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秋田発over65からプロを目指すシニアeスポーツチーム マタギスナイパーズの運営担当の独り言を綴りました。
2021年の6月頃からの記憶をつらつらと語っていきます。
ご興味が湧いたらお付き合いいただけると嬉しいです!
ある日代表が【マタギスナイパーズ】を思いついた。
株式会社エスツーは、東北に主拠点を置くITベンチャー企業です。
入社5年目の筆者 根本は、パワフルアイデアマンな代表須藤が様々な発想を爆発させ、たくさんの「点」を置いて飛び去っていく、そんな姿を見上げています。
そのアイデアは大きく広がり日の目を見るものもあれば、生まれてくる時代が早すぎたんだ…というようなものもあります。つまり当たったり当たらなかったり、するのですが…
そんな代表が、2018年に「eスポーツのチームを作ろう!」と思い立ち、秋田の若者たちを集め、次は「シニアeスポーツチームを作ろう」と動き出したわけです。
いやいやシニアって。eスポーツって。出オチになるって。
そんな気持ちを胸に抱き、当時eスポーツ事業担当ではなかった筆者は他人事のように眺めていました。
【マタギスナイパーズ】が動き出してしまった話。
株式会社エスツーの本社がある秋田県は、日本一急速に高齢化が進んでいる県。
そして、筆者が10代の頃から「人口に対する自殺者の割合が日本一」だとか「出生率ワースト1」だとか、不名誉かつ後ろ向きなランクインを遂げている県です。
なんなら「修学旅行行ったら今どこで何してるかCM流れるんでしょww」とか「ナマハゲ来たことある?www」とか「納豆に砂糖かけて食うのwww」とか「なんでも寒天で固めるってマジ?www」とか…秋田県あるあるを軽くdisられた経験の枚挙に暇がありません。
要するに、自分のふるさとだし、今も住んでいるのに、秋田県の魅力が余り思いつかないというとても恥ずかしいお話を今しています。
しかし弊社代表は言います。
秋田県にあるのは「酒」「米」「小町(美女)」「高齢者」
代表は、マイナスイメージの大きな「高齢化」を逆手に取り、「売りにできないか」と本気で考え、行きついた先が
シニアeスポーツチーム【マタギスナイパーズ】でした。
日本一高齢化が進んでいる秋田の高齢者が、日本一元気だったら最高に夢がある。
事も無げに笑う代表の言葉は、間違いなく本気のものでした。
「記者会見するからセッティングしておいて」
それは、【マタギスナイパーズ】の始動が決まった瞬間であり
筆者根本もこのプロジェクトの運営に関わる事が決まった瞬間でもありました。
【マタギスナイパーズ候補】が集まってきた話。
2021年6月、いよいよ募集のために動き出します。
募集開始の記者会見をする、というプレスリリースを記者クラブへ投げ込み、本当に人が集まって来るのか…と不安を抱えながら迎えた当日。
11社のメディアの方々が集まってくださり、翌日には秋田県内の多くの紙面にシニアeスポーツチーム【マタギスナイパーズ】の選手を募集する記事が掲載されました。
(各メディアの皆さん、その節は本当にありがとうございます)
そのおかげか、元より何かを求めていた方が多かったのか…
筆者の予想に反して、3か月間の募集期間に二十余名の応募者が集まったのでした。
正直な話、多くて3名程度ご応募があれば良い方…と思っていたため、驚きと喜びは大きなものでした。
折角集まってくださった選手候補たちにゲームの楽しさを知って貰わなければいけない。
募集期間に行った体験会では、フォートナイトをプレイしていただくと決めていました。
PCなども全てセッティングをしてあとは触るだけという状態の中で、
初めてのゲーム、初めてのキーボードマウスに戸惑いながら、まずは歩いて、撃つ。それだけ。
ゲームをしたことがある筆者にとっては「それだけ」でしたが、
動いた!当たった!と楽しげに声をあげる諸先輩方は、少年少女のようでした。
ゲームって、何歳でも始めていいし、何歳でも楽しんでいいんだ。
そんな当たり前のことに、この時気付かされた筆者でした。
【マタギスナイパーズ】が発足した日の話。
