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ChatGPTによる広告業界の変化についての簡単な考察とハイブリッドエージェンシーについて

FOR YOUで執行役員CMOをしている筧(@kakehi_)です。

3月10日にFor you社はロゴを変更、4月10日に会社の正式名称をFor youからFOR YOUへと大文字に変更いたしました。

コーポレートロゴを変更した経緯や想いについては、野田社長の下記noteに詳しく記載されていますのでこちらをご覧ください。


ロゴの改訂作業は広告業界で15年ほど働いていて10回もないくらいなので、滅多にないと思ってもよいかなと思っています。
自分としても自分が所属している会社のロゴを変えたことはなかったので(当たり前ですが)、新鮮であり緊張感がありました。

基本的には会社とは社長であり、会社の顔は社長です。社長の次に顔となるのがロゴやVIだと思っているので、社長の想いを大事にしつつ、社員が大事にできることが重要だと思っています。

合わせてコーポレートサイトもリニューアルしております。

FOR YOU Inc.芸能人(≒インフルエンサー)を起用した10代・20代向けのコンテンツ×SNSマーケティングの企画制作会社 / インフルエンforu.co.jp

「実績も増えて、メンバーも増えたし、もっと大人でインパクト、勢いがある感じでお願いします」というざっくりしたオーダーにしっかり答えてくれた工藤さんには感謝しかありません。

FOR YOU社にはWEBサイトのオーダーはあまりありませんが、得意なメンバーがいますので、ぜひお仕事欲しいですね。

ロゴリニューアルに合わせて、会社のミッションも改訂しました。

新しいミッションは
「広告と芸能のハイブリッドエージェンシーを確立し、広告業界と芸能業界を革新する」です。

ハイブリッドエージェンシーというのは、広告とタレントのエージェンシーの両方の事業を行っていることから名付けました。
日本にはこのような業態の大きな企業はまだありませんが、このビジネスモデルがうまくいっているという認識をまずは広めたいと思っています。

こちらのミッション改訂についての詳細はCOOの小栗が下記noteで書いていてくれています。


社内向けでも書いているので、熱め、エモめ、の内容もありますが、そういったモメンタムも感じていただけると嬉しいです。

目次

  1. ChatGPTができて広告業界・タレント業界はどう変わっていくのか
  2. 広告業界とタレント業界において変わるもの
  3. 広告業界とタレント業界において変わらないもの
  4. これからも求められる提供価値
  5. ①複雑な状況を解決する力
  6. ②フィジカルな体験を提供すること
  7. ③意思決定の支援
  8. ④実施の支援
  9. ⑤リーダーシップ
  10. 広告と芸能のハイブリッドエージェンシーの説明

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ChatGPTができて広告業界・タレント業界はどう変わっていくのか

さて、タイトルの話に戻りますが、FOR YOU社は広告事業とタレント事業の二つが事業の柱になっています。ChatGPTを中心とするジェネレーティブAIが登場し、広告業界もタレント業界も大きく変わっていくことでしょう。

(ここからは自分としての考察と、社員に対して変化について知って欲しいという意味で書いています)

友人と話していて、このインパクトに対する反応が人によって違うよね、という内容になりました。
個人的にはスマホが登場したときのインパクトよりも大きく、インターネットが登場したくらいのインパクトがあると思っています。

この変化をどう捉えて、どう対応していくのか、ということについて、考察・妄想していきます。

下記は深津さんのnoteの画像ですが、上からの2行目に今はいます。ただし、かなり曖昧な質問をしても答えられるのは使ってもらえればわかりますよね。3行目に移行するのはここ1、2年で確実に進むでしょう。


上記の図はプログラムの話ですが、これがあらゆるインプット、あらゆるアウトプットに領域が広がっていきます。

どこまで影響を与えていくのか、まだ肌感覚がつかめていない人がほとんどでしょうか。
個人的にはマーケティングに関わる仕事のほとんどは影響を受けることになると思っています。多くは人がやらなくても代替されることになるでしょう。

