魅力的なデザインは、良いWebサイトに必要な要素の1つですが、それだけでWebサイトの成功が保証されるわけではありません。いくら見た目が良くても、ビジネスにとって効果的でなければ、そのWebサイトは良いものとは呼べないでしょう。
ビジネスにとって有益なWebサイトを作るには、単に魅力的なデザインを追求するだけではなく、ターゲット層などを考慮し、ビジネス目標に沿ったWebサイトを作成する必要があります。
そのためには、Webマーケティングの知識が役立ちます。
WebデザイナーがWebマーケティングの知識を身につけると、Webサイトのデザインにマーケティングの視点が加わり、よりビジネス的な視点からWebサイトをデザインすることができます。
Webマーケティングは、インターネットの普及に伴い、ビジネスにおいて不可欠な要素となっており、Webデザイナーにとっても重要な知識や技術の一つとなっています。
この記事では、Webデザイナーの仕事に役立つWebマーケティングの知識にフォーカスして、その具体的な活用法を交えながらご紹介します。
Webマーケティングとは
Webマーケティングとは、インターネット上で商品やサービスを販売するためのマーケティング手法のことです。
具体的には、SEOやコンテンツマーケティング、SNSマーケティングなどの手法を用いて、ターゲット層に対して効果的に商品やサービスをアピールし、顧客獲得や売上増加などの目的を達成することを目指します。
Webマーケティングの手法の中で、Webデザイナーにとっては、SEOとUXデザインがとりわけ重要になってきます。
SEO
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SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジン最適化のことで、Webサイトを改善してGoogleなどの検索エンジンの検索結果ページで高い順位を獲得することを目的としたマーケティング手法の一つです。
この手法では、検索エンジンのアルゴリズムに合わせ、Webサイトの改善を施すことで、検索エンジンからのアクセスを増やすことを目指します。
WebデザイナーがWebサイトのSEOを向上させるためには、いくつかの手段が挙げられます。
タグの最適化
ページのタグや構造を最適化することで、検索エンジンがページを正しく理解し、ランキングを向上させることができます。HTMLのメタデータやタグなどを効果的に使用することによって、コンテンツがどのような内容かを検索エンジンに伝えることができます。
サイトの速度改善
また、サイトの速度を改善することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させると同時に、SEOのランキング向上にもつなげることができます。ページの読み込み速度を改善するためには、画像の最適化やCSSの最小化といった手法があります。
レスポンシブデザインの実装
検索エンジンは、モバイルフレンドリーなサイトを好む傾向にあり、モバイル対応のサイトであることがランキングに影響することがあります。
検索結果の上位に表示されることで、ウェブサイトの露出が増え、多くの人々がアクセスすることができます。さらに、検索エンジンで上位表示されることで、ウェブサイトの信頼性や知名度が向上し、ビジネスにおいても大きな効果を生むことができます。
それゆえ、Webデザイナーは、SEOの観点を取り入れながらWebサイトを制作することが求められます。
UXデザイン
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UXデザイン(User Experience Design)とは、ユーザーがWebサイトやアプリケーションを利用する際の体験をデザインすることです。UXデザインでは、Webサイトやアプリケーションの使いやすさや快適さを向上させ、ユーザーにとってより良い体験を提供するために、UIデザインや情報デザイン、ユーザーテストなどを行います。
UXデザインが重要な理由は、ユーザーがWebサイトやアプリケーションを利用する際の、その体験がそのままビジネスに影響を与えるからです。
例えば、Webサイトが使いにくければ、ユーザーはストレスを感じたり、サービスに失望したりすることがあります。その結果、ユーザーが利用を辞めたり、競合他社のサービスを利用することになる可能性があります。
そのような事態を減らすために、Webデザイナーはユーザーの動向を意識しながらUXデザインを改善し、コンバージョン率を上げる必要があります。
コンバージョン率
コンバージョン(Conversion)とは、Webマーケティングにおいて、ウェブサイトやアプリ内で設定された目的地点にユーザーが到達することを指します。
目的地点には、Webサイト内での購入や問い合わせフォームの送信、アプリ内での特定の機能の利用などが該当します。コンバージョンは、Webサイトやアプリの設計や運用の目的を達成するための重要な指標となっています。
UXデザインは、Webサイト上でのユーザーの体験を最適化することで、コンバージョン率の向上につながる重要な要素となります。
また、Webページのコンバージョン率を高めるためには、ユーザーのページ上での行動を把握していることが重要です。そのためのツールとしては、Google Analyticsなどの解析ツールが有効です。
Google Analytics
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Google Analyticsは、Googleが提供するWeb解析サービスです。Google Analyticsを使うことで、Webサイト上でのユーザーの行動やユーザーがWebサイトを利用する上での課題を把握することができます。これにより、UXデザインやコンバージョン率を改善するための施策や方向性が決定しやすくなります。
Google Analyticsは、主に次のようなデータを収集し、可視化することができます。
アクセス数や滞在時間
Webサイトにアクセスしたユーザー数や、ユーザーがサイト上で過ごした時間などの基本的なトラフィックデータを収集することができます。
ユーザー属性や行動
年齢や性別、地域などのユーザーの属性情報や、ページビュー数、コンバージョン率といったWebサイト上での行動を分析することができます。また、ボタンクリックやフォーム送信などといった特定のイベントに関する情報も把握することが可能です。
セッション情報
入退室時刻、使用デバイス、利用環境などのユーザーのセッション情報を収集することができます。
リファラーとキーワード
ユーザーがどのサイトから訪問してきたかを把握できます。また、そのページに辿り着くために、ユーザーが検索エンジンでどのようなキーワードを使ったのかを把握することができます。
例えば、Google Analyticsを使って、ユーザーがWebサイトのどのページで離脱するかを把握すれば、そのページのUXデザインを改善し、ユーザーの離脱率を下げることができます。
さらに、ユーザーのデバイスや地域、年齢などの情報を把握することで、ターゲットユーザーに合わせたコンテンツの提供や、レスポンシブデザインの改善などの、UXデザインの最適化を図ることができます。
まとめ
ビジネスの発展に貢献するWebサイトをデザインするためには、検索エンジンへの最適化や、ユーザーアクセスの解析などの、Webマーケティングの知識が非常に重要です。
SEO対策を行い、検索エンジンからのアクセスを増やすことで、ビジネスの認知度を高めることのできるWebサイトをデザインすることができます。
また、UXデザインに関する知識を持つことで、ユーザーのニーズや行動パターンを理解し、ユーザーの満足度とコンバージョン率を向上させることができます。
さらに、Google Analyticsを利用し、Webサイトのトラフィックやユーザーの行動データを収集し、分析することで、Webサイトの課題を把握し、改善策を立てることができます。
Webマーケティングの知識を持つことは、Webデザイナーとしてのスキルアップに繋がるだけでなく、クライアント企業にとっても大きなメリットとなります。
より価値あるWebサイトを制作するために、是非Webマーケティングの知識を学んでみてください。