーも多くありました。
お話によると、家電を家庭用センサーに連携させると、スマホのアプリで家電を集中管理できるそうです。
そうすれば、「テレビのリモコンを手に取ったつもりがエアコン用だった」、もしくは「照明のリモコンが見つからない」といった面倒事もなくなりますね。
さらに、GPS連動機能を使えば、スマホを持って指定エリアから出ると照明・エアコンを自動でオフにでき、また指定エリアに入ると自動でオンにできるそうです!
わざわざタイマーや遠隔操作を使う必要さえなくなるとは本当に驚きでした。
センサーはだれでもどこでも利用価値がある
私にとって、センサーは工場や公共施設でのみ使う、人々の生活から遠い機械だという印象を持っていました。
しかし、CEATEC JAPANへの参加を通じて、センサーはレストランや家の中など実生活にとても身近に導入されうるものであることがわかりました。
今後、センサーはますます私たちの生活空間の中でも存在感を増していくでしょう。
Society 5.0は本当に実現するのだろうか?
それぞれの人々・団体が自らの利益のために導入したセンサー1台1台が、私たちが生きるフィジカル世界の一部分をコピーしていきます。
しかし、そのバラバラに集められたコピーの断片を統合するには、やはり利害関係や規格の違い、技術など多くの障壁があると感じました。
例えば、ひときわ大きなブースを並べていたセンサー技術を持つ大手メーカーの多くは、センサー本体のみならず、センサーからとれるデータの解析業務やコンサルティングもセットで行っているようです。
当然ながら、大手メーカーは自ら取得・解析したデータを容易にオープンにしようとはしないでしょう。
今後、センサーにより集められた知識・情報がどのように用いられていくのか、注視していこうと思います。
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