2021年9月21日 マタギスナイパーズ発足会見
約三か月の募集期間で集まった二十余名は、14名になっていました。
会見での質問にもありましたが、トライアウトなどを行ったわけではありません。
・落ちものパズルとか、易しいものを想像していた
・ゲームサークルくらいのカジュアルさを求めていた
・体がついていかなそう
など、様々な理由により活動を辞退される方がいらっしゃいました。
そんな中で、楽しそう、と続けることを決めてくださったのが14名のマタギスナイパーズになったのです。
記者会見には、プロジェクト開始の際よりも多くのメディアの方が集まってくださいました。
その日の夕方にはまさかの全国ニュースになり、鳴りやまないツイッターの通知に震える夜となりました。この日一日でフォロワーが1500人を超え、秋田で密やかにスタートするはずの企画は想定よりも多くの皆様に知っていただいたのです。
当時のコメントの多くは、over65世代がゲームに触れていることへのポジティブなものでした。
それから、40代50代からの「自分も入りたい」という声や、もっと若い世代からの「自分の親を入れたい」と言う声も印象に残っています。
【閑話】運営の2人はゲームが出来ない。
この会見の前、スタート当初から見て見ぬふりをしていた問題が立ちはだかります。
株式会社エスツー 総務部部長緒方と、筆者根本は… FPSが出来ないという事実…。
これは由々しき問題である、と、兼ねてから交流のあった秋田の若手eスポーツプレイヤーを日本初のシニアeスポーツチームの監督兼コーチとしてエスツー総務部にお呼びすることを決めたのでした…。
彼の話だけでストーリーが一本上がりそうなので、いつかご紹介したいと思います。
【マタギスナイパーズ】の格好良さに気づいた話。
マタギスナイパーズの活動は、前述の監督兼コーチのれもんくんこと総務部須田くん(以下、れもんくん)が、「PCの電源の位置」「デバイスの接続」「アカウントとは」などから始まり、「ゲームのルール」「マナー」「操作方法」…挙げればきりがありませんがとにかく[ゲームをするための基礎知識]を選手に伝える日々が半年続き、今日に至ります。
その間、自分の子供よりも年下のれもんくんから檄を飛ばされたり、うっかり見知らぬ方とフレンドになってちょっと叱られたり…(ネットに慣れるまで自由な交流は待ってね、と運営からお願いをしているのです…)プライベートの多忙と戦いながら練習に励んだり…
上手く動かないキャラクターや、定まらないエイム、スピード感のある試合展開…突然後ろから撃たれ、気付かないうちにゲームが終わったり…
もどかしい中で精一杯練習を重ね、今、普通にプレイをしているのです。
負けたくないから、負けて悔しいから、訓練場に籠って3時間的を撃ち続けます。
大会に出て、全然思った通りに動けなくて、悔しそうに肩を落としている姿も見ています。
二度目の大会出場の際に、初回より成績が落ちてしまったことにしばらく呆然とし、徐に射撃練習を始める後ろ姿に何だかこみ上げるものもありました。
たかがゲーム、なのですが、年を重ねた今、ゲームに出会い真剣に向き合ってくれている大人たちを見ていると、何をするにも遅すぎることなんてないのだと改めて感じます。
ゲーミングチェアに腰を据え、モニターを向き合う姿が格好いい、と思えた一年でした。
【マタギスナイパーズ】とまた一年頑張ろうと思っている話。
2021年6月に募集を開始してからようやく1年が経ちました。
正式に発足して半年ほど経ちましたが、人生の先輩としての選手たちとのふれあいの楽しさは変わりません。今彼らが目指しているものはとても遠く、そう簡単にたどり着ける境地ではないのですが、何歳になってもそんな挑戦が出来るマインドに憧れます。
彼らの新たな夢を叶えるために今何が出来るのかを考えることができるこの仕事を続けていきたいと改めて思う今日この頃。
新しいゲームのルールやあれこれを覚えるのは本当に大変だけれど、
今やったらあと20年楽しめる!!!
そう語る先輩の背中を追いかけて今日もお仕事をしています。
全世界に売り出したい~~~~~!!!!!