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社長の挑戦 - 株式会社いーふらん代表取締役社長 鹿村大志

株式会社いーふらん 代表取締役社長
鹿村 大志

平成20年に株式会社おたからや (現株式会社いーふらん)に入社し、おたからやのフランチャイズ化および直営店の立ち上げを行い、おたからやの多店舗展開に貢献。令和2年の取締役への就任を経て、令和3年に代表取締役社長に就任。


これまでのいーふらんでの挑戦の中で印象に残ってること

株式会社いーふらんに私が入社した当時は売上が10億ちょっとの会社でした。買取専門店の認知も低かったです。
当時はとにかく仕事がほしかったので、渡辺会長へ「何でもやります」という話をし、最初は契約社員として採用され、そこからは本当に何でもがむしゃらに取り組みました。
いーふらんでの最初の挑戦といえば、買取事業をフランチャイズ化するFC事業や、買取品の真贋を判断する部署の立ち上げを実現したことです。
契約書作成やマニュアル作成、広告制作とあらゆる業務を経験しました。任される仕事に挑み続けるうち、業務範囲も広がっていき、マネジメントや経営にも関わらせていただくようになり、現在に至ります。

直営店の指導をしていた頃に忘れられない思い出があります。ある日、ダイヤモンドを買取にお持ち込みになったお客様に対応したスタッフが、買取価格の相談のために本部へ問い合わせに来た時です。
たまたまそこに居合わせた私が本部スタッフに「買えそうですか」と尋ねたところ「お客様の希望価格が買い取り価格を上回るので無理です」と言いました。

当時、買取価格を決める社内のホットラインのスタッフはダイヤモンドに関する情報に疎く、世界の相場に精通していなかったんです。
私は即座に本部スタッフに、世界中のダイヤモンドのバイヤーに片っ端から連絡を取って取引価格をあげてもらえるよう交渉しました。同時に店舗スタッフにはお客様に対して相場価格などを丁寧に説明するなど粘り強く交渉してもらった結果、買取にこぎつけることができました。
「お客様の要望にできる限り応えられるよう力を尽くすのが我々の仕事。それを怠ったらおたからやの存在意義はない」。私は社長になった今もお客様に寄り添う重要性を社員みんなに共有しています。


今取組んでいる、いーふらんの挑戦

高い目標ですが、将来的に1兆円企業を目指そうということで取り組んできています。おたからやブランドを核に不動産など他の事業でも売り上げの柱を太くしていく考えです。
その為にはまずは、おたからやの海外展開の成功とAIによる真贋(しんがん)や相場を判定できるシステム開発の導入がキーになると考えています。特にAIによるシステム開発はまだ成功モデルがないので、先駆けて我々がそのロールモデルを作っていきたいと考えています。

おたからやは現在、国内店舗数が直営店で170店舗、加盟店も合わせて約1,000店舗まで拡大し、2024年4月に200名ほどの新卒を採用し、従業員数も1,000人を超えました。店舗のネットワークや人材も充実してきた中、現在まさに海外市場の開拓にも取り組んでいく土台が出来つつあります。

組織の成長のカギは、経営感覚を持った人材をどれだけ多く育てられるかにあると考えていますので、引き続き良い人材を発掘し、活躍できる場を用意しながら、会社全体で挑戦を続けていきます。

組織が挑戦を奨励する理念や価値観

よく渡辺会長がおっしゃる言葉で、
「必死に生きてこそ、その生涯は光を放つ」という、織田信長の言葉があります。
私自身の考えてとして、仕事は何でも辛いものだと思っています。だからこそ仕事に真剣に向き合い、取り組むことで、人がびっくりするような結果や大きな成果を残せると考えています。
必死に生きてこそ、その生涯は光を放つ。そういった価値観を常に大事にしています。

社員が新しいアイデアを出しやすい環境について

働く環境という面では福利厚生にはかなり力を入れてますし、残業をさせずに高い報酬を得させる制度の土台も整備してきました。 また、社員からの新しい取組やアイデア、新規事業提案はいつでもウェルカムな状態ではあります。

例えば社内で部署の人材募集とかの公募をかける際は、プレゼンテーションを行い、全員が各自お題を出し、課題を提示します。
それに対してフォーマットを決めて、プレゼン内容に応じて役職が決定されるなど誰もが平等にチャンスがある環境を作っています。

あと新卒者はアンケートを取って、誰の上司のもとで働きたいかを選べるユニークな制度もあります。
そのためには上司も部下も互いに切磋琢磨してしっかり数字を作っていかないといけないのが特徴です。

そういった人間関係の構築だったり、 定期的に社内で公募を出して募集したりすることで、若い社員の力とか発想を活かしやすい環境の整備に力を入れています。

挑戦を引き起こす方法や促進する手段について

例えば私たちが10年、20年とこれまで時間とお金を使って蓄えた知識とか経験を若い社員に対して、自分たちよりも短い期間に身につけてもらい、さらに成長していただくことはとても重要だと考えています。そうでなければ、社長や会社の管理職の存在価値はないと思っています。

組織は何のために集まるのかというと、一人でできない大きな目標やビジョンを組織全体で達成していくために集まっています。
老いては、子に従えは極端かもしれないですが、若い人のやる気をそがないとか、若い人のやる気を伸ばすなど、そういった組織であり続けたいと常に考えています。

私も含め管理職の皆んなはそこに頑張ろうとしてくれているのでとても信頼しています。

学生の皆様へメッセージ

私が必ずいつも入社式でお伝えしている言葉があります。
「明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」
これは親鸞聖人が詠まれたと伝わる和歌です。
ちょうど私が中学生の頃にこの言葉を知って感銘を受けた言葉です。

親鸞聖人が9歳の時、仏門に入られる決心をされ天台座主である慈円を訪ねましたが、すでに夜だったので、「明日の朝になったら得度の式をしてあげましょう」と言われました。しかし、聖人は「明日まで待てません」とおっしゃられ、その時詠まれたのがこの歌と伝わっています。この歌の意味は、「今美しく咲いている桜を、明日も見ることができるだろうと安心していると、夜半に強い風が吹いて散ってしまうかもしれない」ということですが、親鸞聖人は、自分の命を桜の花に喩え、「明日自分の命があるかどうか分からない、だからこそ今を精一杯大事に生きていきたい」との思いが込められています。

要するに今日やれることは今日やりましょうという言葉が、今の時代よりもさらに重たかった時代なんですね。私も昔は苦労を経験しているので、ちょっと極端ではありますけど、今日できることを明日にして、明日後悔するのはもったいないという考えを常に持って日々を過ごしています。苦しかった当時の私は、とてもこの言葉に励まされました。
だから学生さんも自分の中でしっくりくる言葉をぜひ探してみてほしいです。
自分がしんどい時に助けになる言葉って本当に必要だと思います。

就職活動という視点でいくと、企業選択の時にはスピーディーな会社かどうかを選ぶ基準にしてみてください。
スピーディーに物事を決めて、早く動いてるような会社を選んだ方が自分の人生がより面白くなると思います。
大きな組織になればなるほど、身動きが重くなるものです。
いーふらんも1,000名を超える組織になりましたが、それでも毎日スピーディーに物事を決めて進めていく組織体制を作っています。

最後に学生さんも今日が人生最後の日だと思って、まずは目の前のことに全力で取り組んでみてください。

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