エイトノット木村です。
8月中旬から約2ヶ月に渡って実施してきた、広島県大崎上島での実証実験ですが、大きなトラブルもなく10月16日で無事に終了することができました。
今回は実証実験で得られた気付きについて簡単にまとめ&次のステップについて少しだけ書いておこうと思います。
実証実験の詳細については、実験実施を支援いただいた広島商船高専の学生さんが書いたnote がすごくよくまとまっていますので、そちらをご覧ください!
実証実験の意義と成果
自律航行船の可能性を社会に発信できたことが一番大きいかと考えています。言い換えると「自律航行があるとどのように暮らしが変わるのか」これを当事者の方々(島民の方々、自治体の方々)に示すことができたのは今回の大きな収穫です。
新しい技術を使ったサービスは、前例のない新しい体験を提供するということだと思います。つまり、自分の暮らしの中でどのような変化が起きるのか、実際に自分の目で確かめない限りはそれが本当に必要となるものなのかどうかが分からないことです。
初めて島民の方々とお話しした時には、現状の暮らしを将来に渡って維持していくことは難しいと感じていらっしゃり、その不便さや不満を受け入れ、諦めにも近いような感情をお持ちだったことが印象に残っています。
しかしながら、我々の取り組みについて、その先にある未来像についてお話を続けていくと少しずつ現状の課題や本当はこうなったら嬉しい、など具体的なご要望も伺うことができ、最終的なサービスに仕上げていく際の貴重なアドバイスをいただくことができました。
ビジネス的にも技術的にも法的にも超えていかなければならないハードルはまだまだあります。今回の実証実験でお世話になった生野島の木村区長からは「やってみなきゃ分からんし、ダメだったらダメなところを直せばいい」という力強い言葉も頂戴し、地域一体となってこれからも実用化に向けて事業を進めていければと考えています。
プロジェクト動画公開!
プロジェクト動画もできましたのでぜひご覧ください!
次は観光分野での利活用を検討
広島では生活に必要な物流インフラとしての可能性を実証してきましたが、次のステップでは観光での活用方法を実証していきます。
具体的な実証実験の内容等はまた今度ポストしたいと考えていますが、ニューノーマルに向けた新しい観光様式、船旅体験を地元の事業者の方々、自治体の皆様と一緒になって作り上げていきたいと考えています。
特に我々は「小型船舶の自律化」に取り組んでいますので、ニューノーマルで求められる少人数、プライベート観光といった切り口で旅客事業の拡大につなげられないかということを評価していく予定にしています。
また、観光用途だけでなく、災害時の代替輸送インフラとしての活用など、自律航行技術を地元に根付かせる意味でも重要な役割を担えるように合わせて検討を進めていく予定にしています。
このような活動を各地で行なっていくことで、確実に自律航行の可能性を信じてくださる方々が増えてきています。我々がその旗振り役となって、大きなうねりを生み出していければと考えています。
それでは、また!