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【社員座談会:SE】日本の製造業を支える最先端3Dテクノロジーの変遷(後編)


現場目線で語る技術の変遷や、これからもっと挑戦していきたいことなど、ぜひ最後までご覧ください!

河根 伸泰(かわね のぶやす):入社26年 テクニカルユニット所属
牛尾 公一(うしお まさかず):入社10年 テクニカルユニット所属
井澤 太希(いざわ たいき) :入社5年 テクニカルユニット所属        ※2023年時点

Q.3Dテクノロジーの発達により、成長した日本の業界とは?

河根:大きく成長したのは医療ですかね。みなさんがイメージするCTスキャンって断面図だと思うんですけど、この2Dのデータを3D化することができるようになっています。

血管だけを残して立体で見たり、病変を特定することもできます。また、手術の前のシミュレーションの精度も上がるので、成功率が格段に上がっていると考えています。


牛尾:部位の模型を3Dでプリントしたりして、患者さんにも説明できるみたいですね。ただやっぱり、この設備を取り入れているのは、有名な大学病院とか大きい総合病院とか、まだほんの一部の病院だけだと思います。

井澤:5年後、10年後にはもっと普及して、映画みたいな手術になったりするかもしれないですね(笑)

河根:有名なドクターが遠隔で手術したり、ロボットが手術したり…。あ、これは3Dと関係なくなっちゃいますね(笑)

牛尾:あと、ちょっと違った切り口だと、義肢が以前よりも使いやすく、買いやすくなりましたね。義肢の設置面をスキャンし、高精度なデータを取得できれば、負荷がなくフィットしたデザインを設計することができます。

これにより、制作コストもリードタイムも大幅に削減できるようになりましたね。国からの補助金も出るは出るんですが、それでも自己負担額は大きいので、製造コストが下がることで、今まで買えなかった人たちにも、買いやすくなっているんじゃないかと思います。

患者のデータのデジタル化は、大手の義肢メーカーであれば既にどこでもやっています。医療においては、メジャーな技術と言えるんじゃないでしょうか。


河根:ちょっと聞いたのは、頭蓋骨陥没の患者に、3Dプリンターで出力した頭蓋骨のパーツを入れるという話です。欠損してしまった部位でも、3Dデータを取得することができれば、再建できる時代になったんだと思います。

Q.近未来、さらに3D技術が進化することで、どんなことが実現すると思いますか?

牛尾:コンシューマー向けも、企業向けにもあるとしたら、デジタルインベントリですかね…。

河根:例えば?

牛尾:世界各国に工場を持ってる企業があるとして。本社の工場にはデータベースを作るコアチームを作って、全工場のデータの一括管理を行います。その他の工場には3Dプリンターがずらっと並んでいて、在庫システムが常に稼働しておく状態にするんです。

そこで、工場内に消耗パーツの在庫がなくなったら、在庫システムにフラグが立ち、それをキャッチした本社サーバーは現地の3Dプリンターへパーツを作る命令が飛ぶ。

3Dプリンターは命令を受けてパーツを生成し、作業者はそれを持ってきて使うだけ、といったことは出来るかなと思いました。

河根:それは…今もやろうと思えばできそうだね(笑)

井澤:本当ですね、受け入れ態勢だけ整っていれば。ちなみに、コンシューマー向けは?

牛尾:今の工場の話から比べるとかなり飛躍してしまいますけど、一家に一台、3Dプリンターが普及したら…ていう話ですね。捨てるだけのプラスチックゴミを材料にして、新しいプラスチック製品を作る、とかは近未来だと実現しそうかなって。

河根:家に材料や素材があるもの限定ですね。例えば、お茶碗を割っちゃったから、3Dプリンターで新しく印刷!するには、まずは材料の確保が必要ですし。

井澤:うちはコンシューマー向けをそもそも想定していないので、なかなか想像が難しいですね(笑)

3Dデータの発展で、世界はどのように進化していくのでしょうか?

河根:3Dデータを活用していない業界の方が、昨今では少なくなってきましたね。

私が入社した頃は、2次元データから3次元データへの端境で、それから時代とともに3次元データが当たり前になって、今度はその3次元データに意味を持たせようとしています。それによって、もっと広義な使い方できるようになっていくのかなと思いますね。

牛尾:例えば、建築土木業界において、3Dデータっていうのはただの“形だけ”の設計データなんですよね。”BIM/CIM”システムの導入によって、形だけの3Dデータから、使用部材のメタデータとか、構造の規格などのデータを付与しようとしています。

井澤:色のデータを持たせたり、材質の情報を持たせたり、物の表面の質感・手触りなどのテクスチャなんかもそうですよね。



牛尾:こういったツールの発展や、デジタルプロセスのコーディネートを進めることで、製造業の生産性向上や効率化、スマート化が実現することが、私たちのミッションです。

ただ、本当に極端な話をすると、私たちの仕事って、人の仕事を奪う可能性があるんですよね(笑)

河根:人の手がどんどんいらなくなるからね(笑)

でも、人はより付加価値の高い仕事をすることで、組織や企業は間違いなく発展しますし、それが日本の豊かな未来につながるんだと私たちは信じています。

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