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【前編】第1回 OMO Meetup開催! OMOとは何か、メーカー、流通・小売とのデータ連携で生まれる買物体験の未来についてお話しました

※この記事は、株式会社エブリーのオウンドメディア「every.thing」にて2019年10月28日に更新されたものです。(https://everything.every.tv/20191028-2/

鵜飼 勇人
執行役員 DELISH KITCHENカンパニー OMO事業部長

2006年慶應義塾大学卒業後、トーマツ コンサルティング株式会社(現:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)に入社。2008年1月よりアクセンチュア株式会社に入社、金融業界向けのマーケティング事業に従事。 2011年4月、グリー株式会社へ入社し、プラットフォームの事業戦略、グローバル展開を担う。 2013年4月よりリブセンスに入社、キャリア事業部長として転職サイトなどの運営を主導。 2017年7月、株式会社エブリーに入社、経営企画としてリテールソリューション事業の立ち上げに従事。2019年6月に執行役員、DELISH KITCHENカンパニーOMO事業部長に就任。

先日、エブリーのOMO事業部主催としては初となる社内イベント「第1回 OMO Meetup」が開催されました。イベントには、80名以上のメーカー、小売、代理店の方々にご参加いただきました!OMOとは何か、DELISH KITCHENが目指している未来にメーカー、流通がどのように関係してくるのか、当日のイベントの様子をご紹介します。

DELISH KITCHENが目指す姿とは

ー冒頭、DELISH KITCHENカンパニー長 菅原からご挨拶をさせて頂きました



菅原:DELISH KITCHENのコンセプトは「だれでも簡単においしくつくれる」レシピの”提案”です。DELISH KITCHENが実施した主婦の方へのアンケートの結果からは、「献立を考えるのが面倒」また、「献立のレパートリーが少ない」と言った課題が挙げられます。みなさまも、奥様に「今日何食べたい?」と聞かれて「なんでもいいよ」と答えてしまうこと、多いのではないでしょうか。

こういった課題の解決策として、毎日新しいレシピのご提案をしています。今まで作ったことのない料理がテーブルに並ぶことで、新たなコミュニケーションが生まれ、食卓が楽しくなるといった状態を目指しています。



菅原:また、競合サービスとは何が違うのかとよく問われます。私たちDELISH KITCHENでは、全レシピ管理栄養士監修になっていて、全員プロの資格を持ったフードスタイリストがレシピの企画から撮影まで担当しています。最近では、サービス内でもどのフードスタイリストがどのレシピを作っているのかが分かるよう機能を追加しました。誰でも安心して料理ができ、栄養バランスもよくて失敗しないレシピを提供していく、メディアとしての透明性と信頼性を高めるサービスづくりを強化しています。


よりパーソナライズ化されたコンテンツ提供が可能になるOMO時代の到来

ーこのように今までDELISH KITCHENはユーザー向けにレシピ提案をしてきましたが、今後目指す姿として「食」に関連する全てのフェーズでより良い体験を提供していくと語られました。そのために必要なのが、オンライン・オフラインのデータを集約した「OMOへの挑戦」です。続いてこのテーマについてOMO事業部長の鵜飼から2025年に向けての話をさせていただきました。

鵜飼:来年の東京オリンピックを境に、5G/IoTの商用化がはじまり、2025年に向けて広く実用化が進むと言われています。その経済効果は全体で46兆円を超えます。小売については、在庫管理の最適化や自動会計など販促の最適化などで3.5兆円の効果が見込まれています。



鵜飼:OMOな世界を実現する前提条件として、自動会計などを実現するための「モバイル決済の普及」、店内で消費者の動きを把握するための「センサーの普及」、さらにそういったデータを分析するための「ロボットや人工知能技術の普及」が挙げられます。



鵜飼:こうした条件が整いつつある今、DELISH KITCHENが提供していきたいことは、食に関わる全てのフェーズでユーザーの行動をデータ化していくことです。

POSとのID連携が進めば、現状のアプリ内の視聴データに加え、店頭での購買の意思決定や、購入後に実際に料理を作ったのか、満足したのかといったところまで、一気通貫でデータ化し分析できるようになります。



鵜飼:これによって流通・小売の在庫管理が最適化されたり、メーカー商品も特定のユーザーに向けて広告できるようになったり、ユーザーにはよりパーソナライズ化されたレシピ提案ということが可能になっていきます。まずはIDの連携などを進めていくことになりますが、2年後を目標にこうしたコンテンツの実現を目指しています。

ーコンテンツの例として、アメリカCaper社のスマートカートの事例などを紹介していました!こんなお買物が実現したらと思うと、とてもワクワクしますね!