このあたりについて今思っていることをできるだけ記載していきつつ、FOR YOU社のハイブリッドエージェンシーという業態が、どう社会に対して価値を提供するのかを説明していきます。

広告業界とタレント業界において変わるもの

まずは変わるものを列挙していきます。

  • 運用型のデジタル広告はこれまで以上に自動化が進みます。レポートまでほぼ完全自動化される。
  • 広告に使われる撮影を伴わないバナー素材や動画広告素材は、完全に自動化されるでしょう。人が介在せずに運用できる世界が近い将来くる。
  • 撮影を伴う広告素材制作についても自動化が進む。タレントが必要なものも許諾を得て、自動的に生成されます。テレビCMのような巨額の予算がかかるものから導入されていくため、結果的に撮影をすること自体が贅沢なことになるでしょう。CMを本当に撮影するなんてすごいね!という時代になる。
  • タレントの肖像権や広告権利のあり方は考え直す必要があります。ここにも変化が必要です。
  • インフルエンサーのキャスティンリストなどは自動で瞬時に出される。
  • キャンペーン企画は簡単なものはAIで代替されるし、キャッチコピーの企画も60点、70点程度のものであれば量産されるため、人が介在しなくてもアイデアを扱えるようになる。
  • 上記のようなことが起こり、事業会社の広告宣伝部門において、企画と制作の内製化は進んでいくと思います。

広告業界とタレント業界において変わらないもの

続いて変わらないものを列挙していきます。ただこれは妄想なのでこれも自動化されるよ!というものも多く含まれると思います。

  • 意思決定すること・決めること
  • コミュニケーションすること、プレゼンテーションすること
  • イベントやセミナーなどフィジカルな体験を提供すること
  • 変数がインプットできないほど多いもの、あるいはインプットとして想像できないもの
  • これまでに実施されてきていないほど突飛なもの・想像できないアイデア
  • 全体をまとめること、抽象化すること

書いていて、これはできそうだな、、、と思うものもありますね。完全にはできなかったとしてもサポートできるものはあるなと思いました。

正直、事業会社の内製化は進み、マーケティング支援側の役割は減る、あるいは変化していくと思います。

では上記を踏まえつ、マーケティング支援側がもつべき提供価値は何なのか?

これからも求められる提供価値

いきなりジェネレーティブAIが席巻する世の中は来ませんが、マーケティング分野における導入は他分野よりも学習が早く、導入もしやすい、その支援業社も多く現れることになるので、比較的早く変化が起きるのだと思います。そうした変化の中でも残りそうだと思っているものをまとめます。

①複雑な状況を解決する力

1問1答のような形はAIのほうが優れてくる際に、1問1答を20個実施したときに、それをどう捉えるのかという答えを持つことはおそらく難しいです。ただし、どんどんできるようになると思われます。

現状で考えると複雑な状況、変数が多いような状況のほうが人間が介在する価値は高いのではないかと考えます。
たとえば、広告であれば単一の手法ではなく、複数の手法を組み合わせるにはどうしたらよいか、全体をまとめあげるにはどうしたらよいかについては人間のほうが優れている。

②フィジカルな体験を提供すること

フィジカルな体験はAIだと提供できることはありません。ただしロボットの開発も急速に進んでいるためフィジカルな体験のうち人間が提供するようなものは代替が進んでいくでしょう。

ただし、五感に対してアプローチするものに関しては脳に電気信号を埋め込む時代が来るまでは最終的には実現しないので、フィジカルな体験を提供することは残っていくかなと思います。そして逆に価値は高まっていくでしょう。

③意思決定の支援

複雑な状況に対して、インプットをすることはできるようになりますが、多くの変数を入れることによって最適化された答えが出るものの、それが本当に正しいのか、その判断をしてもよいのかという意思決定が残ります。

そこに対して知見を持ちながらこう解釈すればよい、こう考えるべきだ、という支援も残ります。
たくさんのアイデアを出したとしても十分な経験がなければ意思決定することはできません。その部分に経験によって支援をおこなうことは一定残っていくでしょう。

