今日は新しい仲間を大真に迎えることが出来て、大変うれしく思います。 自分の意思で当社にて働くことを選択された皆さんは、今日からは自分自身の人生を生きることとなります。つまり、今日は皆さんが自分自身の人生を生きはじめる記念の日です。そんな日に立ち会えたことをとてもうれしく感じています。そんな記念すべき第一日目の門出を祝し、かつ、今後当社で活躍して頂くに当たって、私から皆さんに4つのことをお伝えしたいと思います。 キーワードは「7万時間」「ロープレ」「人類への貢献」「合理性」です。これらの単語を聞くだけでは何のことかよく分かりませんね。今から一つ一つ説明していきたいと思います。
7万時間
自分の人生を生きる まず、「7万時間」。これは日本人の一生涯の総労働時間です。一方で、人生80年と仮定すると、一生涯は約70万時間という計算になり、皆さんの人生の総時間の約10分の1が、「働く」という活動に充てられることになります。 私は、皆さんにぜひこの7万時間を最大限に楽しんで欲しいと思っています。 7万時間を楽しく過ごす秘訣は何だと思いますか? 秘訣の1つ目は、7万時間を「自分たち」のために生きる時間、言い換えると「仲間」のために生きる時間に充てることだと私は考えています。 なぜなら「他人」のために生きる時間は楽しくないですが、「仲間」のために生きる時間は、どれだけ忙しくても楽しく感じますし、充実して感じるからです。 当社は、会社の運営を「ミッション・ビジョン」「ロジカルシンキング」「自由と責任」といった方針に基づいて行っています。これらの経営指針に込められているのは、私たちが「他人」のためではなく、自分たち自身・仲間のために働いていくという決意です。 皆さんはシンギュラリティという言葉を聞いたことがありますか?将来的には人工知能が人間より賢くなって、人間は生活のために働く必要がなくなるかもしれません。仮にそんな時代が来ても、ゆっくり寝て過ごすだけでない充実した人生、意味のある人生を送りたいと考える人たちが、誰かの役に立ったり、何かを達成したりするための場所。当社は、そんな存在であり続けたいと思っています。 つまり、大真という会社は、皆さんの7万時間を楽しくするために、また、充実させるために存在しています。皆さんには、是非、仲間のために働き、その楽しさを実感して欲しいと思います。
ロープレ
7万時間を楽しく過ごすための秘訣の2つ目は、今日お伝えしたいキーワードの2つ目「ロープレ」です。皆さんは、ゲームはやりますか?ロールプレイングゲームというジャンルはご存知でしょうか。私の時代であれば「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」といった名作が「ロープレ」です。 当社では働くことをよくゲームになぞらえていますが、ゲームの中でも特にロールプレイングゲームをイメージしています。 ロープレでは全員がレベル1からスタートします。その後、経験を積んだり勉強したりすることで、少しずつレベルが上がっていきます。レベルが上がれば出来ることが増え、様々な課題を克服してゴールに到達することができます。この成長と達成のプロセスがロープレの楽しさの源であると言えます。仕事も成長と達成のプロセスという点では違いはありません。けれども、ドラクエのようなバーチャルのゲームとは違い、ビジネスのレベルが上がることは皆さん自身の人間的な成長に直結しているので、一度はまるとこれ以上楽しいゲームはありません。 皆さんには是非「ロープレ」感覚で大真の仕事と向き合って欲しい。そのために、本気でこの「ロープレ」に没入して欲しいと思います。本気でのめり込めば成長も早くなり、誰かの役に立つことが増え、充実感や満足感が大きくなるからです。自分で面白いと感じたことをどんどん本気で挑戦していって下さい。皆さんがいろいろなことに前向きに挑戦している様子を見て、きっと周りの人は応援してくれるでしょう。そうして、皆さんの7万時間は更に楽しくなるはずです。
人類への貢献
