代表取締役CEO 菅野圭介 | Keisuke Kanno
2008年にGoogleへ入社しAdMob やYouTube のプロダクトマーケティングなどを担当。2014年に代表取締役CEOとしてスマートフォン動画広告プラットフォームを開発・提供するFIVE を創業。2017年にLINEによるM&Aで同社グループ入りし、2021年までカンパニーエグゼクティブとして広告事業を管掌。2021年10月にgoooodsを創業。
取締役COO 埜々内ルイ | Louis Nonouchi
米国出身。PwCおよびBooz Allen Hamilton で戦略コンサルタントとして従事。2011年にGoogleに参画しYouTubeの日本ローンチを牽引した後、Amazon Audible のオペレーション責任者として日本市場でのローンチに導く。2016年にはGoogle のアジア太平洋地域責任者として、Chromecast, Pixel, Google Homeなどハードウェアビジネスを統括。 2021年10月にgoooodsを創業。
取締役CTO/CPO 松本大介 | Daisuke Matsumoto
東京工業大学大学院でコンピュータ・サイエンスを研究し修士過程を修了後、ワークスアプリケーションに研究開発職として入社。2014年にFIVE を創業し、VPoEとしてプロダクトの成長を牽引。LINEによるM&Aの後は、LINEのプロダクトマネジメントを複数の領域でリード。2021年10月にgoooodsを創業。
取締役VPoE 佐藤喬之 | Takayuki Sato
大阪大学大学院理学研究科生物科学を修了後、Yahoo!Japanへ入社しYahoo!オークションのソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタート。その後GREE にてリードエンジニアとして広告ネットワークのデマンド・サプライのロジック構築などを担当。2015年にFIVEに参画し、オークションアルゴリズム、配信ロジック、CMS構築など様々なプロダクト開発を牽引。2021年10月にgoooodsを創業。
二度目の起業。信頼できるチームで社会に大きなインパクトを与える事業を創りたい
皆さんがgoooodsを起業するに至った経緯や創業に込めた思いを教えて下さい
松本(ダイマツ)
僕はFIVE※を創業してM&AでLINEグループ入りして、PMI(買収後の統合オペレーション)を経て売上を5倍に増加させることができたこともあって、一回目の起業は一定やりきった感覚がありました。
※菅野と松本は2014年にスマートフォン動画広告プラットフォームを開発・提供するFIVE を共同創業。VPoEの佐藤はFIVE創業期からの同僚
一方で、FIVEのビジネスはあくまでスマホのスクリーンの中に閉じたもので、世の中に与えたインパクトは限定的だったので、社会への影響が大きなビジネスをゼロから作りたいと思っていたんですよね。
菅野
あえての質問ですが、2回目の起業も菅野と一緒にやろうと思ってくれたのはどういう理由だったんですか?笑
松本(ダイマツ)
一緒に経営した経験から信頼関係があったからというのが一つ目の理由で、菅野さんのビジネスや人に対する誠実さをよく理解してたというのが大きいです。
二つ目の理由は、菅野さんは人を口説いたり、巻き込んでその気にさせるのが非常に上手いのですが、自分は開発やオペレーションなどビジネスを推進する所に強みを持っていることもあり、スキルの補完関係があると思っていて、良い関係性だと思っています。
菅野
僕の場合は、ダイマツさんが一回目の事業での結果に全然満足していないな、まだまだ野心を持っているな、と思ったのですよね。そのハングリーって、スタートアップを成立させる必須な要素だと思っていて、実際にチームへの推進力を生んでくれています。
CEO菅野は人を巻き込む力に長けた”人たらし”。エンジニアの2人とは補完関係で支え合う
佐藤
僕もFIVEには創業期にジョインしたので、何もないところから事業を作り上げるスタートアップ的な楽しさは感じた一方で、一人のエンジニアとしてできることに限界というか、物足りなさを感じたこともあり、LINEへのM&A後は退職して自分で色々やっていました。
その中で自分は人を巻き込む力が弱いというのを感じていたのですが、明確にそこに強みを持つ菅野さんから声をかけてもらって、是非一緒にやりたいと思った感じですね。
ルイ
私と菅野さんはGoogle時代の同僚で、Youtubeの仕事をしていたときに出会ったのですが、菅野さんがGoogleを退職した後もプライベートで仲良くしていました。それで1年前に菅野さんから「ルイが夢に出てきたんだよ」っていう誘われ方をしました(笑)
松本(ダイマツ)
菅野さんの人たらしな一面がよく出ていますね。(笑)
ルイ
私が以前「日本には素晴らしい製品がたくさんあるので、それを世界に広げられたら良いのに」という話をしたのを覚えてくれていて、それでgoooodsに誘ってくれましたよね。
COOのルイは良いグッズ、モノへの興味が人一倍強い
菅野
ルイさんは人としてめちゃめちゃナイスガイで、プライベートで家に招待して料理を振る舞ってくれたりするんですよ。
僕も家族ぐるみで仲良くさせてもらっているのですが、ルイさんの家の洗面所って色んなスキンケア用品とかが置いてあって、うちの奥さんが羨ましがってたのがすごく記憶に残っていました。
様々なブランドの製品を取り扱うgoooodsの事業には良い製品に対する興味が強いルイさんの力が必要だと感じたんです。
ルイさんは生まれも育ちもアメリカですが、goooodsはビジネスモデルの特性上必ずグローバルに展開していきたいと思っているので、グローバル感覚のあるルイさんがチームにいてくれるのはすごく心強いと思っています。
ITの力でIT以外の業界の経済成長を牽引したい
goooodsをどんな会社にしていきたいですか?