④実施の支援

プロジェクトマネージャーの仕事は効率化されるものの残っていくでしょう。人は機械に言われても動きづらく、人に指示されないと動きにくいものです。
ただし、人がAIを使うような部分が増えていくとこれもどんどん変わっていくでしょう。実施の支援をするプロジェクトマネージャーは残りつつも、その先には多くのAIを駆使するような形になっていくかもしれません。

⑤リーダーシップ

AIの答えが完全だったとしてもそれを完全に信じることが難しい時代は続くはずですし、意思決定を必要とするためにそこを信じきれないというものは永久に発生する。その結果、意思を持って前に進める役割は求められ続ける。人は意思を持った人、成し遂げられる人に仕事をまかせるのですから。

広告と芸能のハイブリッドエージェンシーの説明

このような大変革の時代においてFOR YOUはどのように価値を提供していくのか。
まずはハイブリッドエージェンシーの説明ですがこちらの1枚で言いたいことの大半はまとめられています。

広告代理事業

広告代理店は、メディアとクリエイティブの機能でできており、マスからデジタルの普及に伴って変化してきました。
マスからデジタルの変化はさらにすすみ、そこにソーシャルメディアが普及することにより、枠から人へという変化が起こりました。

今、広告視点でみた時にメディアというのは、タレントやインフルエンサーが力を増してきています。

メディアとクリエイティブで広告代理店ができるのであれば、今あるべき広告代理店は、影響力を持つ人とクリエイティブ機能と言えるでしょう。

タレント事務所事業

タレント業界から見たときに、過去はテレビに出ることが大きな正解だった時代から、SNSやそれ以外でマネタイズできる方法が増え、個人で活動できる間口が増えていきます。AIによりそれはおそらく加速するでしょう。

ただし、ビジネスのことに興味があったり、AIを使いこなしたり、全てのことができるタレントやインフルエンサーは一握りでしょう。
それをFOR YOUでは考え、実現しようと思っています。

もちろん、タレント事務所としてしっかり価値を提供することと、ハイブリッドエージェンシーとして広告代理店機能を持つことで、自社に所属しているタレントを起用することができ、そこにビジネスの循環を作ることでタレントの所属する意味を持ってもらうことも実現していきます。

広告業界視点からの提供価値

ChatGPTなどの出現により変化があるのは、企画費と制作費に関わる部分でしょう。ただのSNSアカウント運用などはどんどん自動化されていくのは確実です。テレビやデジタルの枠もシステマチックに落札される世界はすでにきているように進んでいきます。

そういった自動化の流れの中で、広告業界で自動化されないのは、「人」を扱うときです。なぜならば人はファンを持ち、肖像権を持ち、仮に撮影がなくなり動画の広告素材が自動生成されたとしても、人気のある人を活用することに対する対価は発生します。

よって広告業界視点から見たときに、人をアセットとして持っていること、扱うノウハウがあることは、提供価値として残り続けますし、むしろ相対的に付加価値は増していく方向にあると考えます。

タレント事務所視点からの提供価値

テクノロジーに詳しいタレント事務所は多くはありません。新しいテクノロジーを検証し、活用方法を使えるようにするタレント事務所の付加価値、所属する意味が上がるのは必然でしょう。

依然として広告はタレントをマネタイズする手法として大きな割合を占めることは変わらないとしたときに、タレント自身のマネタイズの新しい手法を取り入れながら提案することができる広告代理店機能の重要性はむしろ増していくでしょう。

「チャンスと捉え、利用する」のが正解

これほどわかりやすく変化に対応しなければいけないと感じることもありません。
インターネットが出てきたときよりも、スマートフォンが登場したときよりも、「自分の仕事が奪われるな」という感覚がはっきりありました。

こういった大きな変化の時代に、それをリスクと感じられることがまず重要です。茹でガエルにならなくて済むのですから。

リスクと感じることさえできれば、僕らがやれることは
「チャンスと捉え、利用する」だけです。

自分だったらどう活用するのか、
新しい活用方法を考えてみましょう、
新しい仕事を生み出してみましょう。

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