流通・小売との連携で生まれる、新たな購買体験とは

ー最後に、流通・小売との連携を強化していくために資本・業務提携した伊藤忠食品株式会社の経営企画本部 本部長補佐 星 利夫氏とともにトークセッションを行いました。モデレーターには、日本食料新聞の月刊「食品新製品トレンド」編集長 武藤 麻実子氏を迎えて、現状の課題や今後の具体的な展開についてディスカッションを行いました。



武藤氏:まずは現在のデータ活用について、両社にそれぞれ伺っていきたいと思います。

星氏:卸である当社は、小売業から頂いたPOSデータを元に売れ筋商品を分析して棚のアイテムの入れ替えなどを提案しています。これまでのPOSデータにはIDがありませんでしたので、昨年の結果に対して今年のトレンドを加え「こうあるべきではないか」といった実績に基づく分析を行なっていました。

データの裏付けとなる、「誰がどの商品を購入したのか」「リピーターはどれくらいいるのか」「CMの効果で初めて購入されたのか」といった分析ができていなかった点が課題でした。今後、OMOへシフトしていきIDと連携されれば、各ブランドによって異なる”購買傾向”に基づいて提案ができるようになると考えています。

鵜飼:DELISH KITCHENでは、レシピ動画の視聴データは取得しています。属性ごとにどのレシピが視聴されているのか、何秒でどんな内容の時に離脱してしまうのかなど細かく分析してコンテンツの改善に生かしています。レシピ動画以外のほかの機能、特売情報やクーポン機能などについても、どのように使われているのかデータを元に様々な分析をしています。

しかし、レシピ動画を閲覧された後の行動についてはデータがないのが課題です。レシピを見て実際に店頭に足を運んだのか、該当レシピの材料を購入したのか、調理はしたのか、満足されたのかといったデータは不足しているかなと思っています。特に購買結果については我々だけでは難しいので、パートナーさんと一緒に組んで進めているところになります。



武藤氏:消費者との接点はありつつも、それぞれリーチできない部分もあったということで、両社の良さを掛け合わせることで今後の展開が見えてきそうですね!OMO時代になった時にはこの消費者の接点が変化していくのかなと感じたのですが、如何でしょうか?

鵜飼:そうですね、アプリ以外の接点が増えていくと思います。DELISH KITCHENでは現在でもAmazon Echoシリーズの「EchoSpot」向けにサービスを提供していて、話しかけるだけでレシピを検索することができます。(詳しくはこちら

また、店頭デジタルサイネージなどを活用して、こちらから能動的にアクションを起こすことも技術的には可能ですので、購買シーンでも最適な情報提供ができるようになります。

社会課題の解決にも!?OMOなデータ融合がもたらす効果とは

武藤氏:増えた接点で得たデータは莫大になっていくのかなと思いますが、どう融合されていくのでしょうか?

鵜飼:我々だけでは融合は進んでいきません。アプリ以外の購買シーン、例えば手に取ったけど戻したとか購入するまでにどんなことに影響されたのかといったところは、やはり流通・小売との提携を通じて融合されていくと思います。

星氏:リアルの動きがデータ化されるとメーカーの製造計画や小売の販売計画をより効率的にしていく提案ができるようになりますよね。こうした在庫管理が機能してくると、大きな社会課題である「食品ロス」の削減にも貢献できるのではないかと思っています。



鵜飼:冒頭、菅原からも話がありましたが、DELISH KITCHENは「食」にまつわる課題を解決していくことが大きな役割の一つだと考えています。現在も視聴データから、嗜好などを判断しおすすめレシピの提案などはしています。これが視聴データから購買データまで一貫したデータ分析ができるようになると、よりパーソナライズ化されたレシピ提案が可能になります。

今年、経産省の「電子タグを用いた情報共有システムの実験」に参画していたのですが、こちらの動画がイメージしやすいと思います。IoT家電と連携が進むと購入した商品を使い切るところまでデータとして連携できます。冷蔵庫にある消費期限の迫った食材を使ったレシピの提案なども可能で、無駄なく食材を使いきることができます。広告に関しても、必要なタイミングに合わせた情報提供が可能になれば、有益な情報になり得ると思います。


星氏:こういった生活にフィットしていくと広告も必要な情報になっていきますよね。DELISH KITCHENのメーカータイアップの動画も、商品を使った新しいレシピを知れるので抵抗なく見れる。いわゆる広告という感じはないですよね。

武藤氏:OMO時代には広告も付加価値のある情報といった形で役割が変化していきそうですね。最後に、今後について現場や消費者の接点など、それぞれどう展開されていきますでしょうか?

星氏:OMO時代になりますと、リアルの物流、商品、提供面といった全ての情報の”データ化”が重要です。今まではtoB向けにサポートをしてきたが、toC向けの物流機能の拡大や、消費者の期待に応えられるようになれるか、というところが次世代の食品卸には求められてくると思います。

鵜飼:私も同じくあらゆる情報のデータ化は重要だと考えています。DELISH KITCHENとしては、アプリ以外のオフラインのデータといかに融合させていけるかがポイントです。メーカー向けにも、流通・小売向けにも、そしてユーザー向けにも、よりパーソナライズ化された信頼性の高いサービスを提供していくために、様々な連携強化を行なっていきたいと思います。

ーイベントの最後には、DELISH KITCHENのメーカータイアップレシピの試食会も行われました!今回は、過去に配信されたメーカータイアップレシピから4品の提供を行いました。また、会場では人気のDELISH KITCHENオリジナルキッチングッズの展示も行い、直近の取り組みをよりわかりやすく伝えられるように工夫しました。

DELISH KITCHENは、OMO時代に必要とされる「食」のプラットフォームとなるため連携強化に取り組み、メーカー、流通・小売、ユーザーの皆様にさらなる価値の提供を目指します。


後編では、今回のOMO Meetupを主催したOMO事業部のマーケティングチームに、開催の狙いや今後の展開について話を聞いています!

【後編】第1回 OMO Meetup開催!イベント運営未経験の2人がゼロからのスタート!?エブリー初となる新たな取り組みが実現するまでの軌跡をお届け

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