菅野
goooodsは多くの人がビジネスを通じて自信を持って挑戦ができる "Everyone, entrepreneur" の世界を作ることをミッションとして掲げています。
いま捉えようとしているB2Bコマースの領域も、顧客基盤ができると様々な切り口での事業のモデルが成立しうる裾野の広さも感じます。産業構造や文化に影響を与える世界的な事業を作る挑戦をしていく会社にしたいですね。
松本(ダイマツ)
経済成長を牽引するような会社にしたいですね。
僕はアメリカ人のルイさんと深く付き合うようになって驚いたのですが、ルイさんの生活スタイルを見ていると良いものにはちゃんとお金を使ったり、人生を豊かにすることを重視しているように見えます。
一方僕はこれまで「節約するのが良いこと」という価値観の中で育ってきていて、根が貧乏性っぽいところがあるんですよね。
もちろん個人差はあると思いますが、この違いを言語化するとアメリカは世界基準で見て経済成長している国で、収入の増加などを身近に感じられる環境だったと思うんです。日本は30年間経済が停滞しているので、この感覚の差は大きいと思っています。
その中でもIT業界は数少ない経済成長してきた産業で、業界の給与水準もぐっと上がってきているのを感じます。ITの需要は今後も高まり続けるはずなので、日本においてもIT業界は放っておいても成長するでしょう。日本全体のことを考えると、いかにITの力でIT以外の業界の生産性を高めて経済成長に繋げていくかが重要だと思っています。
特に業界が専門的になるほど課題にも気づきにくくなりますし、誰かがやらないとそのまま放置されていくと思うので、ここを僕たちがやっていく意義は大きいと信じています。
幸福度を高めることが、経済成長につながる。挑戦し上手くいくことで自信につながる。goooodsはその挑戦を縁の下で支える
菅野
すごく大事なことが言語化されていますね。ダイマツさんが言うように、日本の経済は長らく低迷していて成長実感がない。そしてOECD加盟国の幸福度ランキングのうち、日本の主観的幸福度はG7で最下位、全体で54位に位置しています。
長らく続く経済低迷による閉塞感はその一因とされていますが、私は実は因果が逆で「経済が成長しないから幸福度が低い」のではなく、「幸福ではないから経済も成長しない」のではないかと考えています。
主観的幸福につながる因子は複雑に存在していますが、「社会における自由度」「自信」「自己肯定感」が日本は非常に低いことが統計からも分かります。
高校生に「自分は価値がある人間だと思うか」と問うと、米中韓の80%以上が肯定的な回答をしたなかで、日本では半数を割る44.9%しか自分が価値があると思っていない衝撃的なデータも存在していて、まず自信を持って幸せになる。これが経済を成長させるためのキー・ドライバーなのではないかなと。
情熱を傾けて自らのブランドを立ち上げること。ショップオーナーとして商品を仕入れて販売すること。オンラインクリエイターとしてライフスタイルを発信すること。副業で好きな商品をセレクトして販売すること。
こうした経済活動は、自らの意思で収入を得て、選択肢を持ち、自信を深め、将来を楽観し、有益なつながりの中で「幸せ」に寄与します。その結果として、経済の成長が実現されるのではないでしょうか。
作り手も売り手も、それぞれの情熱を追い求める挑戦者であり、goooodsはこうした人々が自信や有益な繋がりを育むための基盤になりたいですね。
あらゆる立場、境遇の人が集まり活躍できる組織をつくる
組織やチーム作りの面ではどうでしょう?
ルイ
事業を成長させるためには色んな視点を持った人の力が必要だと思っていて、それは出身業界もそうですし、国籍、性別、性的嗜好など多様な価値観の人が集まっていたほうが結果的に強いチームになれると信じています。
そのためにはワークスタイルとしてはリモートワークなどフレキシブルな働き方が可能なのは大前提ですし、どんな立場の人でも疎外感を感じない心理的安全性の高い組織を作りたいですね。
菅野
殊更「ダイバーシティ」を主張するのではなくて、実態として多様な人達がいるし、ただ組織内の比率をどうこうという話ではなく、社会の制度上マイノリティな立場になってしまう人たちもベネフィットを感じられる社内制度があったり、そういうのを当たり前にやっていきたいですね。
情報の透明性を高く保ち、全員が対等に自発的に動けるチームにしていく
佐藤
文化の話でいうと、情報の透明性を大事にしたいですね。誰もが同じ情報にアクセスできるのが好ましいと思っていて、情報の非対称性がない前提で議論ができると、それだけで共有のコストが省けますし、一人ひとりが積極的に判断したり意見を出したりすることができます。
松本(ダイマツ)
そういう自律性は組織の規模が大きくなるほど差を生むようになってきますよね。ドキュメント化するのは大変ですが、そのコストを上回るメリットがあると思います。
あとは、お互いを承認する文化は大切にしたいなと思っていて、何かのアウトプットに対して建設的な議論ができるようにしたいですね。
完成度が低かったとしても、責めるのではなくクオリティを高めるためにはどうしたらいいか建設的に議論をすべきであって、それがアウトプット自体は承認されるような組織文化を築いていきたいですね。