さて、ドラクエの世界では、ラスボスである大魔王を倒すことが最終目標ですが、当社が掲げている最終目標は、人類の発展のお役に立つことです。3つ目のキーワード「人類への貢献」ですね。スケールが大きすぎると思われるかもしれませんが、時代を超えて生きている企業は、何らかの形で社会のお役に立っているものであり、当社も社会のお役に立ち続けることで、時代を超えて生き抜くことを目指しています。 社会のお役に立ち続けるために大真という会社が心がけていること、それは世の中に存在する様々な不条理を解消することです。 世界には飽食の国もある一方で、1日に何万人もの人が餓死している現状があります。また、依然として沢山の紛争が存在しています。今もいたるところで多くの人が殺し合いをしたり、敵国の妨害をするために膨大な労力を使ったりしています。その他にも「なぜこのようなことになっているのか」と憤ることが無数にあります。このように世界は不条理な事で溢れています。 同じ時代に生きる一人の人間としてこのような状況をとても残念に思いますし、解決することは人類全体の義務だと思います。個人的にも現状を改善するために少しでもお役に立ちたいと考えていました。しかし、一人の力で出来ることは限られています。そこで、私が以前勤めていた会社を退職した時に、これらの不条理を解決するための組織を作りました。それが株式会社大真です。 大真では次の3つの取組みを通じて、世界の不条理を埋める努力をしています。 1つ目に、日常の商社ビジネスを通じて需給ギャップをうめ、より豊かな社会の実現を目指します。 2つ目に、社内外で世界と日本の相互理解の架け橋となる人材を育成します。 3つ目に、「お客様の幸せ」と「仲間の幸せ」という二つの要件を継続的に満たしながら、志を同じくするNPOなどのパートナーへの寄付などを通じて、世界にはびこる不条理や紛争を少しでも減らす努力をします。 私たちがしていることを整理すると「私たち自身の成長を楽しみながら、お客様の幸せ・仲間の幸せ・社会の幸せの3つの実現を目指し、私たちが充実した幸せな人生を送ること。」となります。これを体系的にまとめたものが、当社のミッション体系です。皆さんも、ミッション体系を体現しながら、私たちと一緒にゲームを楽しんでくれることを期待しています。
合理性
最後のキーワード「合理性」についてお伝えします。 最初に申し上げた通り、合理性も当社の基本的ルールにしています。科学的や論理的と言い換えることもあります。私たちは、社内でも道理に合わないこと、つまり不条理を見つけ次第解消する努力を続けています。皆さんもゲームを楽しむにあたり社内に不条理だと感じる慣習や仕組みを見つけたら、すぐに改善案を仲間と共有して下さい。若い目・新しい目で探せばおそらく沢山あるはずです。20年前は一般的に行われていたことでも、今は時代遅れになっていることが沢山あります。同様に、今の常識が20年後に非常識になっていることも沢山あるでしょう。 若い皆さんの感性で、先輩たちの眼には見えない社内の不条理を出来るだけ多く見つけて下さい。即座に全社的に議論して、合理的でない慣習や仕組みをみんなで改善することをお約束します。そうすることが、より高いレベルで3つの幸せを実現出来る可能性が高まるからです。加えて、純粋に何かの改善を達成出来た時って楽しいですよ。当社の不条理を解消することで7万時間を更に充実したものにしていって下さい。
主人公はあなた
ここまで4つのキーワードを紹介しながら、大真という会社を紹介してきました。 皆さんには、幸せに自分の時間を生きてゲームを楽しみながら成長してくれることを期待しています。まずお客様を幸せにするための基礎的なスキルを沢山身につけて下さい。一説には、プロフェッショナルと言われるスキルを身に付けるために必要な時間は約1万時間だと言われています。日本人の平均年間労働時間である1729時間で計算すると、約6年です。「鉄は熱いうちに打て」の格言通り、若いうちに集中して吸収すると効率が良いのですが、趣味や恋愛なども忘れずに楽しんで下さい。私の経験からいっても、何事も真剣に取り組めば、30歳頃までにはプロフェッショナルとしての基礎が出来るはずです。そして、その後もプロフェッショナルとしてお客様をより幸せにしたいという強い気持ちを持ち続け、そのためのスキルを継続的に磨き続けましょう。 当社では、自分自身を磨くための機会を若いうちからふんだんに提供していきます。大企業であれば、20代のうちは大きなプロジェクトなどのサポート役として雑務を担当する期間が長いと聞きます。勿論、当社でも与えられた仕事をチームの一員としてきちんとこなすことを徹底して頂きます。雑務をこなしながら、正解が1つではないビジネスの世界に順応して下さい。一方で、皆さん自身が主人公となって、ゴールを見据えて自ら課題を抽出し、解決策を考えて実行していくような仕事にも早くから参加してもらいます。そこには、皆さんが本気を出すのに不足のない世界が待っています。 そして将来的には、皆さんがリーダーとして会社を引っ張っていく人材に育って頂くことを期待しています。先輩たちもそれぞれの個性に合わせて成長しようとトライを続けています。 皆さんも7万時間、ロープレ感覚で成長しながら、そして合理的に、人類への貢献を目指して一緒に仕事をしていきましょう。 皆さんの入社を心からお祝いし、歓迎のあいさつとかえさせて頂きます。
(2017年入社式挨拶)