「お盆」と「お正月」が短くなっているように思います。暦の話ではありません。
昔は先祖を迎える8月12日前後から、少なくとも15日までは、普段一緒に過ごす時間。
家族単位は膨らみ、祖父母や従妹に至るまで、同じ屋根の下で過ごす時間がありました。
僕は1982年生まれの36歳なので、別に独りでも出来るだろう発売直後のRPGを、皆でテレビの前に噛り付いて進めたことをよく覚えています。
そのとき、お酒を介した親や親戚が、真面目な話をする時間もありました。子供心に割り入ってはいけない時間だと感じました。
「将来的にこの家はどうするのか」「贈与はこの順番で大丈夫なのか」。
相続資産が潤沢にあった家は、もっと多くの「親(世代)の資産を考える時間」が必要でした。なかなか日常生活でそれを確保することはできないもの。
そして電話で話し合う内容ではない。顔を見て話し合いを進める格好の時間がお盆、そしてお正月でした。加えて言うと、お正月は新年を迎える時間のため、あまり相続を話し合うには似つかわしくない。今年のお盆で話し合いができないと、次回は翌年のお盆まで持ち越されます。病気、ケガ、今年決まったことのひっくり返し。それぞれ日常に戻った家族は、「来年まで何もないといいね」と話をします。夏休みの終わりです。
ところが現在、生活の多様化により、お盆といっても1日2日で里帰りを終える家族が増えていると聞きます。当然、相続や贈与を話し合う機会は少なくなってくる。
いずれ相続のときに、「自分たちは話し合いに入れて貰っていない」「これは誰が決めた相続案なのか」お盆が短くなったことが、家族における不協和音を増やす。
それが原因で、争族が増える。
インターネット社会というより、文章も音声もリアルタイムで交換できる現在。Technologyが何が出来ることはないのか。家族を繋ぎとめることはできないのか。
WEB記事の仕事で、FPとして痛感した僕は、インターネットを使った相続試算サービスを作り、専門家を介してChatで相続相談を行うサービスに発展させていきます。
年内にかけてこの「インターネット×相続」がより身近なものになるよう、いくつかの機能を追加実装し、いよいよ地方展開を進めていきます。
心にあるのは、FPとして感じた「争族をなくしたい」という想い。これが始点です。
現在提供しているのは、レタプラβ版としての試算機能とLINEの共有機能。まだまだ伝えきれない部分にもどかしさを感じながら、開発とBizDev(サービス紹介)を進めています。
来たる2年後、2020年には「お盆が来るからレタプラを使おう」という声が、日本全国に生まれてくれることを願っています。
そのために、これからもご期待ください。
2018年のお盆は、僕等はほとんど何もできないけれど、家族が集まって、相続のことを話し合って、将来の争族が一件でも減ることを祈念しています。
株式会社FP-MYS 代表 工藤 崇